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第17話 Birthday

2月1日の康太の誕生日は飛鳥井の家族や榊原の家族が集まり盛大に行われた デッカいケーキを前にして康太は嬉しそうに笑った 誕生日を祝いたいと戸浪や三木、善之介や安曇が申し出たが…… 康太は家族で祝うから……当日の申し出を全部断った 康太の身躯は、ほぼ元に戻った 定期的な検査を欠かずメンテナンスを怠らねば現状維持は出来ると言われた 真贋の仕事も、月に1つずつだが再開した 大学は……留年決定した 大学1年をもう一度やり直す 榊原も聡一郎も一生も慎一も……隼人も留年決定だった ついてに兵藤も。 兵藤は康太の誕生日には返して貰う約束だった が………榊原が堂嶋からの連絡も面会も一切拒絶したから、保留になっていた 堂嶋は榊原に謝罪した ………が、榊原は受け付けなかった 愛する者を愚弄されて……怒るのは当然だから…… 堂嶋は敢えて受け止めた だが、康太と切れて生きて行く気はなかった あの後…… 堂嶋は犯人の部屋を捜査官と共に入った 部屋の中は幸哉の写真で溢れかえっていた PCの中は幸哉の行動が逐一書いてあった 康太のバスでの台詞を思い出し堂嶋は身震いをした 『生きてればとことん着き纏うぜ! それこそ幸哉に安住の地はなくなる 二階堂が前回の事件も手を回した 精神障害者と言う事で無罪だ 今回もその手を使われたら……罪には問えねぇぜ? そしたら幸哉を殺すまで執着するぜ! 捜査官に話してあるから、アイツの部屋を見せて貰うと良い 見ても同じ台詞が吐けるなら……オレは何も言わねぇ』 康太には……この部屋が見えていたのか? 堂嶋は……無罪放免になった時の恐怖に…… 身を震わせた 病院に戻った堂嶋の前に一生と慎一と兵藤が現れた 康太の姿はなかった…… その代わり見た事もない……キツい瞳をした猛者が立っていた 「我の名は弥勒高徳!」 弥勒は、敢えて名を名乗った 堂嶋は初めて声だけの主と対面を果たした 弥勒は堂嶋の前に立つなり 「殴らせろ!」と言った 堂嶋は「……覚悟している」と冷静に受け止めた 弥勒は思い切り堂嶋を殴った! 堂嶋の身躯が吹き飛び壁に叩きつけられる程に… その威力はあった 兵藤と慎一は殴るチャンスを失った 堂嶋は立ち上がると唇の血を拭い 「康太に悪かったと伝えて下さい…」と一礼した 「本人に言いやがれ!」 弥勒が言うと堂嶋は 「多分……逢わせては貰えないから……」 と言った 一生は「我らは康太を愚弄する奴は絶対に許さねぇ!」と堂嶋を睨み付けた 兵藤も「貴方は榊原伊織を怒らせた……彼の愛する者を傷付けた……アイツは甘い男ではない!」と言い放った 慎一は「我が主はまだ無理の出来ない身躯なのに…総てを掛けて幸哉を、助けた…… なのに……あまりにも報われない……殴れないのが口惜しいです!」と想いを告げた 弥勒は「康太の仕事はまだ完遂してねぇからな、最期まで完遂させてやる為に俺は本体で来てやった! 堂嶋正直!正義の前に姿を現しやがれ!」と言い 呪文を唱えて霊体の堂嶋正直を具現化した 堂嶋正義の前に……死した父親が姿を現した 『……正義、私は御前にとって良き父ではなかったな……許しておくれ……』 堂嶋は父親を初めて……正面から見た 「親父……」 瞳から涙が溢れて出て来て止まらなかった 「なんで死んだんだよ親父!」 