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第57話 多忙すれ違い

飛鳥井建設の新社屋が完成した 竣工式を開く為、瑛太と榊原は連日激務を送っていた 寝る間も惜しんで、竣工式の打ち合わせをする 根回しと調整、榊原は瑛太と共に休日返上で働いていた 康太はそんな榊原を危惧していた 2人で過ごす時間が欲しいと言っていたのは…… 榊原なのに… 康太と過ごす時間すらなくなっていた…… 康太は何も言わなかった 新社屋の引っ越しも控えていた 康太は一人で車で出かけて行く事が多くなった 付き添うと何度言っても……康太は一人で出かけて行っていた 聡一郎は康太が心配だった 一生や慎一も康太が心配していた 康太が出掛けて行こうとすると、一生が車に乗り込んだ 「あんだよ?一生?」 「おめぇが連日何処かへ行くからだろ?」 「オレか?オレは菩提寺に行ってるんだよ」 「何で菩提寺?」 「源右衛門の百か日法要の準備の為にだ」 「旦那は知ってるのかよ?」 「……顔……最近見てねぇからな……知らねぇだろ?」 「……帰って来ないのかよ?」 「会社に寝泊まりしてる 着替えを会社に持って行ってる」 「………旦那……らしくねぇな…」 「……仕方ねぇよ… 飛鳥井建設の新社屋が完成したからな 竣工式や新社屋完成披露パーティーも控えて瑛兄だけじゃ……手が足らねぇからな」 「………そうか……」 「百か日法要はまだ早ぇけどな法要の前に供養を行うから…… 百か日法要まで供養をして当日を迎える 城之内と打ち合わせもあるかんな……」 「なら俺が手伝う!」 「……一生……」 「旦那が忙しいなら、俺が付き添う お前一人で動かす気はねぇから!」 「……じぃちゃんが逝って……もうじき2カ月だ……」 無駄に……時間の流れは早かった…… 「康太…最近……食ってるのかよ?」 「………食ってるぜ…」 「………おめぇから離れる気は皆無だから…… おめぇから目を離したくねぇんだよ!」 「……気にしすぎた一生」 「気にするな康太」 康太は笑って運転した 飛鳥井の菩提寺へと向かい、百か日法要の案内を手書きで用意する 手間と時間を要する事を康太は通って片付けていたのだった 榊原に逢えない時間を…… 仕事を作って気を紛らしていた 一生はそれが解るから……胸が痛かった 榊原は仕事の合間に……窓の外を見ていた 康太と約束した花火大会は間近に迫っていた 飛鳥井建設の新社屋への引っ越しも…… 間近に迫っていた 新社屋完成披露パーティーの案内状を発送して 緻密なスケジュールを調整する 新社屋へと向かい、パーティーの準備をする 瑛太と清隆だけでは……手が回らない部分はフォローして調整をせねばらなかった 家に帰る暇に仕事をせねば……ならない状態だった 康太にメールを送る暇もなかった 「康太……君に逢いたいです……」 抱き締めて……全身にキスを落として……味わいたい そう考えるだけで……股間がズンッと熱くなった 康太不足だった たが失敗出来ない…… 逢いたい…… 逢いたいです……康太…… 康太は榊原が忙しくなって…… 会社に出勤しなくなっていた 真贋の部屋を覗いても……康太は出勤している気配はなかった 榊原は仕事を早めに切り上げて……康太の傍に行きたかった…… 仕事が手につかない…… 榊原は副社長室から……飛び出した 康太……君を蔑ろにして……続けるべきではなかった 限界だった 榊原は康太に電話を入れた だが康太は出なかった 慎一に電話を入れると直ぐに出た 「慎一、康太は何処にいますか?」 『康太は菩提寺に行ってます』 「………菩提寺?」 『源右衛門の百か日法要の調整の為に行ってます』 「一人?」 『一生が付いて行ってます』 「解りました、一生に連絡を取ります」 榊原は電話を切ると一生に電話を入れた 『旦那、どうしたよ?』 