68 / 96
オトコなワンコ 25
その後、一緒に風呂に入ろうと誘ったんだけど、断固拒否された。
なんでも冷静でいる自信がないとかなんとか。
恋人と風呂に入るのに冷静でいる必要あるか?
逆に風呂場でいちゃいちゃするとか音が反響していい感じだと思うんだけどって言うと、また顔を赤らめながら持っていたものを全部落としたりして一人で焦っていた。
何か想像でもしたんだろうけど、慌てすぎだ。
冷静でいられなくたって別にいいのになぁって思いながらも、一緒に風呂はまたの機会にとっておいて1人で入りさっぱりしてまた部屋へと戻った。
すると机の上に書置きがあって、“ちょっと買い物に行ってきます”と書いてあった。
今度は何を買いに出ていったのか。
大人しく待っているとコンビニの袋と薬局の袋を提げた津田が戻ってきた。
「なに買いに行ってきたんだ?」
「えっとこれ……」
提げていたコンビニの袋には弁当とかお菓子とか飲み物が入っていて。
薬局の袋の方には……ローションとコンドームが入っていた。
「これ買ってきたの?」
「……はい」
「さっきの薬局で?」
「はい」
「レジは違う人だった?」
「いや、同じ薬剤師さんです」
そこまで聞くと想像してしまって、ぷっと吹き出すように笑ってしまった。
同じ薬剤師さんって肛門が切れたことを相談して軟膏買ったときのだろ?
そんで次にローションとコンドーム買ってたら……なにこれ、超ウケるんだけど。
でも、津田はわかっていないようで。
きょとんとしてるとこも可愛いな。
「やる気満々じゃん」
「いや、あの、違くて……」
「違うの? じゃあ、やらないの?」
「い、いや……あ、あの……」
津田の表情に満足感はさらに増した。
「早く飯食っちまお」
津田は言い訳したそうだったけど、早く飯って言ったら赤い顔して俯きながらコクっと頷いた。
ともだちにシェアしよう!