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7.邪魔者はとことん邪魔をする(4)

 図書室のドアの窓から、冷ややかな眼差しで覗いているのは河合 祥吾。視線の先には要と、その隣で優し気に微笑んでいる柊翔も目に入ってくる  "ずっと、あの微笑みは俺に向けられてたはずなのに。"  ギリギリと噛みしめる悔しさと、ジリジリと腹の底から焦がすような嫉妬が、止めどなく溢れてくる。 「あれ?河合くん、入らないの?」  無遠慮に声をかけてくる女子生徒たちに怒りを覚えながらも、ふりむくときは、爽やかな笑顔。 「いや、なんか混んでるみたいだから、今日はやめとくよ。」  そう言って彼女たちから離れたとたん、無表情になり、早足になる。制服のポケットからスマホを取り出すと、三平 悠の番号にかけるけれど、ずっと電源が入っていない状態。気まぐれにいなくなることもしょっちゅうだから、あまり心配はしていないけれど、小さな小さな不安が、心の底の方で澱んでいる。  次に、もう一人の番号にかけると、こちらはすぐに出た。 『……!』 「ああ。久しぶり。明日、うちの学校まで来れる?」 『……!……♪』 「じゃあ、よろしく」 『……っ!』  相手の言葉が途中でもお構いなしに、通話を終わらせる。そして、スマホをポケットに戻しながら、口角を上げて微笑む。 「さて、どうしようかな」  そこには、意地の悪い笑顔が浮かんでいた。

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