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最強小悪魔彼氏。 12【終】
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「なんだかんだ、やりまくりで部活して帰るのと同じくらいの疲労感になっちまったな」
「だって、先輩がエロいから」
「なんだよ、人のせいか?」
あはははと豪快に笑うと先輩は身支度を整えて鞄を持ち上げた。
その姿はいつもながら切ない。
「また明日な」
そう言って先輩も名残惜しそうに目を細めながら俺を引き寄せてキスをした。
舌が絡まるたびにクチュクチュと音が響いて、ぎゅっと抱きしめて離したくないけど……。
しょうがないことだから腕を緩めた。
「また、明日です」
「おう」
先輩を見送りながら早く大人になりたいと思った。
見送らなくてすむなら……って理由がまた子供っぽくて自分でも嫌になるけど。
今の俺には先輩以上の理由なんてない。
たった1歳でも年の差はどうしたって縮まらないし、先輩が知ったらまたそんなこと考えなくていいって言うに違いないけど、これは多分ずっと……。
「……先輩。やっぱり家まで送らせてください」
「いいって。さっきも言っただろ?」
「もう少し先輩といたいんです」
俺が食いつくように肩を掴むからか、しょうがないなって感じで許してくれた。
そして先輩の横に並んで歩く。
同じ方向を向いて歩くと、先輩の頭が視界に映った。
「夕焼け、めちゃくちゃキレイだな。明日も晴れだな」
「はい!」
ねぇ、先輩。
いつか同じ家に住みましょう。
そして、今日みたいに同じ方向を向いて一緒に歩いていきましょうね。
【END】
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