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「…あ、か、加瀬…ッ」 「…?…なんだよ」  唇の行方を遮るように声を上げると、愛撫の邪魔をするなと言わんばかりに加瀬は肌に噛み付いた。 「アッ…!…」  愁は、動揺していた。  昨日の、あの乱雑な抱かれ方をしていたら、それはきっと無かったに違いなかった。  まるで底の無い沼に落ちていくような。加瀬の愛撫はそれを思わせた。 「!」  加瀬の指が、スウェットの上から愁自身を、ペニスを撫で上げる。 「こんなに、熱くして。…何を期待しているんだ?」  撫でていた加瀬の指が、スウェットから熱く勃った愁のペニスを取り出した。  溶けだしそうな先端に黒い爪を立てられているのを感じて、愁は腰を浮かせた。 「あ…っぁ…!」 「ホント、マゾだな、おまえ」 「いゃ…!…ぁ!」  熱い何かが、ペニスを包んだ。ざらざらとした感触が、それが加瀬の咥内なのだと気付かせる。  腰を浮かせて逃れようとすると、加瀬は柔らかく歯を立てた。その都度愁のペニスは膨張し、熱く震えた。 「ん…ッ、ぁ、だ、め…!…ぁっ」  ペニスが一際大きく震えるのを感じ、愁は両膝を閉じようともがいた。が、両腿の間に割って入った加瀬が、閉じようとする愁の両足を無理矢理開かせる。  愁は負けたように腰を数度浮き上がらせ、加瀬の咥内に精を放った。  視界が白く弾け、愁は瞬きを繰り返した。早速達してしまった後悔が、愁の心を満たしていく。

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