『……御前たちを護る為…そうするしか出来なかった 飛鳥井家真贋に御前たちを頼んだ…… 彼は引き受けてくれた……そして私を黄泉へと送ってくれた 今度は……今生の別れを言わせて貰う事となった 幸哉を付け狙ってた輩は死んだ…… 真贋が無間地獄へ堕とすと約束してくれた 私は復讐を果たす為に……来たのに…… 真贋はそんな奴の為に身を落とすな……と、仰って下さった 私はこのまま輪廻の輪に入る……転生する事に決めたよ 今度生まれ変われるなら……私は負けない精神を貫きたい 御前は負けるな……正義を貫いて……父さんの果たせなかった社会を築いてくれ……』 「…親父……未練はねぇのかよ? 二階堂隆光は俺が撃ち取ってやるからな……」 『正義、それはしなくて良い 真贋が滅びの序章を二階堂隆光に放って下さった 二階堂隆光は放っておいても滅びる定め お前が手を下す必要はない そして今回は犯人の部屋から二階堂隆光からの依頼が出て来る 幸哉のDNAと二階堂隆光のDNAは採取されている これ以上幸哉に手を出すなら容赦しない!と真贋が警告されている 御前は政治生命を掛けて聖域で闘えと言うと真贋の配慮だ…』 堂嶋は泣いていた 取り返しの付かない想いに泣いていた 無償の愛を貰った 無償の愛で支えられて… 今の自分がある 忘れた訳じゃない だが目の前で人が殺されて…… 闇から闇に葬られてしまう現状に…… 常軌を逸脱した現状に…… 恐怖を覚えた だが、犯人の部屋を見せられたらなら…… 自分は……殺していたかも知れない 死んでくれて……良かった……と心底思った 康太に謝罪しようとしたが…… 榊原が一切受け付けなかった 当然と言えば当然の事だった 榊原伊織の愛する者を愚弄したも同然だったのだから…… 康太はニコニコ笑ってケーキを食べていた ケーキを食べない榊原の分も食べて幸せだった 康太は榊原を抱き締めた 「そろそろ許してやれよ」 何を許すか言わずに康太は、そう言った 「………では、そろそろ許します 君の誕生日ですからね、君の言う事は総て聞いてあげます」 「オレはお前がいてくれれば、何をなくそうと構わねぇんだ」 「僕は愛する君を護りたいのです」 「守られてねぇかよ? 愛されて守られてねぇか?」 「まだ足りません!」 榊原が言うと康太は笑った 玄関の呼び鈴が鳴り響き慎一はカメラを作動した すると……そこには見知った顔が……並んでいた 「今宵は家族と過ごすと申した筈ですが…」 「………最近また誰にも逢われないじゃないですか? 伊織に至っては……電話を繋がない…… 心配になるのは当たり前じゃかいですか?」 「暫くお待ち下さい」 慎一は康太に 「お会いしたいとお見えの方々が来てます どうなさいますか?」 と尋ねた 「リビングに通せよ いきなり応接室だと、家族が困るかんな」 慎一は「今から迎えに行きます」と言い飛鳥井の家から出て迎えに行った 康太は榊原に跨がって甘ったるい口で口吻た 「君のお口美味しいです」 「全部伊織のだかんな!」 康太は笑って榊原の首に腕を回した 慎一はリビングに皆を通した そしてお茶を煎れに向かった お茶を煎れて茶菓子と共に皆の前に置く 聡一郎も手伝って慎一と共々甲斐甲斐しく準備をした なのに……康太は姿を現さなかった 聡一郎は「今日は榊原の家族も来てます!暫しお待ちを!」と言った 誕生日を家族と祝うから……辞退されたのだ 文句は言えなかった リビングには戸浪、 三木、安曇、相賀、蔵持が座っていた その横に兵藤貴史も座っていた 康太は榊原と共にリビングに入って来て皆を眺めた 「勝也、2人程足らねぇんじゃねぇか?」 と笑った 「………堂嶋は貴方を怒らせたとか?」 と安曇は康太に問い掛けた 「オレじゃねぇよ、伊織を怒らせたんだよ 伊織の総てはオレだかんな、オレを否定すると言う事は伊織の総てを否定してるんだ…で、怒っていた」 康太は榊原に抱き締められ、そう答えた 榊原は康太を誰にも触らせる気はなかった キツい瞳をして威嚇しているかの様に……容赦のない顔付きをしていた 榊原伊織を知ってから、初めて見る光景だった 兵藤は「……伊織……」と声を掛けた するとキツい瞳が兵藤を射抜いた 「何ですか貴史?」 