文句を言ってやろうと振り返れば津田と目が合った。 けど誤算だったのは、欲情した顔を見せつけられたから。 真っ赤な顔をして息はやっぱ荒くなってて、でもさっきみたいな怖さはないけど。 やばい、なんか変な気分になってくる。 軟膏がネチャネチャと卑猥な音を響かせるからか、自分の後ろが女のあそこになったような変な感じで妙に恥ずかしいし。圧迫感は半端ないし。 くすぐったさに似た疼きは感じるが気持ちよさとは程遠いし、言葉が詰まる。 できればもうやめて欲しい。 「……くっ、もう…抜けって……ッ……」 すると何故か涙目になった津田がふるふると首を横に振った。 何イヤイヤしてんだ!! つか、なんでお前が涙目？ もうやめて欲しくて無理矢理にでも体を動かし中の指を抜こうとしたとき、中を弄っていた津田の指がある部分を擦れるように掠めた。 「……んあぁっ…」 ────な……何、今の!? ビリビリっとした。 そこを津田の指が掠めた瞬間。信じられない女みたいな声が漏れたと同時に、ゾクゾクッとした快感が一瞬駆け巡った気がした。 「や、やめろ……なん、か…変…」 俺の反応に津田の指もビクッと震えたが、またさっき声を上げた場所を恐る恐る擦るように触ってくる。 「はぅ……あっ、やめ…ッああっ…くぁ……」 「先輩、どうしたの？」 どうしたのじゃねぇし!! 「やめっ…ろ……あぁぁっ」 やめろって言いたいのにそこをゴリゴリされるたび、口を開ければ変な声しか出なくて何も言えなくなる。 それにビリビリと電流が頭から足の先まで響くように快感が駆け巡っておかしくなりそうだ。 「先輩、気持ちいいの？」 「あっ、あぁっ……んっ……」 女みたいな声をあげながら、さっき津田のエロ本でみたことがよみがえってきた。 もしかして、これが前立腺!? すげーんだけど。つか、ありえないくらい声が止まらない。 やだって思っているのに指を出し入れされると頭の中まで熱くなるような……。 混乱する。 「あっ…んっ、んくっ……ッ……」 すると何故か後孔の圧迫感が増した。多分、津田が指を増やしたに違いない。 つか、最初からこうやって解してくれてたらよかったのに。 なんて考えていると、その圧迫感から急に解放された。