51 / 60

第51話 もうすぐ愛が生まれた日

康太の体調が戻る頃 榊原の生まれた日は近付いて来ていた 夏も終わり秋から冬へと変貌を遂げていた 青々と生い茂っていた木はホロホロと散って…… 秋の物悲しさを醸し出していた 11月11日 榊原が生まれた日は刻々と近付いていた 今年は何を送ろうか…… 康太は悩んでいた 悩む康太に一生は 「また花菱に行くか?」と声を掛けた 「……花菱に行っても…… 何を贈るかで悩むかんな…」 「花菱は装飾類もあるじゃんか 見て行って気に入ったのを買えば良いさ」 「………ん。オレは買い物向きじゃねぇかんな…」 ずーっと瑛太が康太のモノは揃えていた 買い物にも出さず、欲しいモノは与えていた 榊原を伴侶に得てからは榊原が、瑛太がして来た事を担ってやっていた 誰も康太にやらせなかった 康太は服とか自分の事には無頓着だ 自分が着てる服がどこのブランドで……なんて事は知らなかった 「デパート行くなら付き合うからな」 「なら花菱に行こうかな…」 なんて会話を一生としてたら、榊原が声を掛けて来た 「康太は今日は何してます?」 「伊織は?」 「今日は会食が入ってます 義兄さんが行かないから……僕が行くしかないのです」 「オレは花菱に行ってる」 「何かあったら電話して下さい 早く終われば君の所へ行きます」 榊原は何時もの様に康太に着替えをさせて 康太を抱き上げ キッチンに連れて行き皆で食事を取った 会社に行く瞬間まで 「気を付けて下さいね! 何かあれば電話して下さい 直ぐに駆け付けますから!」 と言い康太に濃厚な口吻をして、出掛けて行った 「………相変わらず……濃いな……」 目の当たりにした一生はボヤいた だが、離れないなら……良い 離れていると……次の瞬間恐怖に囚われる 無くしてしまいそうな恐怖に囚われる 「なら行くかよ?」 「おう!この服で大丈夫かよ?」 「旦那が着せたんだろ? なら大丈夫だ! 旦那は行く先に合わせて着せてるからな」 「そうなのか?」 一生はがっくし肩を落とした 「そうなんだよ だから何時も君は今日何しますか? と聞いてるんだろうが……」 「………知らなかった」 「………伊織と出会う前は学校のジャージで外に出てたもんな……」 「………服なんて……何でも一緒だ……」 「良い旦那貰ったな」 一生は笑いながら康太を促した 慎一が運転する車に何時ものメンバーが乗り込む 助手席に聡一郎が乗り込み、一生と隼人と康太は後部座席に座った 花菱デパートの駐車場に車を停めると買い物に繰り出した まずは、装飾品 康太が商品を見ていると、何処からとなく道明寺達也がやって来た 「康太様、伴侶殿の誕生日が近いので そろそろお越しになられる頃かとお待ちしておりました」 ニコッと笑って道明寺が近寄って来る 「久し振りだな道明寺」   今日も爽やかなスーツを身に纏い、物腰柔らかく現れた 「康太様、今年は伴侶殿にこれなんかどうですか?」 道明寺が出したのは小物三点セットだった 「これなど、どうでしょうか? 財布とキーケースと名刺入れ 総てお揃いで誂えさせたモノでGUCCIで御座います 持ってて恥ずかしくない逸品で御座います」 道明寺の言葉に康太の瞳は輝いた 「伊織に合うのを選んでくれ!」 「はい。伴侶殿はこの色がお似合いかと」 道明寺が出したのは蒼だった 青じゃなく深みのかかった蒼 康太は凄い……と感嘆した 「それを買う!」 康太が言うと慎一がカードを出して支払いの手続きをした ゴージャスな花を付けて貰いかなり気分を良くしていた 放っておいたらスキップでもしそうな勢いだった 康太は道明寺が手渡した紙袋を大切に胸に抱いた 「康太様、この後ご予定が?」 「特にねぇ……そろそろ本格的に始動しねぇとな とは思ってけるけどな」 体調を整えるまでは仕事は入れてなかった 今は馬の調整と勝機を呼ぶ以外、していなかった 「では、この後お食事でも如何ですか?」 「それは良いな 珍しいなお前が誘うなんて」 「そうですか? 何時もお誘いしたかったのですがね… お忙しそうになさってて声が掛けられませんでした」 「そうか?」 「そうです。 たまには良いでしょ? 