256 / 539
24♡10※
挿れてすぐ動かないでいてくれるのは、すごくすごくありがたい。
だって聖南のものは半端じゃない、から……ベッドに移動して、ぐにぐにと時間かけてほぐしてくれたものの挿入される時は息を詰めちゃうくらい苦しくなる。
聖南の二の腕をぎゅっと掴んで、目も瞑って、「んーっ」と変な声出してしまう俺を、聖南はたぶんずっと上から凝視してるんだ。
孔と中が徐々に広がっていく何とも言えない感覚に耐えてると、聖南から頬擦りされる。 その後は必ず唇を舐められて、舌で唇をこじ開けられた。
深いキスをしてると中が少し緩むんだって。
ズルズルと襞を擦られて気持ちいいと思う最中、苦しくもある俺は息を止めてるから全身が強張っていて、無意識に聖南の挿入を邪魔してるらしい。
根元まで入ったと報告されてやっと、俺は目を開けて呼吸を再開する。
「苦しい? 葉璃ちゃん、苦しいの?」
「う、うん、……おなか、苦し……」
「なんで?」
俺の前髪をかきあげながら分かりきった事を聞く聖南は、〝言わせたい〟だけ。
みちっと拡がった孔と、ぎゅうぎゅうに収まりきってる聖南の性器の熱さが、呼吸を整えていてもはっきりと分かる。
なんたってそれのおかげで、俺のお腹がこんなにも苦しい。
「な……な、なんでって……聖南さんが、入ってる、から……っ」
「うんうん。 だよなー」
嬉しそうに目元を細めて微笑まれた。
うぅ……かっこいい。
八重歯をチラっと見せて、さもヤンチャに笑う聖南に何度見惚れても懲りない俺は、下りてきた体に抱きついて甘えた。
細身なのにしなやかな筋肉を纏った、羨ましいほどに美しい体。
抱き締めたら、その逞しさが分かる。 歌って踊りながら、あの広いライブ会場をあれだけ走り回れる体力とこの体躯は、見えない努力の賜物だ。
……俺とのエッチもそりゃあ、長くなるよね。
俺が痛くないように、前戯にも挿入にもたっぷり時間使ってくれた聖南は朝飯前な顔してるけど、俺はもうすでに意識飛ばしちゃえそうなくらいヘトヘトだよ。
今にも動きたくて仕方ない、ウズウズしてる……目が合った聖南の瞳には、実際にそう書いてあった。
「葉璃の中、トロットロだよ。 俺のに吸い付いて離してくんねぇの。 抜かないでって言ってるみたい」
「んっ……んっ……」
ゆるやかに腰を動かした聖南に、少しだけ、ぐちゅっと中を擦られる。
ピッタリ嵌った性器で不意打ちされると、浮かせた腰が思わず震えた。
とりあえず膝裏を持って俺の中に慣れようとしてくれている聖南は、まだ動く気配がない。
ジッと俺の瞳を見て、チュッと唇にキスをして、薄っぺらい胸に視線は移った。
「あ、かわい……乳首立ってる。 食べてい?」
「ふぁっ……んっ……やんっ……」
「声たまんねぇな。 乳首気持ちいいの? それとも中がゾクゾクしてんの?」
「や、……っ、そこ、そんな……舐めない、で……っ」
「舐めてねぇよ、食べてんの」
「だめっ、食べるの、……だめっ」
「全然ダメじゃねぇよ? めちゃくちゃ美味い。 葉璃にも食べさせてやりてぇ」
「んぁっ……あっ……やっ、やっ……!」
そこをそんなに舌で転がされたら、ビクビクっと背中が波打ってひとたまりもなかった。
乳首の先を甘噛みされた瞬間、行為中は大体ほったらかしにされてる俺の性器からピュッと何かが迸る。
精液じゃない何か……。
「お腹ビショビショじゃん。 これ何回イッたんだ?」
その何かと共に、お腹の奥がキュンとせつなくなる。 それがしばらく続くから、聖南の声が遠くなって頭の中が真っ白けになる。
