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第44話 再生②

「康太……殴られ…蹴飛ばされ… 俺は……死を覚悟しました でも……この世に神様がいるのなら…… 貴方に逢わせて欲しい……と願った 最期に……貴方に謝りたかった……」 「もう黙ってろ…… 辛いのに喋らなくて良い……」 「………遠のく意識の中で…… 君が助けてくれる夢を見ました 君が………いてくれるなら…死ぬのは恐くない でも君の力になれなくて死ぬのは不本意だと…… そればかり……想ってました」 「総ては片付いた! お前は還って来れば良い」 「…………康太……」 「あんな場所で終わらせるかよ! お前をこの世に繋ぎ止めたのは飛鳥井康太!オレだ!」 …………須賀は泣いていた どんな想いで…… 日々を過ごしたのだ? 意識を取り戻してからは…… 何を想って………過ごした? 康太は須賀を寝かせると、頭を撫でて寝かせた 康太は須賀が眠ると義恭に病状を問い掛けた 「須賀は……? どうなんだよ?」 「この男が意識を戻したのは三日前だ 意識が混乱して…… ずっとお前に謝って……錯乱していた 康太……康太……口を開けば……康太 だから言ってやった 康太に逢いたければ、まずは傷を治せ…と。 そしたら……意地でも……治しにかかった 気力だけで奮い立たせて……自分を立て直していた 物凄い精神力だ…… その精神力……慎一に匹敵する」 「FlashBack………は、ねぇのかよ?」 「今の所……ないな 想いはお前の側に行く…… そればかり……足と、腕は折れてて…… 動かすのはまだ無理だ 顔は、少しは見られる所まで復元した まだ医者の手は離せない 白馬に行くなら連れて行く どうする?」 「白馬にはまだ家族がいる そんな中に……入れたら逆効果だろ?」 「………それは解らん……」 「義恭……オレはいまだにFlashBackでダメな日もある…… 人はそんなに強くはなれねぇ……」 「坊主、人は乗り越えて行けるなら行く だけど乗り越えられないなら……医者はそれを治す手助けをする だから弱くて良いんだ 人の痛みが解る奴は……自分が一番血を流して足掻いているんだ」 「…………義恭……」 義恭は康太の頭を撫でた 「乗り越えた先に……安らぎを得られるなら 乗り越えられない壁じゃない 坊主の脳は少しばかり怖さを忘れねぇだけだ 伴侶の愛で乗り越えられない壁じゃない」 義恭は医者としての言葉を伝える為に紡ぐ 康太はそれを受けて決断をする 「横浜に……連れて戻ってくれ 飛鳥井の会社の入ってるビルに空き部屋がある そこに住まわせて……生活の世話を焼く それまでは見ててくれ」 「それは構わぬ 何時横浜に戻られる」 「お盆を過ぎたら帰る 義恭、じぃちゃんを……病院で預かってくれ」 「…………無理だな あの頑固者が大人しく入院する筈などない」 「…………困ったな…… 横浜に帰れば……暑さは身に応える」 「なら毎日点滴に連れて来い」 「そうするしかねぇか……」 「この男を動かす時言ってくれ 定期的に検査を入れて様子を見よう」 「あぁ……義恭、本当に悪かった」 「気にするな! この男は明日の飛鳥井の歯車に組み込まれているのだろ? ならは我は明日の飛鳥井の礎になる覚悟など出来ておる!」 「お盆開けたら迎えに来る」 「待っておる! それまでにもう少し治せる場所は治しておこう」 康太は義恭に頭を下げると、病室を出てきて行った 再び関係者に連れられ…… 病室を後にする 病室の外に出て、車に乗り込むと 康太は息を吐き出した 「康太?大丈夫ですか?」 「おう!大丈夫だ!」 「須賀の顔、元に戻ってましたね」 「あれな、前の顔に復元手術したんだよ 鼻は折れて顔の造作が変わったからな…」 「……っ!!」 