時々、こんなお時間を作って下さい また兄と父が、貴方に御礼を言いたいと言ってました お暇な時に声でも掛けてやって下さい」 「解った。」 「ではご一緒にお願い致します」 道明寺は康太が動くのを待って歩き出した 外の駐車場に出て車に乗り込む 先に道明寺が走り、その後を慎一は追って走った 道明寺は桜木町ワシントンホテルへと向かい ホテルの駐車場に車を停めた 道明寺は車から降りると康太が来るのを待った 慎一は榊原のプレゼントを受け取ると運転席に置いた そして康太を車から下ろす 「康太様、こちらのランチは凄く美味しいです 一度貴方とご一緒して食べたいと思っておりました」 道明寺にエスコートされ、ホテルのレストランへと入って行く ウエーターに案内されて席に着くと…… 意外な人間が目に入った 窓際の席に榊原が座っていた 目の前には……綺麗な女性が榊原に必死に話し掛けていた 康太はそれを尻目に席に座った 「道明寺、何を食わしてくれるんだよ?」 「お昼のランチコースで御座います」 道明寺は笑顔でそう答えた 一生や慎一、聡一郎は、榊原に気付いていた だが康太が気にする風でもないので、様子を見る事にした 康太は道明寺と自然な感じで笑っていた 楽しい談笑をして、今後の展開を口にしたり 道明寺は前向きに社長としての重責を受け止め歩き出していた 康太は優しい瞳でそれを見ていた 「ショーの反響はどうよ?」 「物凄いです! 打ち出した服をモデルが着る事によって 顧客に近付くのか、注文が殺到してます 通販業務を強くする為に人員を増強させました 起動に乗って走り続けられる様に努力します」 「後はお前の努力と社員の努力に掛かってるからな」 「はい!……父と兄が……変わりました 暴君だった父が現場の責任者に収まり 父と話す機会が増えました 父は私にどんなイメージに上げたいんだ?と聴き そのイメージまで近付いてくれます 兄も私のサポートをすべく通販会社を補強して 次の売り出す商品の話とかする様になりました 家族が一丸となって……生きてる……そんな感じがします 康太様には本当に返しきれない恩があります」 「食えねぇもんは貰わねぇ主義なんだよ」 康太は笑った 「ですから今後は定期的に貴方に逢おうと想います」 物凄い笑顔で言われて……康太は苦笑した 「あ!それから私の妻も探して下さいね!」 「……おい……」 「康太様の導き出す明日に添わねばなりません なので私の妻は貴方が見付けて与えて下さいね」 何という言い分 「その時が来たらしい連れて行く お前の息子を産む妻をお前に与えてやる」 「では私は待っております」 ちゃっかりと横着する道明寺との会食は2時間に及んだ 榊原はまだ女性と会食中だった 道明寺との会食を終えて、外に出ようとした時 腕を掴まれた 見上げると榊原だった 「君が帰るのを待っていたんです」 榊原はニコッと笑った 「……伊織……彼方の方を放っておいて大丈夫なのかよ?」 「騙し討ちみたいに会食の場を設定され お見合いさせられても……興味すらわきません」 「瑛兄は知ってるのかよ?」 「知らないですよ? 僕も席に着いて……雰囲気がお見合いだと……知りました……」 榊原は精算をすると康太を腕に抱いたまま店の外へと出て行った 道明寺は榊原に 「融和コーポレーションのご令嬢ですね?」 と問い掛けた 「……みたいですね…… 先のパーティーで一目惚れしたとか言ってました」 「愚かな……榊原伊織様は飛鳥井家 真贋の伴侶 周知の事実ですのに……」 と道明寺は苦言を言った 「知らなかったみたいですよ? ……それとも知っていて……なのかは解らないですけど……」 榊原が康太を連れて駐車場へ行くと 会食で一緒だった女性は榊原を追って来た 「………伊織さん待って!」 榊原に近付こうとするのを一生達が塞いだ 「飛鳥井家真贋に近付くな!」 慎一は言い捨てた 「そんなモノには用は御座いません  私は榊原伊織さんに用が御座います」 「榊原伊織は飛鳥井家真贋の伴侶 それを無視して近づけば容赦などしない!」 一生が吠えた 「私を敵に回して飛鳥井がどうなるか! 覚えてらっしゃい! 貴方の会社など潰してやる!」 女性は怒りが収まらない……と言い捨てた 聡一郎は「どうぞ!