「康太と一緒ですか?」 『おう!康太は菩提寺に来てる』 「今から行きます」 榊原はそう言い電話を切った 電話を切ると車を走らせた 飛鳥井の菩提寺に到着すると、康太の車が停まっていた 榊原は康太の車の横に車を停めた そして菩提寺の中へと入って行った 寺の住職に康太の居場所を聞いて、そこへと向かう ドアをノックすると、一生がドアを開けてくれた 「康太…」 榊原は康太の名を呼んだ だが康太は聞こえないのか……黙々と文字を書いていた 墨をすって、百か日法要の案内を送付する宛名を書いていた 康太らしい文字で宛名を黙々と書いていた 「………康太……」 今度は傍で呼んでみた だが………康太は榊原の方を見なかった 榊原は康太が筆を置くのを待った 筆を置いた瞬間… 榊原は康太の腕を掴んで……立ち上がらせた そして一生に 「一生、康太の車は君が飛鳥井まで乗って行って下さい」 と頼んだ 「………旦那……無理強いは……」 「………このまま康太を一人にしてると…… 僕の存在すら……忘れられそうです……」 榊原はそう言い康太の腕を掴んで部屋を後にした 駐車場へと向かう間も、榊原は康太の腕を掴んで離さなかった 「……痛い……離せ……」 康太は文句を言ったが……榊原は聞き入れなかった ベンツの助手席のドアを開けると、康太を乗せた そしてドアを閉めて、運転席に乗り込んだ 康太は何も言わなかった 榊原は身近にあった東急ホテルへと車を停めた そして康太の手を掴んだまま……ホテルへと入って行った 部屋を取り、康太を促してエレベーターに乗り込む 康太を掴む榊原は……力を緩める気配はなかった 部屋のドアを開け、康太を部屋に入れて…… 榊原は鍵を掛けた 「何で……何も言ってくれないんですか?」 榊原は康太を抱き上げると寝室へと向かった 大きなベッドの上に康太を寝かせると…… 榊原は康太に重なった 執拗な接吻を送り……康太の体躯を弄った 康太はそっぽを向いていた 「……康太……?」 「………抱けよ? 欲求不満なんだろ? なら解消して行けばいい……」 榊原は康太を離した 康太に背を向け…… ベッドの端に座り……顔を覆った 「………ごめん……康太……」 想いだけ先走りして……康太を求めた 康太の心を無視して…… 体躯を求めた 康太が拒絶しても……当然だった 康太を放っておいたのは榊原なのだから…… 忙しさにかまけて……… 康太を一人にした 悪いのは自分だった 急に……菩提寺に現れて…… 急に……ホテルへと連れて来られた…… 性急に求められて…… 欲求不満の解消みたいに感じて…… 悲しくなった 拒むつもりなんかない 愛する男に求められれば……… いつでも応えるつもりだった だが……心が付いて行かなかった 榊原は背を向けた…… 飽きられたのか? 康太は不安になって… 康太は榊原の背に……触れた 「触らないで下さい!」 榊原は康太の手を払い除けた 何で…… 康太は泣き出した 拒まずに…… 何時でも……何処でも…… 応えれば良かったのか? …………伊織…… 「………なら……何でオレを連れて来たんだよ……」 康太の嗚咽交じりの声が響いた 触るな……と拒絶するなら……何で…… 榊原は顔を覆った 「………康太に逢いたくて……堪らなかった 欲求不満の解消の為じゃありません…… 君を抱きたかったのは……確かです…… でも……君の心が……僕を拒むなら……僕は君を抱けません…… 僕に触れたら……止まれなくなります…… ですから……触らないで下さい……」 榊原の肩が………苦しそうに震えていた 康太は服を脱いだ そして榊原の背中に顔を埋めた…… 「……康太……」 「……心だけ置き去りにされて抱かれるのは嫌だ… 愛してるも言わないのに……欲求不満の解消見たいに扱われるのは……嫌だったんだ…」 「………忙し過ぎて……君を寂しがらせていました… でも……君の護るべき会社の竣工式や完成披露パーティーです……失敗は出来ませんでした……」 康太の護るべき会社だから…… 榊原は寝る間も惜しんで仕事をしていたと言うのか…… 康太は嬉しくなって……榊原の体躯に抱き着いた 背後から榊原を抱き締めて…… 康太は榊原のYシャツのボタンを外した 「………伊織……ネクタイ……」 「……え?」 