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7.邪魔者はとことん邪魔をする(24)

 女は、明らかに嫌そうな顔をしてたけれど、俺だって引けない。要に、俺の気持ちが通じたのか、 「……鴻上さんが一緒じゃないなら、俺も送れません」  弱弱しいながらも反撃してくれた。おかげで一緒に歩くはめになったけれど、二人きりにさせるなんて、目の前にいるのに、そんなことはできない。おかげで、嫌そうな顔をし続けている女。  つい、イライラしながら何度も見てしまうのは、また要に触れたりしそうだから。俺の不機嫌さを感じ取ったのか、女の家に着くまで、何事もなくすんだのは、よかったのだけれど。 「じゃ、また明日!」 「え、えーーーっ?」  要がかなり引いているのも気にせずに、明日の約束までして家に入ってった。  ……なんなんだよ、あの女。  俺の不機嫌な気持ちが出すぎていたせいか、要が心配そうに俺の顔を見る。 「し、柊翔さん、大丈夫ですか?」  そんな要の顔を見たら、俺のほうも気持ちが緩んでしまう。  すると、あの女がいなくなって、急に、冷静に考えてしまう。もしかして、本当に要の邪魔をしていたんじゃないか、と怖くなる。要が本当に、あんな女でも好きだと言うのなら。 「……要さ」 「はい?」 「あの子のこと、好きなの?」  さすがに顔を見ながらは聞けなかった。自分の声が、震えているような気がした。 「え、いや、全然、そんな風に思ってないですっ」  はっきりとした否定の声。 「本当です。俺、なんとも思ってませんからっ!」  目の前まで来て、必死に"違う"と言う要を見て、安心してしまう俺。もっと、一緒にいられる時間があればいいのに……。  次の日の朝、要のことが気になって、授業が始まる前に顔を見に行った。 「万が一ってこともあるからさ、裏門から帰ろうか」  佐合さんの声が聞こえてきた。 「い、いや、そこまでやらなくても」  要が慌てながら言うから 「いや、裏門から帰れ。」  そうだ。本当に万が一ってこともある。昨日は佐合さんが機転をきかせて俺を呼んでくれたから、あれ以上被害を受けずにすんだんだ。それに、あんな女が近くにくるなら。俺だって、もう要に遠慮なんてできない。少なくとも、そんな風に、顔を赤くしてる要は、俺のこと、嫌いではないだろ?俺がこんなに近くに寄っても、怖がってさえいないんだもの。 「ち、近いっす!」  "チェッ"  もうちょっと免疫つけさせた方がいいのかもしれない。

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