潰して見れば良い」と嗤った 悔しそうに唇を噛むと女性は自分の車に乗り込み去って行った 榊原は道明寺に 「申し訳ありませんでした」と謝罪した 道明寺は笑って 「構いませんよ 楽しい時間が送れました 来年の伴侶殿の誕生日はまた素敵な品物を探しておきます。 是非とも花菱デパートへ御用命下さい」 と、お茶目にウインクした 「では、康太様、またお逢い出来る日まで」 「おう!また誘ってくれ」 康太は片手を上げた 道明寺は、それを目に納め車を出した 榊原は康太を自分の車に乗せた そして運転席に乗り込むと康太を抱きしめた 「………康太……あの方の香水の匂いに…… 吐きそうです……」 榊原は弱音を吐き康太の胸に顔を埋めた 一生や聡一郎は、榊原が女性と会食してるのを目撃した瞬間…… 康太が逆上するかと想っていた だが、康太は静かに道明寺と歓談して笑っていた 優しい顔で道明寺を見ていた 一生達は……見えてなかったのか? と不安になる程だった 康太と榊原は変わった 絶対の信頼と愛で結ばれ 揺らぎない存在になった ………榊原の心配性は……変わってないが それでも前の様に四六時中共に……と言うのは減った 康太も榊原が誰かといようとも、動じなかった 絶対のモノがあればこそ……なのだろう 慎一が車から降りると榊原の車の窓をノックした 「伊織、どうなさいました?」 康太の胸に抱かれ榊原は顔を上げなかった 「……香水で気分を悪くした」 代わりに康太が慎一に伝えた 「運転、変わりますか?」 「………伊織は触らせないと思う」 榊原は妻からメルセデス・ベンツ CLA250をプレゼントされていた アウディを下取りに出して購入した逸品だった イオリーブラウンが連覇を飾った時、プレゼントされた この車を誰にも触らせない……から康太は言った 「なら部屋を取りますか?」 「このホテルじゃない近くでな」 「なら東急でどうですか?」 「そこで良い」 康太はそう答えると榊原に 「伊織、少しだけ運転出来るか?」 と問い掛けた 「大丈夫です 康太の匂いを嗅げば立ち直れます」 榊原はエンジンをかけると車を出した そして近場の東急ホテルへと向かった ホテルの駐車場に車を停めると一生は部屋を取るべく走った 康太が榊原と車を降りると慎一達が心配した顔をした 一緒にホテルへと行くと一生がキーを持って立っていた 「行くぜ」 声を掛けると皆、一生と共にエレベーターに乗り込んだ 部屋のキーを開け榊原と康太を部屋へと入れる 榊原をソファーに座らせると康太はネクタイを緩めてやった 慎一が飲み物のオーダーを入れた 暫くして給仕がワゴンを持って来て支度をした 「御用命がありましたらお呼びください」 お辞儀をして部屋を出て行くと榊原に飲み物を持って来た 「飲め!伊織」 「まだ要りません…… 康太、離れないで……」 康太は一生に飲み物を渡して榊原を抱き締めた 気弱な榊原と言うのは……滅多とお目に掛かれなかった 今まさに榊原は気弱な雰囲気で康太に縋り付いていた 吐きそうな気分の悪さを醸し出し…… 康太の胸に顔を埋めていた 「僕は他のモノなど要りません ましてや青龍の妻だった様な女を見ると吐きます 女を全面に出した輩は要りません……」 「お前は未来永劫オレのもんだ! 他は知らなくて良い!気にすんな」 「………康太……康太………炎帝……」 榊原は魘された様に康太の名を呼んだ 「愛してます…君だけしか愛せません」 「オレのもんだからな! オレしか愛さなくて良い! オレも伊織しか愛さねぇ! 青龍だけ愛してる」 「………康太……康太……」 榊原の腕が康太を掻き抱く 康太は胸ポケットから携帯を取り出すと瑛太に電話を入れた   「瑛兄、オレだ」 『康太、どうしました?』 「伊織は?」 『伊織は今日は寒山さんのたっての申し出で会食です』 「瑛兄はその会食がお見合いの場になると知っていたのかよ?」 『………え?……』 瑛太は絶句した 「道明寺と会食先にお見合いしてる伊織がいた」 康太は皮肉に嗤った 『………お見合い? 榊原伊織は飛鳥井家真贋の伴侶 それを知ってらっしゃったのでしょうか?』 「知ってて言ってるんだろ? 潰してやる!