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8.俺の隣(6)

* * *  午前中の試合が終わり、お昼の休憩時間。  祥吾は、他の部員たちと共に剣道部の応援席に戻り、スポーツバックの中から、会場に来る途中で買ったオニギリを取り出した。視界の中に、柊翔と要が楽し気に話している姿が入ってくる。仲良く話している姿に、なぜだか今までにない違和感を感じるけど、それが何なのか。  いつにも増して、楽し気で腹が立つ。  仲間たちの言葉を、軽くかわしながら、スポーツバックの中のスマホを手に取った。百合からのメッセージが届いていた。 『なによ。あの子、最近付き合いだした子がいるって』  なんだって?  その言葉に一瞬身体が固まった。祥吾の中の要に関する情報では、友達はいても彼女らしき姿はない。今日、一緒に来ている子だって、もう一人の男の彼女らしいし。他には思い浮かばない。  そして、再び、二人の姿を見る。  柊翔が要を見る目。  要が柊翔を見る目。  微笑み合う二人。  ……まさか。感じていた違和感は……そういうことなのか? 「アハハハハハ」 「エヘヘ」  二人の楽し気な笑い声が、祥吾の理性の糸を弾けさせた。

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