「外して……」 榊原は康太に言われるままにネクタイを外した 「………カフス……」 袖のカフスを外せと……言われ、カフスを外した 榊原はカフスをスーツの上着のポケットに忍ばせた 康太は榊原のYシャツとスーツの上着を……肩から落とした 露わになった榊原の背中に……康太は口吻を落とした 康太はスーツの上着とYシャツを榊原に渡した 「伊織……ソファーに掛けておけよ…」 「………康太……」 康太は榊原の背中を舐めて……指は榊原の胸に這わせた 榊原の胸を触り……指は下へと下りていく 割れた腹筋を触り………ズボンのベルトを外した 「……伊織……前を寛げて……」 「………え?……」 「……早く……」 康太に強請られて……榊原は前を寛げた…… すると康太の指は、榊原の下着の中へと滑り込んだ そこは……熱く滾って聳え立っていた 康太は亀頭の割れ目を擦り付ける様に触った 「………康太……触らないで……」 榊原の拒絶にあい、康太は傷付いた瞳を榊原に向けた 「オレに触られるの嫌なのかよ?」 「…………違います…… ………そんな風に触られたら………抱いてしまいますよ?君を……」 「………抱けよ……オレはお前のもんじゃねぇかよ!」 「………嫌だったんでしょ?」 「………有無を言わせずに……連れ込まれて押し倒されたら……心だけ置き去りになる…… オレはお前を愛してる……だから体躯だけ求められたくねぇんだよ…… 愛してるって言って……ねぇ……オレが欲しいって言って…… オレだけを欲しいって言って……」 榊原は背後から回された康太の手を握り締めた 「僕は君しか愛せません…… 飛鳥井康太しか愛せません 炎帝しか愛せません……だから君が欲しい 君が欲しくて……不足してました だから有無を言わせずに………連れて来てしまいました… 体躯だけじゃ……僕も嫌です 愛してる……って言って僕の背中を抱き締めてくれる君でなきゃ……」 「……伊織……オレも……伊織不足だった…… ねぇ……オレが欲しいなら……抱き締めて…」 榊原は康太の方へ振り返った …………すると康太は……全裸だった 榊原は全裸の康太を眩しそうに見て……… そっと触れた 頬に榊原の優しい手を感じた 康太は榊原の手に擦り寄った 「伊織……全部……お前のモノだ……」 「………良いんですか……」 「……オレを愛してくれるなら……」 「愛してます……愛してます康太……」 「………オレを愛して伊織…… 体躯だけじゃなく……全部…」 「………君に触れたかったんです…… 体躯だけじゃ……僕も嫌です 君がそっぽを向いた時……嫌われたのかと想いました 君に嫌われたら……僕は生きてる意味がありません…」 「……伊織……ごめん……」 「…僕が君を放ったらかしにし過ぎていたのです… 謝るのは僕の方です……康太……許して…… 僕を許してください……」 康太は榊原に口吻た 「許してるから……こうして抱き合ってるんだろ? お前の熱……久しぶり過ぎて……イキそうだ……」 「……僕も……イキそうです 康太不足でした……康太……康太……」 榊原は執拗な接吻を康太にした 貪り尽くし榊原のモノになる もう全部……榊原のモノなのに…… 榊原と康太は何も言わず…… 黙って抱き合っていた それじゃ足らなくなるまで…… 互いを埋めるかの様に抱き合っていた そして熱に犯される… 欲しいという要望に飲まれ……互いを求める 榊原は康太に執拗な接吻を送りつつ…… 康太の体躯を弄った 立ち上がった乳首を摘まむと……康太の体躯は跳ね上がった 「……んっ……ん……ぁ……」 執拗な接吻の合間に……康太の喘ぎが漏れた そんな声にそそられて……股間は先走りで濡らし…… 大きくなっていた 唇を離すと、榊原は愛撫を再開した 康太の体躯を余す所なく舐めて…味わった 足の指を一本ずつ咥えて舐めあげた 「……伊織……汚いってば……」 「僕が洗わなくても……お風呂には入っていたんでしょ?」 