と捨て台詞を吐いて消えて言ったからな 文句が入るかもな」 『その様な文句など受け付ける気はない! 寒山義継は源右衛門の旧友、懇意にしている関係上執拗に頼まれ伊織を出しました 今後一切伊織は、会食には向かわせません』 「……寒山は融和コーポレーションと懇意にしてるのか?」 『……佐伯に調べさせます』 「榮倉を動かせ」 『解りました。 何か解りましたらお電話します 伊織は?どうしてますか?』 「……気分が悪くなって……寝込んでる…」 『……可哀想な事をしました 兄は知らなかったのです…… 伊織は休ませて構いません』 「瑛兄を責めたりしねぇよ! 不意打ちして企んだ奴の所為だかんな」 康太はそう言い電話を切った 「売られた喧嘩は買わねぇとな弥勒」 康太は天を仰ぎ、そう言った 『買わねば男が廃る! 飛鳥井家真贋の伴侶は知らしめてある それなのにしゃしゃり出るならば打つしかあるまいて』 「だよな。聡一郎、動いてくれ!」 「解りました! 融和コーポレーションのデーターを解析して来ます 僕は会社に出向きメインPCを使います」 聡一郎が言うと一生達も立ち上がった 「俺らも動く」 一生や慎一は隼人を連れて部屋を出て行った 部屋には榊原と康太だけになった 「伊織、まだ気分悪い?」 「まだ、駄目です……」 駄目です……と言いながら 榊原は康太の服を捲り上げた 捲り上げ露わになった乳首に吸い付いた チュッ……乳首を吸う音が響く 「ぁん……伊織……ダメ……」 「何でですか? 君と僕しかいない……」 「乳首を吸ったら……」 「奥が蠢きますか?」 康太はカッと顔を赤らめた 「そんな可愛い顔したら逆効果ですよ? 僕をその気にさせてるようなもんです」 「ちがっ……ぁぁん……伊織…」 唾液で濡れた乳首は赤く艶めき尖って美味しそうだった 「君が誘ってくれるなら僕は尾っぽを振って喜びまくります」 そう言い首筋を舐めあげ鎖骨に噛み付いた 「誘う前に食ってるじゃねぇか……痛い……」 鎖骨に噛み付かれて康太は悲鳴を上げた 「なら誘って…… 康太が僕を誘って……」 榊原は康太を抱き上げたまま立ち上がった そして寝室に向かい、康太をベッドの上に置いた 「さぁ、僕を誘って下さい」 「来いよ!伊織!」 康太はそう言い舌を出した 榊原はその舌を吸うように搦ませ、康太の口腔を犯した 「………んっ……んんっ……ぁん……」 執拗な接吻に喘ぎが漏れた 康太は服のボタンを外した 口吻の合間にズボンのフォックを外した 「康太、僕が女性といたから……妬かなかった?」 「妬くぜ! お前はオレのなんだからな!」 「……静かだったから……逆に怖くなりました」 「伊織、見てろよ」 康太はジッパーを下ろした ブラウスの前をはだけたままズボンを下着ごと下ろして脱いだ 康太の素肌がブラウスに見え隠れて…… 淫靡だった スルッとブラウスを落とすと康太は全裸になった それを見て榊原の股間は……限界まで膨れ上がっていた ベッドに寝そべり榊原を射抜く 自分の指をペロッと舐める まるで榊原のを舐められた気分になった 「伊織、オレは何時だってお前が欲しい……」 そう言い榊原の目の前で康太はオナニーを始めた 濡らした指をお尻の穴に埋め 勃ち上がった性器を扱いだ 「伊織……頼みがあるんだ」 「何ですか?」 「お前の誕生日まで禁欲して欲しい」 「良いですよ。 今君を補充させてくれるなら」 榊原はそう言い康太に腕を伸ばした   その手をスルッとすり抜け、康太はオナニーを再開した 「……ぁん……ぁぁん……ぅん…あぁん…」 康太が喘ぎ声をあげる 康太は榊原の服を脱がし始めた 服を脱がし愛撫の口吻を落とす ズボンを寛げ、脱がすと目の前に榊原の昂ぶりが現れた 先っぽにキスを落とし 口に咥える ヌルヌルと湧き出る榊原の先走りを舐めとり 追い詰めて行く 「ねぇ……君に触らせて……」 「見せてくれって言ったのはお前なのに?」 「触りたい……ねぇ舐めさせて… 君の下のお口は僕に舐めて欲しそうですよ?」 康太の指を咥えたお尻の穴が榊原の言葉で歓喜して戦慄いていた 快感を覚えた体躯が暴走を始める 榊原は康太が指を挿し込んだ穴に…… 自分の指を挿し込んだ 「………あぁん……伊織……ダメっ……」 「見てるだけなんて無理です!」 