榊原は言葉をなくした 「………須賀を飛鳥井のビルの中に住まわせる そして身の回りの世話を焼く人間をつけて オレ等が……見てゆくしかねぇと想う かなり長期戦も視野に入れておかねぇとな……」 「大丈夫ですよ、僕達がいます。 一生達がいます 飛鳥井の家族も、榊原の家族もいます」 康太は榊原の肩に顔を埋めた 「……ん。………伊織……ありがとう」 「愛してますよ奥さん」 「オレも愛してる」 康太は榊原に縋り付いた 愛する男の匂いを嗅げば…… 止まらない想いがこみ上げてくる 「伊織…伊織…」 榊原は康太を膝の上に抱えて…… 接吻した 「……ゃ…触らないで…」 ついつい服の中に忍び込む手に……触れられ 康太は震えた 「………康太……車の中じゃ……ダメ?」 人気のない駐車場だった だけど何時人が通るか解らない…… 「………誰か通る……」 「君が下だけ脱いで僕の上に乗れば…見られませんよ」 やる気満々の榊原が康太のズボンを脱がして行く 「伊織……恥ずかしい…」 羞恥に頬を染める康太は愛らしかった 「僕を受け入れて…」 榊原は康太の口の中に指を挿し込んだ 康太は榊原の指を舐めた ペロペロと舐める紅い舌に…瞳は釘付けになる 康太に舐めさせた指を…… 康太の秘孔に潜り込ませた 康太は榊原の胸に顔を埋め…… 「ぁぁん……ゃ……伊織……」 喘いでいた 「僕が欲しくないの?」 康太のお尻を持ち上げる熱い塊がピクピクと震えていた 「伊織……ズルイ……ぁっ……いきなり…ぁんぁぁん…」 榊原は耐えきれなくなり、前を寛げ性器を取り出すと康太の中へと挿れた 康太の体内に…ドクッ…ドクッ…と脈打つ熱い塊が、暴れていた 榊原は康太の服をたくし上げ、尖った乳首に吸い付いた 「ぁん……ぃや……ねぇ……恥ずかしいってば……」 感じるけど…… 誰が来るか解らない…… 覗き込まなきゃ……見えないけど…… 見られたら……何してるのか解っちゃう 「伊織……イッちゃう……止めてぇ…」 「イッちゃうなら押さえて下さいね」 榊原はハンカチを取り出すと康太の先っぽに当てた はぁ…… はぁ……… 荒い息遣いが車内に響く ぬちゃっ…… グチュッ…… ズポッ…… 卑猥な音が鳴り止まない 康太は此処が何処かも忘れて…喘いだ そしてハンカチの中に……精液を飛ばした 少し遅れて榊原も、康太の中から抜くと…ハンカチの中に熱い飛沫を噴き上げた 「康太…ごめん ハンドルにぶつかってませんでした?」 「大丈夫だ……まさか… 車の中で戴かれちゃうとは… 想わなかった……」 「………君が可愛すぎるから……」 押さえられなかった……と榊原は言った 「………伊織…誰かに見られたくねぇ…」 康太の濡れた下肢とお尻の穴を拭くと 下着とズボンをはかせた 榊原も下肢の濡れを処理して服を整えると エンジンかけた 「恥ずかしがる君も可愛かったですよ」 「……伊織……オレは見せる気はねぇかんな‥」 「たまにはハラハラも刺激になって良いでしょ?」 「………いやだ…伊織の総てはオレのモノなのに…」 榊原は笑った 「でも奥さん……凄く感じてましたよ」 康太はカッと顔を赤らめた 「伊織が触れば…正気でなんていられねぇ…」 「奥さん、白馬に帰りますか!」 康太は頷いた 白馬に帰る頃には…日付が変わっていた 駐車場に車を停め、自分の部屋に戻ると慎一が出迎えてくれた 「夜も遅い…寝てろよ…」 康太がボヤくと慎一は 「貴方が帰るまでは気になって寝れませんからね」 と真摯に返した 部屋の中には一生がいた 「総一朗は?」 「隼人が帰って来たんで添い寝に行きました」 と慎一が説明した 「慎一、寝ていいぞ」 「一生は?」 「…………帰らねぇだろ?」 康太が言うと慎一は 「拗ねてますからね」 と肩を竦めた そして一礼すると慎一は部屋へと帰って行った 康太は榊原に腕を伸ばすと 「……伊織…」 「何ですか?」 