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アール・ヌーヴォー調で整えられた広い部屋は女性のものだ。セミダブルのベッドはヘッドボードもフットボードも繊細な蔓草が彫り込まれ、テーブルやソファも植物や曲線で表現されている。
ドレッサーの鏡部分には百合が垂れさがるように彫られている。
その部屋に人の肉を打つぱしんという高い音が響いた。
ドレッサーに顔を伏せた全裸の少年の尻を、ワイシャツにスラックスの年嵩の少年が平手で打ち据えている。
「またお前は他の男とセックスして――」
パシン。既に赤くなった薄い尻の肉に、平手が勢いよく叩きつけられる。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「謝っている割にお前のそのいやらしいペニスはどうなっている――」
パシン。
「よだれを、こぼしてます。もっと僕を叩いて」
「お前は悪い子だ――」
パシン。
「あああっ、気持ちいいの、もっといじめて。もっと悪い僕に罰を下さい」
「そんなにいやらしいアキにはこうだ」
ドレッサーの引き出しを開けると、かすかに花の香りのする白いオーガンジーのリボンを取り出し、既に硬くなり斜めにさがる少年の根元をきゅっと結んだ。
アキと呼ばれた少年の体を鏡に向ける。オーガンジーのリボンは少年のきれいに剃られたそこに花が開いたように見えた。
「兄様、兄様、ごめんなさい。痛いです。もっと緩めて」
「緩めたら、お前はすぐに吐精してしまうだろう。お前にはもっと罰がいる。腕を伸ばして手をつけ」
「ああ、兄様」
アキの声には怯えより期待が込められていた。
「鏡でよく自分の姿を見ろ。母様にも見てもらえ」
「裸で、リボンが綺麗。母様のリボン」
その間に兄が自らも全裸になった。
「母様、見て、リボン似合っているかしら」
鏡に話しかけている弟の腰を捕らえて開くと兄は、馴らすことなく一気に貫いた。
アキが悲鳴を上げる。
「ひぃああああーっ」
だが、今日他の男と寝たばかりのアキの暴かれた蕾は抵抗なく兄の太い欲望を美味そうに飲み込んでいく。
「簡単に入ったじゃないか」
「ごめんなさい、ごめんなさい。春日さんが、兄様から赦しを、得たからと、おっしゃるから、あん……」
知り尽くした弟の弱いところを責め立てる。
「俺に、確認を取れと、教えただろう?」
「ああ、いい、きもち、いい――」
「今お前はどんな顔をしている」
とろんとした目が鏡に映る。
「うれしそう、です。兄様に、挿れて、いただいて、喜んでます」
「それでは罰にならない」
ドレッサーのスツールに兄は腰を掛けた。ずぶりとアキの体が沈んだ。
「あああああっ」
のけぞったアキの髪がさらさらと兄の頬を撫でる。
「鏡を見ろアキ」
はあはあと息を荒げているアキが自分と兄の姿を見つめる。
「言うことを聞かない子にはお仕置きだ」
兄の指が胸の二つの桜色の花を同時に抓り上げた。
「あああっ」
びりびりと走る電気のような痛みがアキの体を甘く貫き、きゅーっと兄を締め付けてくる。
「あ、あ、兄様が大きい……。ぼ、くにはわかります。兄様も僕を感じてくれてる」
「生意気を言うな」
爪を立てて尖りを引き上げると、アキの白い喉が鏡に晒される。
「ひいいっ」
下から突き上げて、花を赤くなるまでひっかいて、リボンを結んだ欲望をしごき責め立てる。
「ああ、アキは、兄様が好き。もっともっと、兄様にいじめられたい。兄様に赦されたい。もっとして、もっと痛くして」
「嘘をつけ。気持ちよくなりたいだけだろう?」
耳朶を噛み、舌で耳の形をなぞって、穴へ舌先をねじ込む。
「それ、いや、感じるからいや」
首を振ろうとするアキの顎を掴んで、兄がささやく。
「うそつき、アキ」
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