そう言いペロッと指を咥えた穴を舐めた 指を動かされ… 舐められた 「君の下お口は僕の方が良いと言ってますよ?」 康太の指を抜き、榊原の指と舌とで追い詰めて行く 「……もっ……もうイイから……」 「ダメです。君を傷つけたくなんかないんです」 「……なら伊織に触らせて……オレだって伊織が欲しい……」 「僕の誕生日までお預けなんでしょ? なら僕の好きにさせて下さい」 榊原にそう言われると…… お預け…… と言った手前ダメだと言えない 榊原の誕生日 愛が生まれた日 愛に満ちた日にしたい 榊原だけの自分でいたいから…… その日の為に少しだけ禁欲して貰う 「………伊織……オレだって伊織が欲しい……」 「僕を君の中にあげます だから大人しく待ってて下さい」 榊原は康太を膝の上に抱き上げると尖った乳首に吸い付いた そして挿入させた指を増やした 2本の指が挿し込まれ うねうねと動かされ快感を導き出してゆく 2本の指が穴を広げてる間に、指を増やされた 左右の指が康太の中に挿れられ   掻き回す 「康太、左右の指5本食べてますよ?」 榊原の長くて綺麗な指が自分のお尻の穴を犯している 「……ねぇ……その口は伊織が食べたいって言ってる…」 康太は榊原の首に腕を回した そして耳を舐めながら 「挿れて…伊織…」 と誘った 指が抜かれると榊原の聳え立つ肉棒があてられた 「君の欲しいのはこれ、ですか?」 「そう……オレはそれが欲しい……」 「堪え性のないお口ですね…」 また余裕で康太を焦らそうとする榊原に 「……お前の誕生日、倍返しにしてやろうか?」 ニカッと嗤われ榊原は観念した 「倍返しは嫌です」 嫌だから康太の中に挿入した ゆっくり康太の中へ潜り込み……挿し込んでいく 「……ぁ……康太……君が僕を離しません…」 搦みつく腸壁に翻弄される 「倍返しって……何をするつもりだったんですか?」 「伊織の体躯に教え込むんだ……ゃ……大きい……」 「君が欲しいから大きくなるんですよ それより僕の体躯に教え込む……って何をするんですか?」 「……ぁん…伊織を縛る……ダメ……動いて……伊織…」 「僕は縛られるのは趣味ではありませんよ?」 「縛るのは趣味だよな…」 「ええ。君は縛っても綺麗です…」 「ならオレも腕だけ縛ってやる」 「そしたら君の中を擦ってあげれませんよ?」 「ゃ……伊織…振るわせないで……」 康太の中の榊原がピクッピクッと震える その刺激さえ腸壁は喜んで快感に変換してしてしまう 「君の中が気持ちいいので……歓喜してるんです」 「……ぁんぁぁん…伊織……擦って……奥を擦ってぇ…」 康太が榊原に哀願する 榊原も余裕がなくなり康太の中を突き上げた 後はもう欲望の赴くまま… 縺れ合い……互いを貪った 性欲の限り……互いを欲して求め合った 部屋が……暗くなるまで……その行為は続き…… 抜く頃……康太は気を失っていた 意識をなくした康太を胸に抱き上げ抱き締める 榊原は何時までも…… 優しく康太の頭を撫でていた 康太が意識を取り戻すと、榊原の胸の上だった それが嬉しくて康太は榊原の胸に顔を埋めた 「気が付きましたか?」 「大分……寝てた?」 「……少し無理させました……」 「……外はもう暗いんだな……」 「この部屋も暗いですよ」 「だな。電気点けると目が痛ぇだろうな…」 「………仕方ありません 欲しくて止まれませんでしたから……」 「……ん。家に帰るか?」 「ええ。君が僕の胸の上で満足したらね」 慌ただしく体躯を繋げるのを康太は嫌う だから康太の満足するまで、このままで良いと榊原は言った 「……伊織……洗ってくれよ」 「良いですよ ピカピカに洗ってあげます」 「………気分は?」 香水の匂いを嗅いで気分が悪くなった榊原に、康太は問い掛けた 「君を補充すれば、僕は大丈夫なんです」 榊原はそう言い康太に口吻た 「……康太……僕は本当に女性はダメです…… 昔も今も……女を全面にして迫られると吐きそうです 青龍の妻が……そう言う女でした 勃起すらしない僕に……開いて見せたのです…… 僕はそれを嫌悪して見ていた……それを触れと手を掴まれた時……僕は吐きました……」 「………もう良い!」 