「洗ってくれよ…」 と訴えた 車中で慌ただしく繋がった… 汗ばむ肌は…気持ちが悪かった 「良いですよ」 榊原は康太を抱き上げると浴室に向かった 綺麗に洗ってバスローブを着せ浴室から出る 一生は康太を待っていた 「一生、部屋に行かねぇのかよ?」 「もう置いてきぼりは御免だ……」 一生は拗ねて答えた 「オレ等が始めても……か?」 康太が問い掛けると、一生は傷付いた瞳を康太に向けた 「邪魔なのは解ってる……」 「覚悟あってなら来いよ!一生」 康太はバスローブを脱いでベッドに上がった 榊原もバスローブを脱いでベッドに入った 「伊織、眠い…」 「寝てもかまいませんよ」 「……ん。伊織、抱き締めてて…」 「良いですよ。 ずっと抱き締めてます…」 榊原は康太を抱き締めた 「一生、寝るぞ」 康太が言うと榊原は照明を落とした 一生はベッドに上がって康太に抱き着いた 一生の腕が震えていた 「どうしたよ?一生」 「…………怒ったのかと想った……」 「あんでだよ?」 「総一朗と寝たから…」 「そこに向かえねぇのはおめぇが一番知ってるだろ? オレはおめぇの下半身の事情まで口は出さねぇ オナニーだと想っとけば良い 求めれば……おめぇらの行き尽くす先は……」 「解ってんよ!………想いなんて……引きずってねぇ…」 「一生、寝ろ」 一生は康太に縋り付いた 「拗ねるな一生 おめぇらを置いて行かねばならねぇ時もある」 「頭は理解してる……」 「心は?」 「…………置いて行かれたくねぇんだ……」 「一生、おめぇは抱え込み過ぎなんだよ…」 「…………解ってる」 「少し離れるか?」 康太が言うと一生は康太の上に乗った 「………それって……俺に死ねって言ってるのと同じだぞ」 一生は泣いていた 「駄犬は要らねぇかんな」 康太の容赦のない言葉が飛ぶ 「…………駄犬にならねぇように……するから……」 康太の腕が一生を抱き締めた 「一生、オレを殺す気か?」 「…………あんで俺が殺さなきゃなんねぇんだよ!」 「一生…潰れる…」 一生は康太の上から降りた そして重なり抱き締めた 「……ごめん……」 「気にするな…」 優しく一生の頭を撫でる その優しさに……一生の涙腺は緩んだ 「泣くな……」 「………止まらねぇんだ……」 「なら仕方ねぇな……」 康太は笑って一生を撫でた そのうち規則正しい寝息に変わり……康太は寝た 一生は顔を上げて…… 「旦那……悪い…邪魔した」 榊原に謝った 「本当にね、ホテルに戻って康太と車でやった続きをしようと想ってたんですけどね…」 榊原は残念そうに言い笑った 一生は………車で………既に犯って来たんですか……と 驚いた 「半端に消化不良でしたからね… 始めても文句は言わせませんよ」 榊原はそう言い笑った 「………言わねぇし…」 元より言えるはずなどないのだ 康太と榊原は夫婦も同然の二人なのだから…… 一生は康太の寝息を聞きながら…… 知らないうちに……眠りに落ちた 榊原は康太を抱き寄せ、眠りに落ちた 朝早く康太は目を醒ました 抱き着く一生の腕をポイッと剥がし 榊原にキスした 榊原の腕が康太を抱く 「伊織…」 起きてたの?と康太とは榊原を見た 「君の匂いを嗅げば……」 榊原は康太を抱き締め…下半身を押し付けた そこはもう熱く…ドクドク脈打っていた 「熱い……何時から?」 