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♡  明日の心配をしなくていいエッチなんて、どれくらいぶりだろう。  何回イっても元気なまんま、動いてない時が休憩だと言い張る絶倫な聖南だけど、夏に俺が倒れちゃってからはほんとによく我慢してくれてたと思う。  次の日の仕事に差し支えないように、長くても三時間でやめちゃうようになって、頻度自体も少なくなって、聖南にとっては物足りなかったよね。  俺でさえ、ムラムラしちゃって聖南を困らせた事があるから分かるよ。  なんとなく決まった暗黙のルールが、ちょっとだけ煩わしいと感じちゃうこともあるよね。 「葉璃、顔見せて」 「や、っ……やだ……っ! ぜったい、ひどい顔、してる……っ!」  ベッドに移動してからの俺たちは、会話らしい会話もそこそこに性急にお互いを求めた。  聖南だけじゃない。  お風呂場で散々焦らされた俺も、ベッドに押し倒されてすぐに『早くちゃんと触って』とばかりに両足を聖南の体に巻きつけた。  大胆にも、あろうことか俺は聖南を急かしたんだ。  ナカをほぐしてくれてる聖南の手を、三回は止めた。終始、「煽るなよ」って苦笑いを浮かべられた。  それでも、俺を傷付けないために自分の快楽を後回しにして、たっぷりのローションで時間をかけてナカをトロっトロにほぐしてくれた聖南の忍耐力は凄まじい。  ただ、聖南の我慢はそこまでだった。  二時間だけ、三時間だけ、という縛りを、今日は設けてない。聖南にお伺いを立てられなかったから、言い忘れてただけってのもあるけど……それにしても、……。 「そんなことねぇから。てか手はそこじゃねぇだろ?」 「んんっ……!」  あの、少し掠れたセクシーな声で「挿れるよ」と言われた瞬間から、聖南は俺のことが大好きな獣に変身した。  仰向けになったりうつ伏せになったりを三回は繰り返しながら、特に休憩らしい休憩をくれない聖南から、かれこれ二時間以上容赦なく攻められている。  いつものごとく、自分がいつ、何回イったのかももう分からない。  触ったり扱いたりしなくてもイけるようになっちゃった俺の体は、聖南のモノがナカで好き勝手暴れたり、乳首を甘噛みされたり、背中を撫でられたり、唾液を飲まされたりするだけで気持ちよくなる。  聖南が、俺の体をそういう風にした。 「はーる。手、邪魔だって」 「やっ……やだ……っ」 「俺もヤだ」 「あっ、ちょっ……!」  たった二回じゃ少しも衰えないモノを突き立てられてる今、俺の顔は涙と汗と唾液できっとぐっちゃぐちゃだ。それを見られたくないから、両腕をバッテンにして顔を隠してたのに。  もの好きな聖南は、そのぐっちゃぐちゃな顔をいつも見たがる。  ……変わってるとしか言いようがない。 「俺しばらく脱ぐ仕事無えから、いっぱい痕つけていいよ?」 「ひぅっ……! んっ! んぅぅ……っ」  喋ってる最中も動きを止めなかった聖南が、わずかに腰を突き上げた。敏感なナカを先端でぐにゅんっと押された俺は、もっとひどく顔を歪めた。  許可なく顔を隠してたこと、それで両腕が塞がっちゃって聖南をぎゅっとしなかったことで、ほんの少しご機嫌ナナメになっている。  気持ちいいところを避けて、めいっぱい拡がったナカをさらに拡げようとするのはただのいじわるだ。  言うことを聞かない俺に対する、聖南なりのお仕置きのつもり……なんだろうな。 「このかわいーおてては、どこに、置いとくんだっけ?」  ひとまとめにした俺の両手首を取ったまま、いじわるをやめない聖南がどんどんとナカを抉ってくる。奥に進むにつれて、貫かれた俺の腰も少しずつ浮いていった。  ズッ、ズッ、と太い先端がナカを分け入ってくる。擦られて喘いじゃう俺も悪いんだけど、聖南が目指そうとしてるところは毎回こわくて。  そこに到達すると気絶に近い感覚に襲われるから、着々と腰を進めてく聖南に、俺は息も絶え絶えに抗議の目を向けた。 「んっ、あっ……あぁっ! せなさんっ……せなさん、ぎゅって、するから……っ! 奥、ぐりぐり、しな……で……っ!」  