康太は苦しげな榊原を止めた 「もう言わなくても良い……」 「聞いて……聞いて欲しいんです……」 「……無理しないなら……」 「無理はしてません 君に話しておきたいだけです 炎帝、僕の妻だと言う女は、一族一の美人と言われてました 一族の者は青龍に似合う存在を選別し、青龍の相手を選んだ 青龍にとって婚姻はどうでも良かった 一族の期待と未来を背負わされていので避けられない事実だと受け止めていました 望んでも手に入らぬのなら‥‥諦めと‥‥君の傍へ逝けないのなら‥‥ 相手など誰でも良かった‥‥ 僕は父や一族に誇れる存在でいたかった‥‥ でもいざ……結婚して初夜になると後悔しました 妻は裸体を晒し僕を誘いました 触っても良いのよ……と僕に迫りました 巨乳はブヨブヨ気持ち悪かったです…… そしてヴァギナは……更に気持ち悪く…… 触れと手を取られ触らされて……吐きました ですからトラウマです…… 勃起しない僕の前で……初夜なのに……とオナニーしてる女を……殺したい位……気持ち悪いと想いました」 「………青龍……」 康太は榊原を撫でた まさか……こんなに赤裸々に語られるとは想ってもいなかった 「………僕は……君の匂いを嗅いで、初めてオナニーしたその日から…… 君にしか興味がなかった…… 他は……どうでも良かったんです…… まさか……初夜に女の恐ろしさを思い知らされるとは… 以来……僕は女は受け付けません」 「………男なら……良いのか?」 康太は榊原の流した浮き名を思い出し口にした 「………君が手に入らないなら…… 似てれば……それで良かったのです 髪や瞳の色や背丈や骨格……どれでも君に似ていれば良かったのです でも今は無理です  君を知ってしまった…… 君を抱いた今……他へはいけません 他を抱けと言われても勃起すらしません…… 多分……男でも迫られれば吐きます 君しか僕は要らないのですから……」 「………伊織……嬉しすぎる……」 「本当の事です 僕は君にしか興奮しないのです 遥か昔から……君の匂いなら興奮しました 君を執務室で説教して……君に近付いた時に嗅いだ匂いだけでイケました」 執務室で……青龍は何時も説教してした 苦しそうに……青龍は炎帝を見ていた 文句を言うのが辛かったんだと想ってた 青龍は物静かな寡黙な男だから…… 誰かに説教するのが辛いんだろうと…… 「………青龍…」 「何ですか?」 「………お前……何時もオレに説教した後… 苦しそうにしたよな? 一度、逃げようとして掴まえた時に…… 物凄く辛そうだったよな?」 「ええ……君の匂いを不意に嗅いで…… 下半身直撃でした…… 押し倒してしまいそうな勢いに……辛かったです」 そっちで辛かったのかよ…… 嫌いな奴の面倒を見るのが嫌で辛かったのかと想った 「オレの匂いなら大丈夫?」 「ええ。君の匂いしか嗅ぎたくないです 炎帝の体躯からは何時も太陽の匂いがしました 今も康太からは太陽の匂いがします」 「伊織……オレ以外見ないで……」 「見ませんよ 昔から欲するのは君だけです 君以外僕には何も意味を持たない」 康太は伊織……と言い榊原の胸に擦り寄った 「……康太、そろそろ飛鳥井に帰らねば… 義兄さんがヤキモキ心配してませんか?」 「ん。そろそろ帰らねぇとな」 康太は榊原の上から降りた 榊原は康太を抱き上げるとバスルームに向かった 中も外も綺麗に磨き上げてゆく 榊原も康太に洗って貰い 湯に浸かり少しだけゆったりと過ごし 康太の髪を乾かし支度をする 康太の支度が終わると自分も支度をして伴侶の腕時計を身に着けた 忘れ物がないか確かめて部屋を後にした フロントに行き精算を済ませ 康太と共に飛鳥井の家へ帰って行った 飛鳥井の家に帰ると、慎一が出迎えに出て来た 「家族は応接室に全員揃ってます。 そして清四郎さんと真矢さんもおみえです」 と慎一は告げた 「え?父さんと母さんが?」 遊びに来てるなら、わざわざおみえです……とは、言わないだろう 榊原は康太を促して応接室へと向かった ドアを開け中へ入ると清隆と瑛太、玲香は立ち上がった 清隆が深々と榊原に頭を下げた 「伊織、本当に申し訳なかった」 瑛太も榊原に頭を下げた 「今後、この様な事は一切させません」 玲香も榊原に深々と頭を下げた 「飛鳥井家 真贋の伴侶は貴方しかいない 伴侶を見合いなどさせる訳がない…… こちらの落ち度でした!