「…………シャワーは浴びた…」 「体躯は洗わなかったの?」 「……シャワーは浴びた…」 「………解りました……君を後でピカピカに洗い上げてあげます」 榊原は笑って康太の足の指を一本ずつ舐めていた 「だから……汚いってば……」 「僕は気になりません……」 「……オレは気にする…… 伊織に愛されるって解ってたら……綺麗に洗って来た……」 康太の想いが嬉しかった 「僕は君が1ヶ月お風呂に入ってなくとも愛せますと言いませんだか?」 「………伊織に愛されるオレは……綺麗でいたい… 「……シャワーを浴びただけですか?」 康太はコクっと頷いた 「後で磨いてあげますから…今は僕の好きにさせて……」 「……うん……でも汚いかも…」 「気にしません……康太……触らせて……」 「……何処を……?」 榊原は康太のお尻を掴むと……左右に開いた そして硬く慎み深く閉じてる蕾に触れた 「………硬くなってますね…」 「……すぐに伊織を想い出す……ぁん…あぁっ…」 お尻の穴に指を挿し込まれ……康太は喘いだ 榊原はペロペロと舐めて硬い蕾を解した 指と舌で康太の蕾を柔らかく溶かそうとしていた 「……あぁっ……伊織……もっと奥……」 榊原の指を咥えて触りやすい様に腰を突き出して誘う 榊原は康太の色香にクラクラだった 奥まで指を挿し込み掻き回す すると康太は仰け反った 「……ダメ……もっと奥ぅ……」 「指では……限界ですよ…」 康太は舌舐めずりしながら……榊原の性器に触れた 「……これで……掻き回して……」 康太はそう言いカリを舐めあげた 皮を向いて榊原の肉棒に唇を這わせた 開ききったカリ首を甘噛みしてイボイボを逆撫でした 榊原の亀頭のお口がギリギリまで開き…… 射精を訴えていた 榊原は康太の腰を引き寄せると… 秘孔に亀頭の先を擦り付けた 少しだけ挿れて……直ぐに抜けて出ていく 康太は出て行く肉棒を締め付け……離さない様に搦め取ろうとするのに…… 榊原は奥まで入ってはくれなかった 「……伊織……焦らすな……」 「君は……僕がいない時間…… 何を想ってました?」 「………伊織は何してるか…… 伊織はご飯ちゃんと食ってるかな? 伊織はオレと離れてる間……何を考えてるんだろ? ……オレの事……考えでくれてるかな? そんな事ばかり……考えるんだよ……」 「僕も……君の事ばかり考えてました…… 今君は何をしてるのか…… 僕のいない時間を……君は僕の事を考えてくれるのか……」 榊原は康太の秘孔に肉棒を埋め込んだ エラの部分が康太を苦しめるの知ってるから…… 執拗な接吻で力が抜けた瞬間に……一気に押し入った そして康太が慣れるのを待つ 「………僕がいなきゃ生きていけないのに…… 何で……君は僕の横にいないのか…… 君が欲しくて……気が狂いそうでした…」 「逢いに行ったんだよ……何度も………ぁん……動いて……」 榊原はゆっくり抽挿を始めた 「……何時ですか……? 僕は全然気付きませんでした……」 「真贋の部屋から……伊織を覗いていた こっちを向いて……願ってるのに…… お前は物凄い集中力で仕事をしていた… オレがいる方が気が散るからな……行くのを辞めた」 「そんな時は声を掛けて下さい…」 「ぁはん……そんなの……出来なかった……んっ…あぁん…」 「君を向かないのなら……強引に向かせてキスしてしまえば良いのです…」 康太は榊原の背中に手を回し……強く抱き締めた 「………それ良いな……」 「君以外に大切なモノなんてないんです!」 