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第3話
トイレへと向かうも、途中で下半身の違和感に気づき、立ってられないほどになってしまった。
「…うそ、だろっ、?」
なんでこんなこと…
反対側から受付の女子社員の声が聞こえ、こんな姿を見られてはいけないと焦り、近くの給湯室に駆け込んだ。
「っ、はぁ…、なんで、俺…」
ダメだとわかっていて、何やってるだお前、と頭では叱っているのにもかかわらず俺の手は自然と下半身に伸びていた。
だめだ。会社でこんなこと。それにこんな、いつ誰が来るかもわからない所でなんて。だめだ。やめろ俺…ッ
それでも俺の手は自身を握り、上下に擦り始めた。
「っ、ん…ッぁ、は…ぁ、、っふぁっンんッ…」
やめろと何度も何度も頭では繰り返しているのに、口から漏れる声は、いつもの俺じゃない、だらしのない淫らな声だった。
「…っぁ、で、出る…ぅっ、ぁ…ッ、ぁ、ア…ッんぁァあッ…!」
少し触っただけで掌はベトベトで、しかしそれでも全然治らずそれどころか更に苦しくなっていた。
触って欲しい。誰でもいいから、めちゃくちゃにしてほしいッ
普段の俺なら絶対にありえないことなのに頭の中ではそんなことしか考えられなかった。
扉の向こう側で足音がするたびに此方に来て俺を楽にしてくれるんじゃないかと言う思いがよぎり、その度に快感は増していくばかりだった。
2、3人の足音が聞こえて来て、扉の前でパタリと止まった。
「……おい、なんかこの部屋」
「なんか声聞こえないか…?」
「まさか会社でAV見る奴は居ないだろ」
「Ωがいたりして」
「バカ言え、この会社はΩは採らないだろ」
「それもそうだな……でも確認だけ」
そんな会話が聞こえてきてますます俺の気分は煽られていった。
ガチャ、というドアノブが下げられる音が聞こえ、内心では、もうそんなことやめて早く隠れろ、と思っているのに手は止まらず声もただ漏れていた。
「っ、ァ、…ゃ…ッだ、め…やらっ、ぁっ、ア…俺っ…んぁあっ」
ドアが微かに開くのが見え、もう駄目だと俺はきつく目を瞑った。
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