四神の頭として先頭を走る青龍は常に容赦のない瞳をしていた まるで、その頃に戻った様な瞳だった 兵藤は言葉を失った 「勝也、車の中にいるんだろ?正義と幸哉が?」 「………ええ。おります……ですが自分は来る資格はないと……車の中にいます」 「連れて来いよ勝也!」 「え?……宜しいのですか?」 「慎一、迎えに行って連れて来いよ」 康太は慎一に声を掛けた 慎一は何も言わずリビングを出て行った 「伊織、威嚇するな」 「してません……」 「………顔が怖いぞ?」 「元々です!」 康太はため息を着いた 「………伊織……眼の色が変わって来てる…」 金色に近い瞳に変わりつつあった 「抑えられないのです……」 「愛してるから……優しい伊織になれ」 「君はそれが所望ですか?」 「あぁ。」 「解りました。君の愛する僕になります」 榊原は威嚇した態度を軟化した ニコニコ優しげな笑顔を浮かべ康太を抱き締めた 戸浪達は言葉もなかった…… 温厚な榊原しか知らなかったから…… 獰猛な姿など……想像もつかなった 「伊織、食って良いか?」 康太は茶菓子のマカロン見て、食べたそうだった 「良いですよ、紅茶も良い具合に冷めました」 康太がマカロンに食い付いてると慎一が戻って来た 康太は口にマカロンを頬張っていた その顔で慎一達を見たから…… 慎一は苦笑した 「足りませんか?」 榊原のマカロンまで食べて……いた 「おう!慎一、オレのケーキを持って来てくれ」 慎一は堂嶋と幸哉のコートを受け取るとコート掛けに掛けてリビングを出て行った 暫くするとケーキを持って慎一は現れた 「また食べ過ぎないで下さいよ」 慎一は釘を刺してケーキを置いた 「まだ沢庵も食わしてくんないのに……」 康太はちびちびとケーキを食べ始めた 「で、強行突破してまで来た理由は? あんだよ?」 康太は戸浪に声を掛けた 「………最近は全く逢って下さいません…… 差し入れも止められました…… 伊織に至っては……誰の連絡も受け付けません… 君の誕生日で必ず家にいる日を狙うしかなかったのです……」 「オレは正月早々入院したからな…… 退院してからも動きはセーブしていた  伊織はオレを動かせたくなかった それだけだ……」 「………入院中……一度も面会は出来ませんでした」 安曇は悔しそうにそう言った 「入院中は低体温療法をやってたからな、家族でさえも面会は出来なかった おめぇらだけ面会を拒否していた訳じゃねぇ!」 「ならば此処最近は? 全く逢って貰えない‥‥電話すら繋いで貰えないじゃないですか‥‥」 「伊織は総てを拒絶したからな…… 榊原伊織と言う男は静かに怒るんだ」 「………伊織が怒ると……康太にも逢えないと言う訳ですか?」 三木が訪ねると康太は頷いた 「オレは伊織がする事を受け入れる 伊織が廻りを拒絶するならオレはそれを受け入れる」 康太はそう言い笑った 「総てはオレの為に生きている男だ 愛しい男を泣かせてまで、オレは動く気はねぇんだよ! 幾らお前達に恨まれ様ともな! オレは伊織が認めねぇ事は一切する気はねぇんだよ!」 そこまで言われれば……黙るしかなかった 康太と榊原の横には番犬が人を寄せ近付けなく構えていた 近付けば間違いなく排除される 緑川一生と慎一は康太以外は容赦のない存在なのだから… そして冷静な瞳で伺ってる四宮聡一郎も康太が望まねば……動かない男だった 鉄壁の壁が阻めば……康太に逢うのは難しくなる 部屋に力哉が姿を現した そして静かにソファーに座った 「でもなオレの伊織も許してくれたしな、こうして皆の前に顔を出した」 「………なら逢って下さるのですか?」 