52 / 96

オトコなワンコ 9

そしてもう少し漁っていたら。 『How to Analsex』 『タチの心得』 『恋人をメロメロにするセックステクニック』 ……なんか色々出てきた。 こんなのどこで買ってくるんだろう。 これも、隠すならもっとマシなとこに隠せって。 そう思いながらも、ハウツー本やら後ろの孔をどうこうする特集の雑誌を読んでいるということは……。 これを俺に実践するべく勉強していたってこと……なの……かな? さっきの状態では全く役に立ってなかったけど。 でも眺めているとだんだんその内容が気になってしまって、一番最初に見つけた雑誌のページを恐る恐るめくってみた。 するとそこには強烈な言葉が並べられていたわけで。 『めくるめく快感』 『イッた状態が数分続くイキ地獄』 『未知の快感、前立腺』 まじかー。 あまりに衝撃的な言葉すぎて若干引きぎみだし信じられないが、アナルセックス初心者としてハウツー本と特集記事を交互に読みながらなるほどと唸っていると、薬局に行っていた津田が大急ぎで帰ってきた。 そして息を切らした津田はドアを開けるなり、俺がみている雑誌やベッドに広げられたその他の本を見て青ざめる。 「買ってきまし……せ、先輩!! なにを見てるんですか!!」 「お前のエロ本。隠す場所考えないとお母さんに見つかっちゃうぞ」 「いや、そういう問題ではなくて。先輩、まだ服着てない」 「あ……、着る前に見つけたからな。俺も勉強しようかと思って」 言いながら掛け布団で体を隠すと津田は恥ずかしそうに耳まで真っ赤にさせていた。 「だから見つけないでください」 犬耳を垂らして真っ赤になり俯いている様子をみるとやっぱ可愛いと思う。 さっき襲われかけてめちゃくちゃ怖かったのに、不思議と恐怖とか怒りとか沸いてきたりしなくて、むしろ上手に扱ってやりたいというか。 なんか変な気分だ。 「薬買ってきたか?」 「はい。切れ痔の薬を……」 「俺は痔じゃねぇ!!」 「でも、薬局の薬剤師さんに聞いて肛門が切れたときに塗る軟膏って言ったらコレだって」 ふと真面目な顔をして薬剤師さんに質問している津田の姿を想像したら笑ってしまった。

ともだちにシェアしよう!