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第11話

「おやめください。清二郎様のお手が汚れてしまいます」 「でも、薫さんだって私のものに触れたり、口付けしたりしたではありませんか」 「わたくしのそれは、まぐわいには不要ですから。わたくしの胎があれば、それで……皆さま気持ちよくなってくださいました。清二郎様も、この胎で、満たして差し上げます」 「兄も、ここには触れなかったのですか」 「え、ええ……。ねえ、わたくしの中は、気持ちがよいでしょう?」  薫は清二郎に対し、いつも笑みを崩さなかった。しかし、どうしたことか。それまでの笑みの面はどこへ放り投げたのか、ひどく怯えるような表情を見せて、触れるなと警告してくいる。凌太郎は、ここに触れなかったという。こんなに儚げに震える桃色のつぼみに。 「可哀そうに」  それは何に対してか。  清二郎は己が手で、つぼみの開花を促すように、そこを優しく撫でた。今までで一番薫の体が揺れたのではないだろうか。だめ、だめと呂律の回らない嬌声を上げ、清二郎の指を抑えようとした。しかし、二人はかなりの体格差がある。薫の細腕では清二郎はびくともしなかった。前を可愛がってやるのだけでなく、抜けた性器を再び広がった肉輪へねじ込み、薫の体内を抉る。壁のようなところを押し上げ、さらに深いところへ潜り込む。  清二郎の胸から顔を上げた薫の顔は、快楽の涙に濡れていた。唇からは、言葉にならない悲鳴が漏れ出ていた。  清二郎は、自身を慰める時にするように手で筒を作り、薫の雄芯を包む。欲の涙を潤滑油とし、手を上下に動かした。やはり、いやいやは止まらない。しかし、男の性を有する以上ここで快楽を得るのは、自然の摂理と言える。つぼみのその奥、子房とでもいうべき袋は、重たげに膨らんでいた。  それを見て、清二郎は手と腰の動きを止めた。 「薫さん、貴方の中は、確かに気持ちがいいですよ。貴方は今、私に優位を取られたと思っているでしょうけど……本当は、今も、気を緩めると出ちゃいそうです」

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