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オトコなワンコ 8
津田が出ていって一気に静寂が訪れるとともに、また大きなため息をついた。
……怖かった。
受け入れることがというより、津田の気迫が。
こっちだって後ろは初めてなんだからな! もう少し丁寧に扱え!
でも俺が必要以上に煽ったのも良くなかったんだろうなと、そこは少し反省。
そんなことを思いながら自分が初めてしたときってどうだったかなと思い出してみた。
相手は当時付き合っていた彼女だった。
初体験はかなりドキドキしたものだ。
本とか読んだりネットで調べたりしてヘマしないようにとか、相手を気持ちよくさせるにはどうしたらいいかとか、とにかく色々調べたっけ。
でも、いざ本番になると頭真っ白になって……。
結局、気持ちよかったってことしか残らなかったんだよなぁ。あんなに調べたのになぁ。
そう思えば俺も津田となんら変わらないのかもしれない。
初めてって興奮すんだよ。いや、俺は津田みたいに理性が切れて獣化とかしなかったけどさ。
……でも裏を返せば、それだけ俺に興奮したってことか。
それはそれで、なんかちょっと嬉しいかもしれない。
尻を裂かれたくせに、嬉しいとか思ってる時点でだいぶ津田に毒されている。
あんなのはもうごめんだけど、何だかんだ言って俺は津田が好きなんだよな。
津田が戻ってくるまで特にやることがないから、改めて部屋を見回してみてふと思いつき津田のベッドの下を覗いてみた。
こうなったらエロ本とか探してやろう。
そして、まず直ぐに見つけたのは俺の昼飯代をパウチしたファイルだった。
マジであんのか、と少し引いて横に置いておく。
そして、ここら辺かなって思った場所に案の定あった津田のエロ本。
つか、こんな場所、親にみつかったらどうするんだよ。
それに、この本の表紙に書いてあるタイトル……。
『やみつきアナル特集、恋人を導くドライオーガズムへの道』
なんていう本を持ってやがるんだ!!
つか、こんなのどこで買うんだよ! どこに売ってんだよ!
マジでこれ母親に見つかったらどうするんだ⁉︎
これ、確実に卒倒するやつだから!
マジでヤバいやつだから!
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