聖南のいじわるには慣れてると言っても、ぐじゅ、ぐじゅっとやらしい音を立てて奥を抉られると勝手に膝が震えてくる。  あんまりいじめないで、と必死に訴えた俺を、欲に濡れた瞳でジッと見下ろしてくる聖南は、この状況下で「いやいや……」と薄く笑った。 「何言ってんの。全然奥までいってねぇし」 「へっ!? う、うそ……っ」 「ホントー♡」 「ひっ、やっ、待って、待っ……! やぁぁっ……!!」  それを証明するように、聖南は笑顔のまんま腰を回した。そして、俺には知る由もない場所にぐぷっと入り込んでくる。 「いっ、ぁあっ……っ!」  俺の浮いた腰を、「な?」と微笑む聖南が鷲掴む。  奥の奥に先端をねじ込まれてしまった俺は、顎をのけ反らせた。わずかな痛みと強烈な快感に、目の前が真っ白になる。 「はぅ……んっ……んっ……んっ……」  自分の意思で口を閉じることが出来なかった。  だらしなく開いた唇の端から、唾液がうっすらと溢れ落ちる。それを舐め取ろうと聖南が背中を丸めたせいで、グッとナカを強く押された俺の意識はまさしく飛びかけた。 「葉璃、舌」 「んんっ、んっ、ふぁ……っ」  聖南の声に、何も返せない。ちゃんと聞こえてるし、反応もしてるつもりなんだけど、近付いてきた聖南の顔がぼやけて見えるほど焦点も合わなくなっていた。  聖南と密着した下半身の感覚が、無くなり始めてる。舌を吸われながら、聖南の言う奥をぐぷぐぷと出入りされて朦朧とした。 「きもちーなぁ? 葉璃ちゃん、もう何回イったかなぁ?」 「うぅっ……んっ……ん、むぅっ……」 「もどかしかったろ? 甘イキ出来なかったの」 「ん、くっ……んっ……む、っ……」  遠くで、俺の大好きな甘い声がする。  満足いくまで唇と舌を支配した聖南は、やっぱり動くのをやめてくれなかった。おかげで俺は、浅い呼吸しか出来ない。力が入らないから、聖南のことを抱きしめられもしない。 「葉璃ちゃんが言ったんだからな? あんまイジんなって。ヘトヘトになるからって。でも分かっただろ? 物足んねぇんだよ、もう」 「そ、んなこと、なっ……んんっ……」 「あんなにナカうずうずさせといて、そんな事ないって? ウソはダメだぞ、葉璃ちゃん」 「うっ……うそじゃ、……うそじゃない、もん……っ」  そう、ウソじゃない。でも聖南の指をあんなに締め付けといて、「やめて」は無かった。  聖南の困ったように笑う顔が思い浮かんだ俺は、恥ずかしさのあまり無意識に反抗する。  敬語も使わず、気絶一歩手前の滑舌でどこまで伝わったか分からないけど、それは絶えず奥を探る聖南への文句も兼ねていた。  もう、やめて──飛んじゃう。  下っ腹の内部から、聞き馴染みのない〝ぐぷん、ぐぷん〟という音が響いている。  聖南の先端がそこに挿入れられるたび、俺の分身からサラッとした液体が漏れていた。 「ひぁっ……せなさんっ……! ナカ、やぶけちゃうっ、ぐ、っ……くるしいってばぁ……!」 「ごめんな? 苦しいよな? でもな、先っぽ吸い付いてくんのたまんねぇんだ。もう少しだけ……我慢して」 「やっ……やだぁっ……こわい、……! こわいんだよっ、せなさ、……っ!」 「何がこわい?」  ついに目を開けてられなくなった俺は、暗闇で聖南と会話した。  楽しそう。  エッチな声で、「きもちい」って呟くのもドキドキするけど、下半身がおかしくなってる俺はそれどころじゃない。 「このへん、おかしくなってる……! おかしい、の……っ! さっきから、ずっと……んっ、ふぁ……っ!」 「そりゃ、俺のがここまで挿入ってるからな?」 「あっ……んっ……!」 「てかおかしくなってもらわねぇと。朝まで正気保ってんのしんどいと思うよ?」 「んくっ……んっ……んん……っ!」  「俺、二徹くらい余裕の男だからな」と、聖南は俺の下腹部をなぞって恐ろしい事を言った。  俺も気持ちいいって、言い損ねてることにちょっとだけ罪悪感を抱いてたけど、もう……無理かもしれない。  朝まで正気を保っておく自信が、俺には無いもん……。

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