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第6話
大きく息するのが聞こえる。揺れるのがゆっくりになり、急に地面の上におろされた。服の中から出てゆくと、まぶしさに目がしょぼしょぼする。
「あ......お前だったのか!」
俺たちはコイーンランドリィの奥の部屋にいた。あいつが運んでくれたんだ。
ニンゲンの形のまま手を舐めては頭をかいぐりかいぐりしていたあいつは、俺が近づくとぱっと顔を輝かせた。
「これ! とり、二本あるよ! もってきた!」
「ニャーニャー !」
いつの間にもらったの分からないけど、あいつの横にはいい匂いのするとりが刺さった枝が二本おいてあった。しかも冷めてる!
「ニャーニャーニャー !」
「へへ、うまそうだろ? いっぱい食えるぜ」
猫に戻った俺と、ニンゲンの形のあいつじゃ話ができない。あいつの尻を噛んで猫に戻そうと思ったら、突然持ち上げられて鼻面を舐められた。
「ぷっ、え? ニンゲンにするのか?」
「うん、せっかくだからニンゲンでくおう! それから、ニンゲンの形でやってみたいことがある」
あいつの目がキラキラしてる。
枝を手にもってかぶりつくと、とりはとってもおいしかった。柔らかくて、外のあまからいとろとろと、なかから出る肉の味で口の中がいっぱいになって、よだれがずっと止まらない。俺もあいつも、何も言わずに全部食べ、とりのなくなった枝が木の味に戻るまでずっとなめ続けた。
「ふー、うまかった」
「終わっちゃったな」
まだいくらでも食べることができるけど、またあそこに行くのは嫌だ。この味を忘れないために一生懸命手を舐めていると、あいつが俺のほっぺたをぺろっとした。
それから、唇も。顔中を舐めてくる。
「ちょ......ふふふ、くすぐったい、ばか。やめろって」
「やーだ、タレがついてておいしいんだもん。子供のころ、こうやって舐めあっただろ?」
「ん、そうだけど、ふふっ、や、耳舐めんなって......」
さっき猫に戻っていた俺は服を被っていなかった。毛のない身体をあいつの手が撫でてゆく感触に、尻尾の付け根からびびびびってさざ波が起こった。尻尾がピクピク震える。
「ぁ……!」
「お、ニンゲンのちんこってすげーな。丸見えじゃん」
あいつのは服を被ったままだから見えないけど、おれのはばっちり交尾できるくらい硬くなっていた。
「おっぱいも!」
「やん!」
突然の感触に大きな声が出た。寝るときに寂しそうな顔をして腹の毛に鼻を埋めていたあいつ。今は毛のないつるんとした胸の上で、ふたつしかないぽっちの片方に吸い付いていた。
ちゅぱちゅぱという音を聞いていると、顔が熱くなって腰がむずむずしてくる。いつも寝るときに吸うのと違って、やけにしつこくて、舌でふわふわと舐め上げてくるから、変な感じがどんどん強くなってく。
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