「車で半端に繋がっただけですからね… 消化不良です」 「オレも……中に伊織の熱いのが欲しかった」 外に出されるのは嫌なのだ 榊原のモノは総て欲しい 「伊織……したい……」 「良いですよ 君の奥に僕を注いであげます」 耳元で囁かれればもう後には引けなかった ペロッと耳を舐められ…… 康太は榊原の熱い下肢に手を伸ばした 熱く滾る榊原の性器に触れる 血管が浮き出て……康太の手の中で更に硬く角度がついた 榊原は康太の手の中に存在感を知らしめ耳元で 「康太の中に入りたがってます」と囁いた 榊原は康太の手を包む様に握り締めた 榊原の肉親に触れれば……後ろが熱く濡れる感じがする 女じゃないから……濡れる事はない だが……熱い粘膜が滲み出て……腸壁が蠢くのが解った 「伊織……欲しい……」 「僕も…君が欲しくて……我慢できません」 「舐めたい……」 「その前に舐めさせて… 君の下のお口を柔らかくなるまで舐めさせて…」 「……ぁ……ぁぁ…伊織……」 「お尻を高く上げて見せてください」 言われれば……言うことを聞く 康太はベッドに四つん這いになると榊原に向け お尻を突き出した 榊原は康太の柔らかな双丘を左右に広げ…… 戦慄く秘孔に口吻た 「…ぁ……伊織……」 舌を挿し込まれ指とで解す 執拗に舐められ吸い付く榊原に翻弄され、康太は喘いだ 隣に一生が寝てても…… もう榊原しか見えなかった 欲しかった 榊原の熱に魘され……一つに交わり合いたい… 「……ねっ……伊織……ぁん……欲しい…」 「もう?まだ舐めていたい…」 「……ならオレも舐める……」 「ダメです。康太は直ぐに堪らなくさせるから…」 「一方的なのは嫌だ……ねっ…挿れて……」 鳴かせすぎた……と榊原は康太の背中に口吻た 榊原は康太を仰向けに寝かせると足を抱えた 高く足を抱えられ…… 榊原の目に晒される 恥ずかしい想いと… 早く繋がり埋めて貰いたい想いと… 交ざり合い…… それでも榊原が欲しい欲求が強かった 榊原はゆっくり康太の中に入って来た ゆっくり腰を使い…康太の中が慣れるまで… 動かなかった エラの部分が腸壁を……苦しめる 開けば……開く程 挿入時の苦痛は計り知れない でもその先の快感を、体躯は覚えていて…… 苦痛に耐えて……その先を欲しがる 腸壁が榊原を包み込み煽動する それを引っ搔く様に榊原は腰を使った 「ゃぁ……ぅん……ぁんぁぁん……」 康太の喘ぎは止まらなかった 榊原の腰も止まらなかった 半端に車の中で繋がった 燻った熱に引火して…… 二人は本能の赴くまま繋がり……果てた そして何度も求め合い…… 部屋に淫靡な声と音が響き渡っていた 一生はベッドの振動に…… 目を醒ますと…… 最中だった 最中でも文句は言えない 此処は夫婦の寝室も同然なのだから…… 部屋は薄ら明るくなっていた 汗まみれで繋がる…… 結合部分……さえ見える 目を醒まして……後悔…… 永遠に眠っていたかった…… 榊原は一生が目を醒ましたのに気付いて苦笑した 一生がいようが止まれない… 止まったら………狂う 欲望を剥き出して榊原は康太を求める ギリギリで余裕もなく……求めて……暴走する そんな、榊原の思いも総て康太は受け止める 一生の目の前に愛があった 互いしか欲しがらない 愛があった 榊原は康太が気絶するまで腰を揺すり 気絶しても……続けた そして熱を総て放出すると康太を抱き締めた 強く 強く 康太を抱き締めた 榊原は、一生を見た 「目が醒めましたか?」 しれっと言う榊原に苦笑して 「ベッドが半端なく揺れてれば……起きねぇ方がおかしいぜ」 「止まれませんでしたからね…」 一生は康太を見て 「気絶してんの?」 と問い掛けた 「ええ……気絶してます」 気絶しても……犯ってたよな? 「僕の匂いを嗅げば目覚めます」 榊原はそう言い康太の中の精液を掻き出し始めた 「一生、シーツを替えます これじゃ寝れないでしょ?」 「風呂行って来いよ シーツは替えとくわ」 「ダメです 風呂は君も一緒です」 榊原は康太を抱き上げると一生に手を伸ばした 一生は榊原の手を取った そして3人で浴室に入った 康太の体躯を綺麗に洗い、流すと康太は目を醒ました 「……伊織……気絶した?」 「ええ。無理させましたからね 辛くないですか?」 「大丈夫だ! 