「あぁっ……伊織……あぁん……イイっ……そこ…もっと擦って……」 「ココを擦れるのは僕だけでしょ?」 榊原は康太の弱い所を擦りながら掻き回した 榊原の背は汗で濡れていた…… フルマラソンで走った様な汗で濡らして求め合う 止まれなかった 康太、不足だった 榊原、不足だった 「…オレは……青龍しか知らねぇよ…… 青龍しか……挿れさせねぇ……」 「……康太……僕だけのモノです……っ……イキます…」 榊原は康太の奥深くに…熱い精液を飛ばした 榊原は勃起しっぱなしで、康太を愛し続けた 必死に榊原に縋り付き……鳴かされた康太は…… 意識を手放した 気絶しても榊原は止まれなかった 気絶して力なく寝そべる康太を貫き……愛し続けた 射精する瞬間……榊原は康太の中から抜いて…… 康太の胸に向かって精液を飛ばした 何度も何度も……康太の体躯に精液を飛ばして…… 康太を抱き締めた 流石と……精液まみれのこの状態では……直ぐにカピカピになると思い…… 榊原は康太を起こした 「康太……康太……」 揺すられて起こされる 愛する男の優しい声に……康太は目を醒ました 「………伊織……オレ……また気絶した?」 「………止まれませんでしたからね…… 辛くなかったですか?」 「……伊織が舐めてくれたから……大丈夫だ……」 「愛してます康太…… 僕を離さないで下さい…… 君を失って僕は生きられません……」 「………伊織……オレも伊織を無くして生きて行けねぇ…… オレ……伊織を満足さられた?」 榊原は康太を引き寄せ口吻た 「満足してます」 「気絶ばかりするのに?」 「君は満足してますか?」 「してるに決まってる 伊織が触ればオレは気持ち良すぎて…… どうにかなっちまいそうなんだ 伊織に抱かれたい……抱き締めて欲しい… オレの体躯……伊織で埋め尽くされてぇんだ」 榊原は康太を抱き締めた 「愛してます康太 君に触れれば……暴走ばかりしてしまいます… 無理させてるのは解るのに……止まれません」 本来……受け入れるべき器官でない性交渉は…… 受け入れる方に負担が掛かる 無理させてないか…… 想うんだけど………止まれない 「伊織のもんだからな……止まらなくて良い 伊織の好きにして良いんだ」 「……康太……」 「オレ……伊織が触ると気持ち良すぎて…… 何が何だか解らなくなるかんな…… 伊織を満足させてるのか…不安になんだよ」 「不安がらなくても大丈夫です 僕は満足してます 君に触れられれば……僕の空洞は埋まります」 康太は榊原の背を抱き締めた 「愛してる伊織」 「僕も愛してます奥さん」 「………伊織」 「何ですか?」 「………乳首……吸いすぎ……」 「………美味しそうだったので…つい……」 榊原はやり過ぎに……クシュン……と項垂れた 康太は笑って榊原の首筋を吸い上げた 榊原の首筋がチクッと痛みが走った 「オレのもんだからな!」 榊原は笑って 「僕の全部は君のモノです」 と康太に接吻を送った 「伊織…」 「何ですか?」 「………仕事……良いのかよ?」 「………君を抱いて直ぐに……仕事には戻りたくないです」 珍しく駄駄っ子の榊原だった 「オレの体躯を洗ってくれよ そしたら伊織と一緒に会社に行く…」 「……康太……ピカピカに洗ってあげます」 「………泡……立たねぇかもな…」 康太は笑った 湯しか被っていなかった シャワーを出して……体躯を濡らしたら……洗う気力も無く出て体躯を拭くだけだった 泡も立たねぇかも……… 榊原は苦笑した 「僕の手でピカピカに磨いてあげます 僕がいなきゃ生きていけない様にしたんです…… 君の横にいなきゃ……いけませんでした……」 榊原は康太を抱き上げると、浴室に連れて行った お湯が溜まる間に、榊原は康太の体躯を綺麗に洗った 綺麗にして、康太を磨く 康太は幸せそうに微笑んだ 榊原は泡の着いた手で……康太の頬に手をあてた 康太は榊原の手に擦り寄った 「気持ちいいですか?」 