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第84話 悠太②

朝、起きると一人の犠牲者もなく…… 目を醒ました 一生は飛び起きて康太を探した 康太は榊原に抱き締められて寝ていた 「………旦那……康太……体調悪いのか?」 声を掛けると榊原を目を開けた 「………何でそう思いますか?」 「………寝相の良い時は……何かある……」 「…………少し熱が出てます 僕は康太に付き添うので……悠太の方はお願いしますね」 「………久遠に見せねぇで大丈夫なのかよ?」 「後で病院に行きます 後……康太に触らないで……」 「……え?……」 「悠太の件があって……意識が……戻ってるんです……」 フラッシュバックしているというのか…… 一生は額を覆った 慎一が水を持って来ると、榊原の手に薬を取り出した 榊原は口に薬と水を含むと、康太に口吻けた 無理矢理流される薬を……康太はゴクンッと呑み込んだ 「一生……誰も来させないで下さい」 榊原は康太を抱き上げて寝室に戻って行った 一生は「………心の傷って……中々治らねぇんだな……」と呟いた 慎一は「………心は……簡単ではないですからね……」と現実を痛感した 瑛太が客間を覗きに来ると、康太の不在に……慎一に問い掛けた 慎一は瑛太にフラッシュバックしてると告げた そうなったら近付けるのは榊原だけ…… 瑛太は康太を心配しつつも会社へと出勤した 寝室のベッドの上で康太は榊原に抱き締められていた 「………伊織……ごめん……」 愛する男の匂いに癒され……康太は謝った 榊原は康太の唇に口吻けた 「謝らなくて大丈夫です…」 「伊織……オレを押し倒す気……ある?」 榊原は笑って康太に口吻けると、康太を押し倒した 「あるに決まってるでしょ? 康太を手にすれば……欲望は際限なく湧いて来ます」 「伊織に触って欲しい……」 「では奥さん……キスして……」 康太は榊原に口吻けた 重なる口吻けは深くなり…… 舌を搦ませ……縺れ合い…… 口腔を犯す 嚥下出来なかった唾液が顎に流れて…… 扇情的だった 榊原は康太の服を捲り上げると…… 尖った乳首を吸った 康太は身を起こし服を脱ぎ捨て……榊原の服も脱がした 「伊織……ズボン、脱がして……」 勃起した性器が窮屈そうに……抑え付けられて……痛い程だった 榊原は乳首を吸いながら、康太のズボンを下着ごと脱がした 露わになった性器は濡れていた 「………こんなに濡らして……」 榊原は康太の下肢に手を伸ばした 「触るな伊織……」 親指で亀頭の先をぬるぬる塗りたくたれたら……イッてしまいそうになる…… 「まだイッちゃわないで下さいね…」 「……なら触るな……」 「康太……こうして根元を握り締めてて……」 榊原は康太の手を取ると、自分の性器を握らせた そして根元を握り締めてて……と言われた通りに、握り締めた 執拗に乳首を舐められ吸われた 康太の体躯はビクビク震えて……感じまくっていた 亀頭の先からは握り締めてるにも関わらず……先走りで濡れて溢れていた 「康太……もっと焦らしたかったんですが……限界です……」 榊原は康太を俯せにして抱き締めると…… お尻に性器を挟み込んだ 「康太……股を閉じて締めて……」 股の間を榊原の熱い肉棒が擦り上げて行く 榊原の肉棒に擦り上げられ…… 康太は呆気なくイッた 榊原は股から抜くと、康太の秘孔に射精した 足を持ち上げると、肉棒を出入りさせ…… 馴染ませた 「………康太……」 「……なに?」 「挿れていい?」 もう先っぽは入っていた グイッと押し込めば…… スルッと挿入りそうだった 「来て……伊織……」 康太は榊原の腰を脚を巻き付けた 榊原は康太の中へ……挿入した 奥まで…… もっと奥へ…… 榊原は挿入り込んで来た 「……あっ……熱い……あぁっ……はぁん…」 康太は熱に魘された様に喘いだ そして榊原の背中を抱き締めた 汗で滑る背中を必死で掻き抱き…… 「愛してる」と愛を伝え合った ドクドクと脈打つ榊原の存在が嬉しかった 身も心も一つに溶け合って…… 同化してしまいたい 愛する男の一部となって生きていきたい…… 「何もかも……総て溶け合えば良いのに……」 康太が呟くと…… 榊原は康太に口吻けて 「それだと……君を抱けません…… 僕は君を抱いて……一つになっていたいのです」 と笑った だから……体躯が別々でも良いと想う 別々の体躯だから…… 求め合い……愛し合い……一つに繋がれるのだから…… 榊原は繋がったまま康太の体躯を起こした 自分の上に乗せると、乳首に吸い付いた すると中が締まって…… 榊原は持って行かれそうになった 康太の肩に噛み付いて…… 射精の衝動を堪える…… 「………っ……痛ぇよ伊織……」 「康太……一緒に……」 榊原は康太を強く抱き締めると抽挿を早めた そして康太の中で弾けた 康太も触られる事なく白濁を溢していた はぁ……はぁ…… 荒い息を繰り返し……抱き合った 「愛してます……遥か昔から君だけを…」 榊原はそう言い口吻けた 「オレも愛してる お前だけを愛してる 