一生洗ってやんよ」 康太はそう言いボディーソープを一生に垂らすとゴシゴシ洗い始めた そして悪戯 「……ちょ……康太……やめ……」 股間に手が伸び……触る 触れれば……刺激で硬くなる ソープの滑りも手助けして扱かれれば……大変な状態になる 「伊織……止めさせて……」 「……うるさい口は僕が塞いどきます」 榊原はそう言い貪る接吻をした 口腔を蹂躙される 尖った乳首を指で弄ばれれば……後には引けなくなる 康太は泡を流すと……一生の性器を泡でヌルヌルにして弄んだ 「………ゃ……康太……ん……」 浴室の熱気と……蹂躙される熱とで一生はクラクラだった 一生は康太の手の中に……射精した クラクラの一生を洗う 体を康太が 頭を榊原が 洗い湯船に浸かる 一生はもう意識が朦朧としていた 浴室から出て髪を乾かしてもらい、ソファーに座らされた 康太も髪を乾かしてもらった 榊原の髪は康太が乾かした 乾かす髪に口吻を落とし 「愛してる伊織」 と熱い睦言を吐く 榊原はそれを受け止め康太に口吻た シーツを替え、一生と3人ベッドに寝た 今度は一生を挟んで寝た 康太は一生のおでこにデコピンした 「お留守番出来ねぇ犬なんか要らねぇぞ」 怒られ……萎れる 「ごめん……」 「今夜も力哉と出来ねぇな」 康太は笑った 「………まさか……搾り取られるとは想わんかったやんか」 「寝る相手を間違えた罰だ」 「…………ごめん」 「お前の持ち物に何も言わねぇけどな…… 釘は刺しとかねぇとな……」 「………解ってる……」 康太は、優しく一生を抱き締めた 榊原も一生を抱き締め 「オナニーなら許せますが… 気持ちが入れば浮気ですよ!」 とバシッと言った 「……気持ちなら……拾った時から…… 限界値を超えてるからな……」 「康太の側にいたければ……破滅は辿っちゃダメでしょ?」 「………っ!…………旦那……すまねぇ」 「少し寝ましょう そしたら忘れなさい」 一生は二人に抱かれ……眠りに落ちた 目が醒めた時 ベットの上には誰もいなかった 「………え?」 寝ぼけた頭をフル回転させて探す 服を着て、部屋の外に出ると聡一郎が待っていた 「何時まで寝てるんですか!」 寝ぼけた頭に……意味がわからない 「………え?今何時?」 「もうお昼ですよ」 「康太は?」 「…………飛鳥井と榊原の家族と一緒です」 「別邸?」 「違いますよ! 君が起きないからペナルティー課せられました 何で康太の部屋で寝てるんですか?」 「…………駄犬の説教……」 「本当に!この駄犬は! そのうち捨てられますよ!」 痛い所をグサグサ突かなくても…… 「……解ってんよ ………もう言うな……」 「解ってたら良いです 康太といる限り、動けぬのなら駄犬以下です 僕達は動いてこそ意味がある」 「………解ってんよ……」 「なら良いです!」 「………聡一郎……」 「何ですか?」 「愛してる……」 「僕も愛してるよ一生 僕を繋ぎ止めたのは君だ でも……もう、君しかいない世界には生きられない 僕は康太の為に生きているのだから……」 だから……破滅には向かえない 二人が共にいる事は…… 誰よりも互いが知っているから…… 「あたりめぇだろ! 俺は康太に抜かれて釘刺されてるんだ」 「……狡い……」 「目醒ましたら本番やってるし……」 「馬に蹴られますよ……君」 「解ってる!所で康太はどこよ?」 「ドライブに家族全員出掛けてます」 「何時帰るんだよ?」 「昼には帰るから起こしとけ! 言われてますからね、そろそろだと思いますよ」 聡一郎が言うと一生は歩き出した 聡一郎は、肩を竦め……一生の後を追った 駐車場まで出向き康太を待つ 忠犬ハチ公宜しく、一生は待っていた

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