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オトコなワンコ 12

圧迫感がなくなった理由は、津田が後孔から指を抜いたから。 さっきまで苦しかったから抜いてくれって思っていたはずなのに、抜かれた途端に喪失感を感じているなんて既に前立腺の快感に取り付かれてしまったんだろうか。 最初は痛いだけだったのに。さっきのは正直……き、気持ちよかった。 そしてたまたま目に入った自分のモノからはあり得ないくらい先走りが出ていてシーツに糸を引いているし。 津田のベッドなのに悪いなって思っていたら腕を引かれて仰向けにされ、津田が俺を見下ろすように組み敷いてきた。 「……せんぱ…い」 そんな津田はやっぱり涙目だった。 「なんで涙目なんだよ」 「……我慢しようと……思ったんだけど」 もじもじとしながら、目を伏せる。津田のそこは服の上からでもわかるくらい勃ちあがっていて、でもさっきみたいに暴走しないようにと必死に堪えているように見えた。 やばっ、すげー可愛い。なにこれ。 なんか津田って体はデカイのに、どうしてこんなに可愛がってやりたくなるんだろう。 そんな必死に我慢している姿に目を細めた。 俺も男だからな。覚悟を決める。いや、もう決まっている。 「さっきみたく乱暴なのはな……俺も男だけど、さすがに怖い」 「ごめんなさい」 「謝るなよ。……つか、お前の童貞は俺がもらうからな」 「え?」 俺の言葉に驚いたのか目を見開いたまま固まる津田の頬に手を添えて引き寄せた。 「エッチしよーって言ってんの。俺も後ろは初めてだから上手くいくかわからないけどさ」 すると津田は途端に「いてっ」と言いながら前かがみになって俺の方に倒れこんできた。 股間を押さえながら、髪の毛の隙間から見える耳はまた真っ赤にっている。 なんつーか、変な話。俺だって欲情してしまう。 こんなに愛されるのは初めてで舞い上がっているのかもしれない。 「まずは指で慣らしてくれ。その軟膏もっと使って」 「ど、どれくらい?」 「どれくらいって、お前勉強してたんだろ? あの本には何本って書いてあった?」 「さ、3本くらい……」 「じゃあ、それくらいまで」 緊張して頭が真っ白にでもなったんだろう。俺も初めては不安だけど、さらに不安げな津田を導いてやろう。きっとお前なら出来るって信じているからだ。 不安だけど心は穏やかに津田の髪をすけば、津田がその手を掴んだ。 「先輩、本当にいいの?」 「いいよ。ダ……」 ダツって呼びかけようとして、なんか違うなって思った。 やっぱこういうとき、あだ名だと味気も色気もないよな……。 「先輩?」 津田が不思議そうに顔を覗き込んできたのでその顔を引き寄せて囁いた。 「桜太……」 恋人の名前を初めて口にした。

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