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第30話

「部長、水飲んでください」 部屋に戻り、部長を布団の上に座らせる。 自分もグラスを持って部長の横に座り込んだ。 「んんん、酒がいい」 「だめです。怒りますよ?」 「じゃあ、口移しぃ〜」 「ちょっ!まっ!!?」 水も何も口に含んでないのに、部長が覆いかぶさり、あろうことかキスをしてきた。 「み、水溢れたじゃないですか!もう!!」 本当はもっと叱るべきことがあったけども、とっさに口をついて出たのは、溢れた水のことだった。 や、やっぱさ、部長的に俺はストライクゾーンって事だよね? 狙われる可能性があるってことだよね!? ひぇぇ 大変申し訳ないですけど、俺は女の子が… 「まえざぁ、もっかい」 「ダメです!!!」 2撃目をささっとかわして俺は立ち上がる。 泥酔した部長は立ち上がることすら出来まい。 と、見下ろしていると、部長が俺の股間に顔面ダイブしてきた。 「おわぁっ!!?」 「まえざぁ〜」 「な、何してるんですか!?」 風呂に入ったとはいえ、男の股間に顔をつけるなんて俺には出来ない。 どんなにイケメンでも俺は遠慮したい。 「お、おっふぅ…。ちょ、ちょっと、すりすりしないでください!!」 部長のよく通った鼻筋が俺の息子を刺激する。 気持ちいいとかそういうのじゃなくて、すごく嫌な感じがする。 野郎に股間さすられても気持ち悪いだけだ。 ジタバタと逃れようとするが、部長も男だ。 力が強い。 「部長、困りますって」 離れる様子がないし、すりすりが止まる様子もない。 我慢するか… 諦めて部長を見下ろす。 耳や首が真っ赤だ。 しかもちょっと着物が着崩れて、だいぶ首が露出している。 うわぁ、首も肩も結構細いな。 首の後ろの骨がくっきりしてて、なかなかエロい。 …ん? エロいって何だ!! 部長は男で、俺の上司で、それでっっ 「あは、まえざぁ、勃ってる」 「……して…、ころ…して……」 最悪だ……

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