フフッと笑った気配がした聖南に、両足を取られた。 腰に巻き付けろって意味らしく、従うとすぐさま挿抜が開始されて目が開けられない。
「ふ、んっ……んあっ……あっ……」
「んん? 葉璃ちゃん、俺の声聞こえてる?」
「あぁっ……だ、だめ、も、……っ、いきそ、……また、いくっ……いく……っ!」
「イくの? 葉璃、イきそ?」
「はぁ、っ……う、んっ……い、いく……っ」
「奥突いてやろっか」
「あ、うそ、っ……やっ……やぁぁっ……」
「ちょっと緩めてよ。 動けねぇんだって、ばっ」
「あぁぁっ……! ふぁ、んっ……んん──っ」
う、あ……っ、やばい、……イくの、止まんない……っ。
丸みを帯びた聖南の先端が、奥をこじ開けるようにしてグッと入り込んできたその時、それ以上の余地はないはずの奥がギュッと締まった。
そのあとが、……大変。 ずっとお腹とお尻が震えて、射精してるのかどうかも分からなくなる。
俺が顎と背中を仰け反らせてる間、締め上げられた聖南も痛そうに顔を歪めたのが見えたんだけど、俺にはどうしようもない。
「触んなくてもイケるようになって偉いなぁ、葉璃ちゃん。 乳首でもイけて、中イキもできて、俺のガチガチにしてくれて」
「あっ、もうっ……せな、さんっ、今日、なんでそんなに……喋る、の?」
「え、俺そんなベラベラ喋ってる?」
「喋って、る……!」
「んー? 分かんねぇな。 いつもと変わんねぇだろ?」
「あぁっ……! ちょ、ちょっ……せな、さんっ……」
「俺の事〝いっぱい〟好きなら、受け止めてくれるよな?」
「んんっ、んっ……!」
それはさっき、お風呂場で白状させられたやつ……!
ルイさんになんて惚気けたのかってすごくしつこかったから、なんて事ないですよと言って教えたそれが、聖南にはとっても嬉しい言葉だったみたいで……。
だからこんなに、嬉しそうなのかな。
エッチはいつもと変わらないけど、表情とか台詞とか少しだけ意地悪で、遠回しに俺の気持ちを吐き出させようとしてる、……のは気のせい?
激しく俺の中を貫いてる時も、「気持ちい?」って何回も聞いてくる。
巧みな腰使いでグジュグジュに中をかき回されて、ローションたっぷりの性器で奥をめいっぱい突かれて、気持ちよくないわけない。
でも聖南に揺さぶられて喋れないから、俺は頷く事しか出来なくて、それでも聖南は何回も「気持ちい?」と甘い声で囁いていた。
「……っ、葉璃、……イこ。 俺もイきそ……っ」
「んぁ……っ、あ、っ……せなさんっ……」
「……あー……っ、やらしいな、もう……かわい過ぎんだろ」
「ひぁっ……あっ……あぁっ」
切なげな聖南の声と、限界まで性器を挿れ込んだグチュっと弾けるような音が重なった。
息を詰めた聖南の絶頂が、俺の内部にドクドクと染み渡る。
そらした顎から首筋まで、歯を立てないように気を付けている聖南の口付けが心地いい。 呼吸まで震えてるけど、この余韻はとても好き。
俺の中に入ったままの聖南に力いっぱい抱き締めてもらうと、その余韻がさらに幸せな高揚感を生む。
お腹もお尻もベトベトだけど、気持ちいい……このまま寝てしまえそう……。
「はるー♡ 今日はあと三時間、がんばろうな♡ ……って、聞いてる? 葉璃ちゃん」
……なに?
聖南、なんて言った?
あと三時間? ……三時間っ!?
「……聞いて、ない」
今から三時間なんて絶対むりだもん。 絶倫な聖南に、俺はついてけない。
ダメ元で、寝たフリをしてみた。
……けど、聖南のものがまだ、中で暴れ足りないと疼いてる。
それはとても、子どもらしくない。
ともだちにシェアしよう!