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どうしてこんなことになったんだろう。
瞼に、頬にかかるシャワーの温い湯をそのままに、愁は目を閉じて浴びていた。
昨日まで、貴遠しか考えられなかったのに。
違う。
写真を返してもらえさえすれば、身体の関係など、どうでもいいのだ。
「…どうでも…」
目を開くと、乳首のピアスが濡れて光っていた。
黒い爪が、強く引き摘まみ、愛撫する。
「…ッ…」
愁は、唇を強く噛み、シャワーのコックを閉じる。
インターホンが鳴り響いたのはその時だった。
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