戸浪が康太に問い掛けた 「だから力哉が座ってる」 康太は人懐っこい顔をして笑った 皆は安堵の息を吐いた 「若旦那、お久し振りです 新年にお逢いしたなりですね 善之介、勝也、繁雄、待たせたな!」 三木は康太に抱き着いた 戸浪も安曇も善之介も康太の傍へと行った 榊原は席を譲った 堂嶋は榊原に詫びを入れた 「本当に済まなかった」 深々と頭を下げる堂嶋を榊原は止めた 「お止め下さい! 康太が許したのですから貴方は此処にいるのです 僕はもう何も言う気はありません ですので謝罪は不要です!」 そう言われれば……堂嶋は何も言えなくなった 「弥勒に殴られたのでしょ?」 「………ええ。吹っ飛びました…」 「本体でしたからね当然ですね  でもそれで済んだのですから…康太が怖かったのですね」 榊原はそう言い嗤った 「弥勒は師範代です まともに殴られれば、吹っ飛ぶだけでは済みません 即死は免れませんよ? 弥勒に殴られたのでしたら、僕は何も言う事はないです」 甘い男ではない 榊原伊織と言う男は…… 寡黙で切れ者で……誰よりも飛鳥井康太を愛していた 他はどうでも良い……その言葉の通り 康太に牙を剥けば……喉元噛み切られるだろう 榊原は静かに座っていた 康太だけを視界に収めて座っていた 戸浪は康太に「もう身躯は大丈夫なのですか?」と問い掛けられた 「安定したな、力を使えば寿命は確実に削られるけど…… それが飛鳥井家真贋でいる以上は仕方がねぇな」 康太はそう言い笑った 康太は幸哉を見た 「身躯の傷は癒えたのかよ?幸哉」 呼ばれて幸哉は康太に近寄った 「………康太君……ゴメンね……」 「謝らなくて良い!」 康太は幸哉の頭を撫でた 「気にすんな」 「でも……」 「笑ってろよ幸哉! んな辛気臭い顔してんじゃねぇよ」 康太はそう言い立ち上がった 「オレの誕生日だかんな 祝ってる最中なんだよ!来いよ皆」 康太はそう言いリビングのドアを開けた 慎一が皆を応接室の方へ案内した 康太は三木に手を伸ばした 三木は康太を抱き上げた 「繁雄、二階堂隆光は次の政局から脱落する 与謝野も頭打ちだ……混乱は否めねぇぞ」 と三木の耳で囁いた 三木は康太を見た 「………かなり荒れますか?」 「だな……より強い指揮者を観衆は求めるかんな 庶民目線も良いが……リーダーシップを発揮しねぇと置いてかれる事となる」 「………それを私に求めますか?」 「おめぇが政局の中央にいねぇと……意味がねぇかんな……」 「本当に厳しい闘いになるのは肌身に感じています」 「温厚路線を返上しろよ 温厚路線な三木繁雄は返上して責めてけ」 「………無理難題……言ってます?」 三木はトホホな顔で康太を見た 「近いうちに樋口陵介に連絡を取れ より詳しいデーターを見ねぇと何とも言えねぇだろ?」 「………康太……落選したら飛鳥井で使って下さいね……」 「………顧問弁護士はいるもんな…」 「………康太……」 「今から落ちる算段かよ? んとに繁雄は変わってねぇな!」 戸浪達が応接室に行っても、三木は康太を抱き上げたまま動けなかった 「繁雄、応接室に行けよ…」 「………康太…落選しても捨てないで下さいね……」 「おい!……敦夫が怒るぞ……」 「………親父殿には太刀打ち出来ませんよ 二世議員の悲しさですね…… 何処まで行っても……親父の背中は越せない…」 「んとによぉ!あんで、そんなに弱気なんだよ」 「………旅に出たい気分です……」 三木は康太を抱き締めた弱音を吐いた 中々応接室に来ない康太に焦れて榊原が康太を迎えに来た 「康太、何がありました?」 「伊織……繁雄が……落ち込んでる」 「……え?何でですか?」 康太は選挙の情勢を伝えて三木が落ち込んだ……と伝えた 「三木、君のフォローには僕が直属でなります! 