「ん…伊織に触られると本当に気持ちいい…」 康太は……榊原の首に腕を回した 「脚を開いて下さい」 榊原は精液を掻き出した 「伊織……掻き回さないでぇ……あぁん…気持ち良すぎ…」 「残ってると下痢しますよ?」 「伊織……わざとだろ?」 榊原の指が……康太の良い所を擦りあげる 「違いますよ? 掻き出さないと……」 「……あぁっ……ぁん……伊織……ダメ……」 康太の体躯がガクガク震えた 榊原はシャワー康太のお尻の穴に向けて一気に掻き出した 「康太……元気ですね」 榊原は勃ち上がった康太の性器を口に咥えた ペロペロと舐めて陰嚢を揉む 慣れた手付きに康太は翻弄されて……イカさたれ はぁ……はぁ……と康太は息を切らして…… 榊原を見上げた 涙で潤んだ瞳で……上目遣いの康太にやられる…… 「………康太……誘ってますか?」 康太は真っ赤な顔で「……ばっ……」と怒ろうとした だが蒸気した肌に……潤んだ瞳では迫力はなかった 榊原は康太の手を掴むと自分の性器を握らせた 「……君が育てたんですよ?」 「………伊織……」 康太は榊原の性器を口に咥えた イッた後の感じる亀頭の先っぽを舐めて…… 吸った 肉棒を手で扱き…… 口で愛すと……榊原は康太の口に… 薄くなった精液を飛ばした 榊原は康太のお口をゆすいでやり、お湯に浸かった 「……伊織……逆上せそうだ…」 「……ごめんね……」 「……伊織が不足していた……」 「僕も康太が不足していました…」 二人は強く抱き合い、口吻た そして笑って浴室を出た 康太は榊原の髪を乾かしてやった 榊原も康太の髪を乾かして、支度した 「………伊織……喉渇いたし……腹減った…」 「解りました 帰りはファミレスに行きましょう」 康太は嬉しそうに笑った 「……伊織、今何時よ?」 ホテルに来たのは昼過ぎだった 今は………検討も付かなかった 榊原は掛け時計を見た 「………3時15分……って午前……ですよね?」 「………伊織がオレを連れ込んだのは……」 「昼過ぎ……でしたよね?」 「……腹減る訳だ……」 「最近…食べてないんですか?」 「………伊織がいねぇからじゃねぇかよ!」 榊原は康太を抱き締めた そして旋毛に口吻を落とした 「支度しますか?」 「………おう!」 ベッドから下りて、服を着て、身なりを整える 榊原はスーツに身を包み、伴侶の腕時計をはめた 「行きますか?」 「……おう!………何か……まだ伊織が挟まってる感じがする……」 康太は歩いて……違和感に頬を染めた 「僕のカタチのディルドはめて過ごしますか?」 「嫌だ…オレは伊織しか要らねぇ……」 幾ら榊原のカタチしていても、榊原しか要らないと康太は言った 榊原は嬉しそうに笑って、康太を抱き締めた 部屋を出れば…… 甘い時間とは程遠い…… だから二人きりの時間は…… 甘く互いを求め合いたかった 「康太……行きますか?」 「おう!行くもんよー」 ドアを開けると、康太は先を歩いた 榊原は康太の背を護るようにして歩く 男同士だから…手を繋いでは歩けない…… だけど、確かな愛があれば…… 歩いていける ホテルをチェックアウトすると、榊原はファミレスに向かった 康太は胸ポケットから携帯を取り出すと電話を掛けた 真夜中だが、心配性のアイツは起きて待ってる筈だと想ったのだ ワンコールで電話に出た 「一生」 『旦那と仲直りしたのかよ?』 電話の向こうの一生は笑っていた 「喧嘩した訳じゃねぇ…」 『不足してたんだろ?互いに…』 「それはある……余分な事言うなら…… もぉ良い………切るかんな!」 『あ~!ちょっと待て康太! こっちは心配してんだよ!』 