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58❤︎④※

 包み込まれるような温かさと、狭く圧迫感のある中へじわじわと中指を挿入していく。  拡げるように動かしはせず、ただ挿れて、抜いてを何度か繰り返す。それだけで葉璃は腰をゆらめかせ、可愛く啼いた。 「あっ……あっ、んっ……」 「葉璃、気持ちいい?」 「ん、ん、……っ、きもち、い……っ」 「そっか。素直に言えてえらいなぁ、葉璃ちゃん」 「んっ……んんっ……んっ」  〝さっきの〟と同じように、あまり悪戯心を発揮せず抜き挿しに集中する。これが葉璃には気持ちがいいらしく、聖南も先を急く事無くたっぷりと指一本で喘がせた。  この手の事で聖南に積極的な発言をしたというだけで、葉璃がたったこれだけの事に快感を覚えていると分かる。  葉璃が気持ち良いならば、施している聖南もとても気分が良い。 「ごめ、なさ……っ、お尻、動いちゃう……っ」 「いいよいいよ。ぷりぷり動いてんのかわいーから。慣らすのに支障も無えし?」 「あっ、あっ……やだ……っ」 「もう二本入りそう」 「ん……っ、んん……っ」  指一本でこんなにも可愛くなられると、まるでこれから初めてを奪うような真新しい感覚になってくる。  この先の乱れた姿を知っている聖南も、新鮮な気持ちで三本の指にローションを纏わせ宣言通り二本の指を挿入してみた。  時間をかけたおかげで、若干の抵抗はあるもののすんなりと挿れられる。  ローションで滑った襞が纏わりつくように指に絡まりながら押し拓く感触は、性器の挿入と大差無い。 「……ほら、入った。根元まで入れるぞー」 「ひぁ……っ! あっ……、んっ」  関節を曲げればより喘ぐ事は分かっているが、ひとまず挿入した指を根元まで挿れてしまう。すると入ってきた太さの違いに葉璃は項垂れ、小さく呻いた。  だが抜き挿しを再開すると、途端にお尻が揺れる。  一本だろうが二本だろうが、ピストンされるとつい声が出てしまうといった風だ。  ここまでかなり自身に我慢を強いていた聖南だったが、艶めいた声に煽られ挿入りたい欲が頭をもたげてくる。  葉璃を気持ち良くしながら少しずつ拓いていくべく、聖南は丸めていた背中をピンと伸ばした。 「葉璃、少しかき回すから痛かったら教えて」 「んっ、んっ! ん……っ! きもち、い……! せなさん……っ」 「狭いなぁ。ほら、頑張って力抜くんだ。これじゃ指三本入んねぇぞ」 「だ、って……、そんなこと、言われても……あっ」  いざ動かしてみると、キツい反発に遭った。  気持ち良くて締め付けているのか、ピストンをやめてほしくないがための反抗なのかは分からないが、挿入した指が自由に動かせないほどであるのは確かだ。  揺れる真っ白な臀部に自身の指が挿入っている光景は、興奮するなという方が無理である。  思わず噛み付きたくなるようなもちもちのお尻と、旨そうに聖南の指を咥え込む秘部はひたすらに生々しい。 「……ローションじゃなくて舐めて解せば良かった」 「やっ、そんなの……っ、だめっ」 「なんで」 「きたない……から、……っ」 「汚くねぇし。前から言ってるよな? 俺は葉璃から出たもんなら飲めるし食え……」 「あぁーー!! わ、分かりました! 分かりました! いきなりとてつもなく危ない発言しないでくださいよっ」 「どこが危ねぇんだ」 「せなさんはアイドルなんですよ! 軽率にそういうこと言っちゃメッです!」 「メッ? コラッてこと?」 「そうです!」 「何それ。かわいー♡」  しれっと三本に増やした聖南の指を締め付けながら、とんでもない発言にギョッとした葉璃が目尻を吊り上げて振り返ってきた。  小さな子どもを叱りつける時にしか使わないような一言で諌められたが、挿入した指以上に心が締め付けられる。  葉璃ならば普段から「メッ」してくれて構わないと、叱られ慣れない聖南は本気でそう思った。  