大変申し訳なかった」 と飛鳥井の家族は榊原に謝罪した 榊原は慌てて 「頭を上げて下さい!」 と清隆と瑛太と玲香に言った 「ソファーに座って戴けませんか? 僕は康太を座らせてあげたいのです……」 家族はそう言われれば……ソファーに座るしかなかった 家族が座るのを見届けて榊原は康太を膝の上に抱えて座った 「怠くない?」 「おう!大丈夫だ!」 すっかり二人きりの世界に突入しそうな榊原を瑛太が呼んだ 「………今日、席にみえたのは京極瑠璃子さんですか?」 「…………知りません 名前も聞く気にならなかった お逢いするなり結婚してくれと言う女など覚えていたくもない!」 何という事だ……と瑛太は言葉を失った 「飛鳥井の会社が大切なら私の話を受け入れなさい……彼女は半ば脅しでした どうしたものか……迷っていたら康太が道明寺さんとホテルのレストランに来たので、帰る時に席を立ちました 僕は……それ以上堪えたくはなかった 失礼かと想いましたが……手を握られて……鳥肌が立ちました……」 榊原はそう言うと思い出したのか…… 吐きそうな顔をして、康太の肩に顔を埋めた 「………僕は康太にも言いましたが…… 康太以外は要らないのです…… 昔も今も康太だけ要れば良い…… 他は要りません…… 康太……君しか欲しくないです」 康太は榊原を優しく抱きしめた 「瑛兄、父ちゃん、母ちゃん気にするな 騙し討ちは向こうがやったんだ オレの伴侶を会社の為に売ったりはしねぇのは 伊織は解っている!」 康太の言葉を受けて榊原は、康太を抱き締めて言葉にした 「……ええ。解ってます 僕は飛鳥井家真贋の伴侶として、この家に迎え入れて下さっている 家族同様に接して貰っています その家族が僕と康太を引き裂く算段などしないのは 百も承知しています 所で、父さん、母さんも……どうなさったのですか?」 榊原は康太の肩から顔を上げ問い掛けた 「瑛太が私達に詫びを述べたのです 私達は気になって来たのですが…… 君達はいませんでした   一生が二人は一緒にいると教えてくれたので安心してました 私達は飛鳥井の方が二人を引き裂く様な事はしないと承知してます」 清四郎は榊原にそう言った 真矢も「二人が一緒でないのを誰よりも危惧しているのは……飛鳥井の家族や一生達じゃないですか…」と呟いた 「離さない様に……全員が二人を守る 今回は本当に騙し討ちだったのでしょう 知っていれば伊織を出したりはしない 解っています 解っているので……もう悩まないで下さい」 真矢は飛鳥井の人間にそう言った 「父さん、母さん、僕は康太が守る飛鳥井の会社は大切です ですが人身御供みたいに望まれても……僕は行きません 僕は康太しか要らないのです 幾ら会社の為でも僕はそんな要求は飲みません なら潰すと言うなら、潰されない様にするだけです 康太も頑張ると言うので、潰してみますかね?」 榊原は、そう言い嗤った 「降り掛かる火の粉は祓わねば男が廃ります! 康太、頑張って潰しますか?」 「おう!伊織を奪うならオレはどんな手を使っても息の根を止めてやる!」 康太はそう宣言した 瑛太は「榮倉を使ってますか?」と問い掛けた 「おう!榮倉は議員の秘書してただけあって顔が広い 知識もある アイツに足らないのは礼節だけだった」 「今は礼節も身に着けて、誰よりも出来る秘書になってますよ」 康太は嗤った 「伊織の誕生日が終わったらオレは大阪まで遊びに行く」 瑛太は「大阪ですか?」と問い返した 「おう!UFJに一度行って見たかったんだよ!」 それだけじゃないのが伺える 康太は歩き出していた 「奥さん、僕も行きます 新婚旅行やってませんでしたね その前に式を挙げて新婚旅行に繰り出しますか?」 榊原は楽しそうに言った 「………伊織の目的はウェディングドレス来たオレだろ?」 「そうです。良く解りましたね」 榊原はそう言い康太の頬にキスを落とした 「挙式の後、ウェディングドレスに身を包んだ君のドレスの裾を捲り上げ繋がりたい……」 家族や清四郎達は絶句した 「新婚旅行は旅館にしましょうね 浴衣姿の君は色っぽいから、乱して見たくなります」 浴衣姿の康太…… 色っぽい??? それは旦那だけやろ……と一生は呆れた 話が本題から逸れて行く 榊原もそれを狙っているのか……? 