落選なんてとんでもない!! 何が何でも当選しかないです!解ってますね!」 「……伊織……」 三木は情けなく榊原を呼んだ 「ほらほら、応接室に行きますよ」 榊原は康太を抱き上げ、応接室へと向かった 安曇は康太に「何か有りましたか?」と問い掛けた 「少し繁雄を虐めたら……落ち込んで旅に出るとか言い出したんだよ」 康太が苦笑すると一生が 「康太の三木虐めは今に始まってないんで……」と言葉を濁した 「康太……京都は梅が咲く頃ですかね……」 三木は呟いた 「おい!繁雄消えんなよ! それでなくても飛鳥井には桜の季節になると消える奴がいるんだからよぉ!」 康太が言うと……一生はバツの悪い顔をした 「一生、二人で旅に出ますか?」 「俺は今年は横浜にいるんだよ! 二年連続して消えたからな……肩身が狭いだろうが…三年連続は……避けてぇんだよ!」 一生が吠えると笙は笑った 「一生、今年は北海道までの大移動は避けたいです!」 「消えねぇし!三木諦めてくれ!」 はぁ……三木は肩を落とした 安曇は「繁雄は如何したのですか?」と尋ねた 「次の選挙は相当腹を括らねぇと生き残れねぇぞと言ったんだよ 庶民的目線も必要だけどな、より強いリーダーシップを求められてるんだ今の世情は! だから攻めて行けと言ったら……旅に出たくなったらしい……」 康太が言うと安曇も 「次の選挙は本当に厳しい選挙です! 政局がどっちに傾くか想像も付きませんからね……」 と零した 「……勝也……御前まで言うなよ……」 「本当に厳しいんですよ康太……」 「だな、甘くはないな!」 康太が呟くと三木が叫んだ 「解りました!康太! 玉砕覚悟で頑張りますとも!」 三木はお酒をグビグビ飲み始めた 「……あ~あ……明日は二日酔いだな」 戸浪は堂嶋に酌をした 「君も飲みなさい! ほら幸哉も飲みなさい」 幸哉も酌をされチビチビ飲み始めた 清四郎は笑いながら見守っていた 飛鳥井の家族も、何も言わず酒を交わし夜明けまで飲み明かした 康太は日付が変わる前に自室に消えた 寝室に向かうと榊原はサクサク服を脱ぎ捨てた 「………伊織……」 「待ってて下さい」 榊原は全裸になると引き出しからリボンを取り出した リボンを取り出すと榊原は……… なんと……勃起した性器にリボンを巻き付けた 「康太、君にあげます! 美味しく食べて下さいね!」 赤黒い肉棒にピンクの可愛いリボンが巻かれていた 「食べて良いですよ」 ほれほれ!と榊原は肉棒を見せ付けた 康太は苦笑して 「こんなに可愛いんだから写真を1枚……」 と言い…… 「それは辞めて下さい……早く君のお口で食べて下さい……」と訴えた 康太は榊原の亀頭にキスを落とすと 頬を擦り寄せた 「オレだけのだかんな」 「ええ!君だけのです!」 康太は口に咥えて舐めた ペロペロと肉棒を舐めて亀頭を甘嚙みした 陰嚢をやんわり揉んで榊原の身躯を指が這った 榊原の乳首を触ると榊原は喘いだ 「……ぁ……康太駄目です……」 「あんでだよ?」 「Yシャツに擦れると……君が欲しくなってしまいます……」 「だろ?だから伊織も舐めるの禁止な」 康太はそう言い笑った 榊原は康太の笑顔を見ただけで………イッてしまった…… 康太は顔に榊原の白濁を付けて唖然としていた 「……伊織……」 決定的な刺激を与えてないのに…… 「………君の笑顔にやられました…… 君の全部を愛して止まないのです……許しなさい」 「許してやるけどさ、オレが笑うたびにイッてたら挿れる前に尽きるぜ?」 康太は榊原の亀頭のお口に舌を挿し入れ吸った イッて直ぐにそれをやられると……再びイキそうになる 榊原は康太を離した 榊原は精液で濡れたリボンを外した そして康太の性器にピンクのリボンを結んだ 「……ちょっ……あんでオレだよ?」 