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俺の最強ワンコ 7
キラキラした目で俺のことをまっすぐに見つめて、お前の方が眩しいくらい。
俺なんて大した人間でもないし、人に説教できるほどの人生経験なんてものもない。ただの高校生だ。
でもコイツはこんな俺にでも憧れてくれて、俺に褒められたらなんでも出来そうなんて言う。
そんなやつが可愛くないわけがないだろう。
「俺は桜太が言うほどの人間でもねぇよ」
「そんなことないです」
「そう言ってくれるのは桜太だけだぞ。俺はただの臆病者なだけなんだ。泣くなっていうのも自分が泣きたくないからだ。小さい頃から人一倍強くなりたかったんだ」
少し歪な家庭環境を恨んだ時もあった。どうして普通じゃないのかと悩んだときもあった。
考えれば考えるほどに苦しくなって、劣等感ばかり抱えて。
でも、そうやって成長してきた俺を好きになってくれた。
「俺も、何だか……桜太がいてくれたらなんだって出来そうな気するかも」
「せ、先輩……」
すると津田は抱きついてきて、また控えめに鼻をすする音が聞こえる。
不思議とそれすら愛おしく感じる。
泣くほど喜んでくれることってこんなに暖かくて、でも胸が締め付けられるみたいにキュンとして……それでいて心地よかった。
「桜太のうれし泣きだけは許してやるよ」
すると津田は俺の胸の中で泣きながらも凄くキラキラした笑顔で俺のことを見上げてきた。
「去年、11年ぶりに喋ったらめちゃくちゃ緊張してしまって……それから俺は一生懸命努力したんです。今度先輩と喋る時は堂々としていようって」
「それであの告白なら努力した甲斐があったってもんだよな」
「はい!!」
皮肉交じりに言ったんだけど、津田は素直に褒め言葉と受け取ったようでツッコむ気力も萎えておかしくなった。
「なぁ、どんな努力したんだよ? ちょっと言ってみろ」
調子乗って聞いたはものの、例のごとく聞かなきゃよかったってなるだろうに。
怖いもの見たさっていうの? どんな風に津田が練習してたとか気になるじゃん。
コイツのことだから俺の写真があったりするのは驚かないし、写真に向かって独り言でも呟いてたのかな? って思うと笑えた。
「なぁ、どんな努力なんだよ」
「……引きませんか?」
「もう、少々のことじゃ驚かない。どうせ俺の写真とかだろ?」
「……はい。写真なんですけどね」
ほら写真じゃねぇか。今までの津田の行動でだいぶ免疫が付いてるんだ。
きっとこいつのことだから大量にあっても驚かないぞ。
なんせ、こいつは筋金入りのストーカーだからな。
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