掴めない男の本意はどこにあるのか解らなかった 「康太、僕の誕生日 祝ってくれるのですか?」 「おう!誕生日プレゼントも今日買って来た」 「今年も全裸の君にリボンを結んで良いですか?」 「………伊織がしたいなら……」 「君の可愛いアソコにも結んであげますね」 エスカレートする会話に一生は止めた 「………旦那、家族の前だ……」 「僕の事は康太がする 康太の事は僕がする 気にする必要などないんです 僕は康太に癒やされて帰って来た 康太がいれば僕は生きて逝けます! だから心配無用、と言う事です」 「……旦那……康太のお腹がずっと鳴ってる…」 「気付きました? 頑張った分康太はお腹を空かせてます 何か食べさせて下さい」 榊原が謂うと慎一は 「二人の分はキッチンに取ってありまふ」と答えた 「なら慎一、此処で食べます」 榊原は康太をソファーに座らせた 「康太はやっと食欲も戻って来ました 真贋の仕事も少しずつ僕が管理してやらせます 会食とかは力哉が管理してるので、そちらの方は関与しません」 飛鳥井家真贋の伴侶を大々的に押し出して、その存在を絶対のモノにする 榊原は不敵に嗤っていた 一生は「………悪代官みてぇだ……」と零した 聡一郎も「………悪魔でしょ?」と訂正した 清四郎は苦笑した 真矢は…やはり腹黒い……と息子を想った 慎一が康太と榊原の食事の用意をする 康太の前に大好きな沢庵を置くと、康太はそれに食い付いた ポリポリと軽快な何時もの音が戻って来た ガツガツと一心不乱に食べる康太の姿に家族は胸を撫で下ろした 「清四郎さん達は食ったのかよ?」 「…………私達も……飛鳥井の家族も食べれる気分ではありませんでした……」 「母ちゃん、皆の分も用意して一緒に食おうぜ! 全員で食うと美味ぇぜ!」 康太が言うと玲香は支度に向かった   慎一や一生も手伝い料理を運ぶ そして皆で食事をした 「伊織が生まれた日 もう直ぐだ」 康太が呟くと瑛太が 「今年も伊織の誕生日は家族全員祝うつもりです 車は康太に買われてしまいました…… 何にしようか迷ってます 結婚式をプレゼントするしかないですかね?」 嬉しそうに言った 「………瑛兄……冗談は……」 「本気です!伊織も本気で言ってるのです!」 一生は康太の肩に手を置き 「諦めろ……旦那と瑛兄さんは至極本気だ…」 と康太に言った 「………一生……本気なのは知ってる 伊織の口癖はウェディングドレス着たオレを犯りたいと言ってたからな……」 「なら諦めろ……」 「あんでオレがウェディングドレスだよ!」 康太は不本意だと怒る 「お前は伊織の妻なんだろ? 伊織のを挿れる時点でお前は妻なんだよ 妻はウェディングドレスと決まってる」 卑猥な事をさらっと言い、一生は説得した 「…ちくしょー!仕方ねぇ………オレは伊織の妻だから……何時か着てやるよ!」 康太はヤケクソにそう言った 榊原は奥さん……と言い感激して康太を抱き締めた 「清四郎さん、伊織の誕生日後、オレは少し忙しいけど、その後に撮影に入ります 秋の紅葉が撮りたいから延ばしてました」 「その撮影、飛鳥井の家族も一緒に行けませんか?」 「映像の中に入らねば構わない」 「ならスケジュールを合わせて、皆で繰り出しましょう!」 清四郎は楽しそうに言った 源右衛門に楽しい時間を送らせたい 忙しい飛鳥井の家族に楽しい時間を送らせたい 清四郎の思いやりだった 「なら皆で行きましょう!」 「良いですね! 撮影が終わったら皆で飲みましょう!」 清四郎が言うと源右衛門と玲香が 「「それは良いのぉ~」」 と声を揃えた 夜更けまで楽しく歓談に花を咲かせ 客間で全員雑魚寝した 優しい夜が家族を包む 離れたくない想いが絆を深めた もう飛鳥井も榊原も家族だった 康太と榊原を守る家族だった 一生や聡一郎がいて 隼人と慎一がいる 飛鳥井の家族がいて   榊原の家族がいる 皆の思いは一つだった そんな想いを胸に抱き…… 優しい眠りに落ちた

ともだちにシェアしよう!