まさしく拓くために蠢かせている指に悶えている葉璃は、もはや会話を続けることさえ難しそうだが。 「あっ、せ、せなさん……っ、なか、なかが……っ」 「ん、キュンキュンしてきたな?」 「……っ、やっ……あっ……」 「ゴム付けるからいい子で待ってて」 「えっ? ゴム、つける……?」 「……生がいい?」 「い、いや、そうじゃなくて……っ」  葉璃と布団を極力汚さぬように、ローションと一緒に〝念の為〟持ってきたコンドームに手を伸ばそうとした聖南の動きが止まる。  引き抜いた指をティッシュで拭っている最中、葉璃は四つん這いから膝立ちになった。 「舐めたいんですけど、……だめ?」 「…………っ」  生を御所望ならいくらでも、と軽口を叩きかけた聖南は、葉璃を見詰めてピシッと固まる。  正直『またそれか』と思った。 「ここでタメ口葉璃ちゃんは卑怯だぞ」  コンドームを手に取った聖南は、葉璃をじっとり見やり苦笑を溢す。  決して、決して、それが嫌だというわけでは無いのだ。  申し訳ない気持ちになるから出来ればしないでほしい。葉璃はそんな事をしなくていい。──常々、セックスの度に同じ事を言って宥めているはずなのだが、葉璃は聞き入れない。  否、聞き入れられた事がほとんど無い。  それは聖南の忍耐力の甘さと葉璃の小悪魔がせめぎ合った結果、いつも聖南が敗北を喫するせいである。 「へへっ、……さっき聖南さんは俺のパクッて食べてたでしょ。次は俺の番です!」 「俺らのセックスにそういうのナイから。遠慮します」 「何でですかー! イヤです! 俺も舐めたいです! 聖南さんだけ俺のめろめろして不公平ですよ! 俺も舐めたい!」 「……なんでそんなに舐めたがるんだ……」  恋人ならば施し合って当然なのは重々承知しているけれど、苦手なものは苦手なので仕方が無い。  どんなに言い聞かせても、聖南の本心を伝えても、先刻葉璃の制止を聞かずにパクッ、めろめろを強行した手前大きな口は叩けなかった。  手にしたコンドームの封を切り、葉璃の声を無視して繋がる事は簡単だ。しかし聖南は、一目惚れした恋人から熱心な視線を向けられると極端に判断力が鈍る。 「ちょっとだけ、……ね?」 「だからぁ、それ卑怯だっつの」 「へへっ」  おまけにこんなにも可愛く微笑まれると、決断力まで奪われる。  性器を舐めたいと息巻く愛する恋人には、どう足掻いても聖南に勝ち目など無かった。 「ちょっとだけだぞ、ちょっとだけ」 「ん〜……それは約束できないです」 「なんでだよ!」  聖南の方を向いて四つん這いになった葉璃が、いそいそと何の躊躇もなく股間に顔を寄せる姿は確かに興奮する。  途端に主導権を取られてしまったが、それも特に気にする事ではない。  だが、葉璃の舌先が性器に触れた瞬間、柔らかな髪を掴んで引き剥がしたくなる衝動に駆られてしまう。 「…………っ」  実際にそんな荒々しい真似はしないが、聖南の胸をトンと押して早速彼いわくのめろめろを開始したところを見ると、葉璃は本当にそれが好きなのだろう。  彼なりに試行錯誤しているらしく、毎度上達を見せる舌使いに聖南は息を呑んだ。  ジュル、チュパッとわざと立てているかのような粘膜の摩擦音と、性器への直接的な刺激はどうしたって昂る。  短い舌で亀頭を飴玉のようにぺろぺろと舐め、パクっと咥えてからも舌は止まらない。  先端から少し入ったところで口腔内がいっぱいになり苦しいだろうに、性器を両手で握って顔を動かしてまで愛撫してくれる。  同性の性器など舐めたいものでない。  しかし一生懸命な葉璃は、聖南のものだからこうして愛してくれるわけで、そう考えると申し訳無さを上回る感動がある。  聖南も同じ気持ちだからこそ、葉璃の性器を目にすると舌なめずりしてしまうのだ。

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