「君は直ぐにイッてしまうでしょ?」 「………嫌だ……取って……」 榊原は康太を押し倒すと乳首に吸い付いた 「嫌です……それより君を食べさせて…」 榊原は康太の乳首を吸って摘まんで味わった そして舌は康太のヘソへ下りてゆき…… 草むらに聳え立つ小さな可愛い存在に辿り着いた 可愛いリボンを付けて康太の性器は勃っていた 榊原はそれを口に含んで舐めあげた そして指は康太のお尻の穴に潜り込んだ 康太の性器をフェラしながらお尻の穴を解す 堰き止められた康太の性器からは…… チヨロチョロと愛液が溢れて出ていた 「……伊織……同時は嫌……あぁん…ダメっ…」 「なら後ろのお口に専念します」 榊原は康太をひっくり返すとお尻を抱えた 榊原の舌が康太の蕾の皺を舐めて解していた 指を挿し込むと康太の下のお口は歓喜して呑み込んで行く 「……伊織……来いよ……誕生日のオレをお前で一杯にしろよ……」 挑発的な瞳で射抜かれる 康太しか言わない台詞だった 榊原は康太を起こすと膝の上に乗せた 「僕がお尻を開いててあげます 君は下のお口で食べ尽くして良いですよ」 榊原は康太のお尻を左右に開いた 「そのまま……腰を下ろして……」 康太は榊原の誘導するまま……腰を下ろした お尻の穴に榊原の熱く滾る亀頭が触れた それをパクパクと食べる様に呑み込んでゆく 「伊織……あぁん……無理っ……」 エラを飲み込んだ辺りで康太は弱音を吐いた 物凄い快感に襲われ……身動き取れなくなった 榊原は康太の腰を引き寄せた それで奥まで一気に貫く事となった 「痛くないですか?」 「動いて…伊織……はぁん……早くぅ……」 康太が腰を揺らす 榊原は余裕でそれを過ごして康太任せにしていた 「……伊織……」 康太の唇が榊原を貪る 榊原は焦らす様にゆっくりと腰を使った 康太が仰け反ると…… その首筋に……吸い付いて跡を付けた 康太は決定的な快感を求めた だが榊原は味わう様にゆっくり腰を動かすだけで… 焦れったくて腰が動いた 「伊織…動いて…ゃあん……早くぅ……」 「君が動いて好きに食べて良いですよ?」 康太は涙で潤んだ瞳を榊原に向けた 「……伊織……オレを好きに食べて……」 「では戴きます!」 榊原は康太の腰を引き寄せると奥まで貫いた そして激しく腰を使った 康太の体内を榊原の肉棒が腸壁を掻き分けて掻き回す 欲しかった快感が康太を襲う 康太は榊原に縋り付き……榊原の腹に射精した 榊原も康太の奥深くに精液を飛ばした 体内に熱い飛沫を感じて康太は震えた 終わらない熱に魘されて求め合う 欲望の総てを康太の中に注ぎ込むまで…… 榊原は康太を抱いた 途中で康太は気を失った それでも止まれなくて榊原は康太を抱き続けた 総てを康太の中に吐き出す 康太はそれを意識をなくしても受け止め愛した 榊原は康太を強く抱き締めた 康太の体内の精液を掻き出し、榊原は康太を上に乗せて抱き締めた ドックン……ドックン……と康太の鼓動が伝わる 愛する者の生きている証 それだけで榊原は泣きたくなる 康太が生きて榊原に笑いかけてくれれば……生きてゆける こんなに愛せる存在はいない 幾度転生しようとも……青龍は炎帝を愛した この先も愛してゆく 炎帝しか愛せない…… 愛してる…… そんな言葉じゃ足らない でも言葉にするなら…… 愛してる……しか言い表せない 「………炎帝………愛してます……」 榊原はそう言い康太の額に口吻た 愛する人はこの世で唯一人 失えば生きてはゆけない 共に…… 君の魂の尽きる瞬間まで…… 榊原は想いを込めて康太を抱き締めた 康太…… 康太…… 榊原は康太の匂いに包まれて眠りに落ちた

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