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第8話

 床に四つん這いになり、ベッドの下を覗く。  そして奥にあった箱を手繰り寄せた。  中には緋月が僕を調教する時に使う道具が沢山入っている。  昨日使った手錠はもちろん、縄、猿轡、首輪、電マやローター、アナルビーズまで。  見ただけで興奮してしまう。  はぁはぁと肩で呼吸しながら、目に付いた縄とアナルビーズを持って、緋月のベッドに転がった。  左手に縄を巻き付け、背中の後ろに回し、縛られている妄想をする。  そしてビーズを一つずつ、少し乱暴に自身に埋め込んでいく。 「んん……っ、だめっ!もっと……優しくぅっ……!」  右手は言うことを聞かず、もっと奥へと進んでいった。  体を小さく二つに折り畳み、昨日緋月にされた時と全く同じ体勢になった。  中に入ったビーズを勢いよく引っ張って、一つ分取り出してみる。  チュポン 「はぁっ!あっ!」  ジュルッ 「やっ!緋月ぃ!」  緋月がバイトに行く日はたいてい、こうして道具を借りて自慰をする。  僕はもう、強い刺激じゃないとイけなくなってしまった。  緋月にされた酷くて痛い事を妄想しないと、体は悦んでくれない。  ――ほら、声ちゃんと我慢して―― 「んっ……むっ」  緋月の幻聴に、唇をぎゅっと噛む。  自分の体をとことん虐めながら、何度も欲望を放った。

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