「…………一生の癖に……」 康太は唇を尖らせて拗ねた 榊原は路肩に車を停まると、康太の携帯を取った 「一生、ファミレスに来ますか?」 『行くに決まってるやん!』 「夜中……ですよ?」 『…………皆、康太を心配して寝てねぇよ! 旦那が傍にいねぇから……康太は倒れそうだった ………だから……帰って来るのを待ってたんだよ』 「………すみませんね 何時ものファミレスに来て下さい」 『……了解……康太は?』 「……拗ねてます……」 『………そっか……じゃ、ファミレスに向かうからな!』 一生は電話を切った 榊原は笑っていた 「そんな顔で拗ねないで下さい…… ベッドに押し倒したくなります」 康太は榊原の顔を見た 「あんなに犯ったのに……足らねぇのかよ?」 「僕の欲望に火を着けるのは君ですよ?」 「…………伊織が欲しいなら……」 康太は真っ赤な顔になり……そう言った 榊原の欲しいだけ…… 康太は自分を与える 愛してるから…… その想いが嬉しかった 榊原は康太の唇について口吻ると、ファミレスへと車を走らせた ファミレスに到着すると一生が駐車場に出ていた 榊原は車を下りると 「待たせましたか?」と尋ねた そして助手席のドアを開けて、康太を抱き上げて車から下ろした ドアを閉めるとキーでロックを掛けた 「皆は?」 榊原は問い掛けて、康太を下ろした 「皆……待ってんぜ!」 「そうですか。では行きましょう!」 榊原は康太を促してファミレスの中へと向かった 一生は皆のいる席へと、足取り軽く向かった ………………ファミレスには……皆いた 聡一郎や隼人、慎一の他に…… 清隆も玲香も瑛太も京香も清四郎も真矢もいた 康太は驚いて………固まった 榊原は康太を座らせた 「あんで……皆…いるんだよ?」 想わず呟くと……瑛太が 「伊織が会社からトンズラしたので、家族も休養が必要だと想ったのです」 笑ってそう言った 榊原はトンズラ……の言葉に……苦笑した 「………康太不足でしたので……」 榊原が言うと清隆が 「源右衛門を亡くして……家族が集まる事はなかった 伊織がトンズラしたので、瑛太が私達も休みましょうと言い出したのです 私達は忙しすぎました……」 と説明した 康太は「清四郎さんは?あんでいるんだよ?」と問い掛けた 清四郎は笑って 「私達も最近、飛鳥井に来てませんでした 源右衛門の百か日法要も近いのでお仏壇にお参りに来てたのです」 と説明した 「……清四郎さん真矢さん、仕事は大丈夫ですか?」 こんな夜中に……と康太は言いたかったのだ 「仕事は休みです もし休みでなくとも皆といたいのです」 清四郎の言い分に康太は笑った 久しぶりに寛いで話をしていると、神野が笙と共にやって来た 「……あ!狡い……僕も仲間に入れて下さいよ!」 笙がボヤきながらファミレスの中へと入って来た 神野は笑って康太を抱き締めた 「こんな所で逢えるとは想ってもいませんでした」 「……晟雅………話があるんだ……」 「俺に?何時でも良いですよ」 「………なら時間がある時に電話してくれ… いや………明日……飛鳥井建設の副社長室に来てくれ…」 「解りました 何時に伺ったら良いですか?」 「午後3時……来れるか?」 「ええ。伺います」 康太は後は何も言わなかった ファミレスで皆と何時までも尽きない話に花を咲かせて…… 家に帰ると皆で客間に布団を敷いて雑魚寝した 久しぶりに……楽しい時間だった 康太はずっと笑っていた 榊原はそんな康太をずっと抱き締めていた 暫しの休養 榊原は康太を抱き締めて……… 深く眠りに着いた 康太の温もりに…… 満たされる 康太がいないとダメだった 榊原がいないと……夜も眠られなかった 康太は榊原の胸に顔を埋め……眠りに着いた とても幸せそうに…… 康太は眠りに着いた 榊原も幸せそうな顔をしていた

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