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第27話
「そろそろ宴会場に行くか」
「そ、そうですね」
予定表に書かれた宴会スタートの10分前になった。
ずんと胃が重くなる。
もちろん、おいしい料理は楽しみだ。
でも、なんて言ったって余興が待っている…
はやくちゃっちゃと終わらせてホッとしたい…
宴会場にはすでにほぼ全員がいた。
まったく…、いいよな、楽しむだけの人たちは。
ちょっとは苦労を共有してほしい…
「あ、来た来た、前沢」
「お、おう、鹿野」
鹿野も同じように死んだ顔をしている。
今はお前だけが仲間だ…
たとえ、ほかの支社の女子との合コンをセッティングしていたとしても…
時間になり、司会がマイクをとる。
それから、社長の話があり、そのまま乾杯になった。
余興は20分後から始まるらしい…
それまでは、どれだけ酒を飲んでも酔わない気がする。
時間になり、俺と鹿野はしぶしぶステージに立ち、漫才を披露した。
練習の甲斐もあって、セリフが飛ぶことはなかった。
ややウケという微妙な結果だったが…
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