昔も今も愛するのはお前だけだっ……」 こんなに愛せる存在は二度と…… 現れない…… 康太の中で榊原が力を取り戻し……硬くなり始めた 康太は榊原を締め付け……腰を揺すった 「不発弾の処理……しねぇとな」 康太は笑って榊原の唇を舐めた 榊原は康太のピアスのはまった乳首を舐めた 榊原伊織のモノだという所有権の証だった 二人は……性欲尽きるまで貪り合った 何度も……何度も…… 愛し合い……一つに繋がった 今日は康太は気絶する事なく頑張った 頑張って榊原の愛を一身に受け止めた 昼過ぎまで眠り起きると体躯は怠かった… 怠くて……起きたくなかった ………が、悠太の所に顔を出さないとダメだった きっと会社の方では大変な事になってるだろう 悠太の事故を聞き付け…… 多くの人が会社に問い合わせただろう…… 天宮にも逢って経緯を聞いて来なければならない…… でも………怠い 目を開けて榊原を見ると…… 榊原は康太の顔を見ていた 「………オレの顔……見てたのかよ?」 「安心した無防備な顔で僕の隣で寝ている…… そんな君の姿を見られるのは僕だけですよね?」 「伊織だけだ……」 「奥さん……無理させましたか?」 「少し怠いけど大丈夫だ 今日は会社は大変な事になってるだろうからな……顔を出さねぇとな……」 「ええ。お昼を食べて行きますか?」 「おう!体躯を洗ってくれよ……」 「良いですよ その前にキスして下さい奥さん……」 康太は榊原の唇に「愛してる」と言い口吻けた 「僕も愛してます奥さん」 榊原はベッドから下りると康太を抱き上げた 浴室に連れて行き康太の体躯を洗った そして康太に体躯を洗って貰い……泡を落とした 今日は湯船は諦めて浴室から出た 髪を乾かして康太にスーツを着せた そして自分も支度をすると、ベッドのシーツを剥がしてリネンに放り込み、康太と手を繋ぎ、寝室を出た 「奥さん、ファミレスに行きますか?」 「だな……」 手を繋ぎ、一階に下りて行くと一生と慎一が待ち構えていた 一生は「遅ぇよ!」と言い康太の肩に手を回した 慎一は「聡一郎は会社に出向きました」と会社の大変さを伝えた 「………飯食って会社に顔出す お前達はどうするのよ?」 康太は一生と慎一に問い掛けた 一生は「そりゃぁ、何処までも一緒に行くさ!」と笑った 慎一も「当たり前です!」とさっさと靴を履いた 榊原も靴を履くと地下へと下りた そして車に乗り込むと、助手席に康太が乗り込んだ そして後部座席に一生と慎一が乗り込んだ 榊原は運転席に乗り込むと車を走らせた 何時も行くファミレスの駐車場に車を停めると車から下りた 助手席のドアを開けると榊原は康太に手を差し伸べた 康太は榊原の手を取り車から下りた ファミレスに行き食事を取ってると康太の電話がプルプルと胸ポケットで震えた 康太は携帯を取り出し見ると、知らない番号の通知が表示されていた 康太は電話に出て「誰だ!」と尋ねた 『飛鳥井康太?』 「そうだ!」 『上手い事ニュースをすり替えたな……』 「………何の事だ?」 『お前は破滅に向かうしかないんだ!』 そう言い一方的に電話は切れた 康太は携帯電話を榊原に渡した 「………悠太の携帯が消えてた理由が、やっとこさ解ったな……」 榊原は携帯を受け取ると胸ポケットにしまった 「この携帯は廃棄しましょう! それで新機種作って来るとしましょう」 「………だな……」 「プライベート用と公に教える用…… 二つ作りましょう……」 「………子供達……預けるか?」 「………何かあってからでは遅いですからね… 烈も飛鳥井に来ました…… 何かあったら身動き取れなくなりますからね…」 康太は押し黙った 悪意感じずにはいられなかった 食事を取ると康太達は会社へと向かった 副社長室のソファーに座ると、康太は携帯を取り出した 「貴史、回線追えた?」 『………無理言ってるよ……この子……』 兵藤はボヤいた 「オレの番号を盗んだ奴が今回の悠太の襲撃を企てた奴だ 中村竜吾は踊らされてただけだと……証明出来るな…」 『………そんな証明要らねぇよ おめぇは危ない橋は絶対に渡るなよ!』 「解ってる、子供が一人増えたんだオレ 養わねぇと……ダメだからな……」 『………お前が産んだのか?』 「そう!伊織との赤ちゃんだ」 『…………言ってろ…』 「それより悠太の所持品は? あの地下になかったのかよ?」 『あの地下に悠太の所持品だけなかった 多分……悠太の携帯から番号を盗んだんだろう……』 「しかねぇよな? この携帯にまた電話来るかな?」 『来るだろ? 破滅に追い落としたいんだったら…… これ程のチャンスはねぇからな!』 「携帯、取りに来てくれ」 『了解!飛鳥井?』 「会社!副社長室にいるかんな」 『………待ってろ!直ぐに行く』 そう言い電話は切れた 「相変わらず飛鳥井康太は目の上のタンコブか……」 榊原は何も言わずに康太を抱き締めた 暫くすると副社長室のドアがノックされた 慎一はドアを開けに向かった ドアの前に立つのは兵藤だった 「よぉ!」 兵藤は挨拶して副社長室に入った ドカッとソファーに腰を下ろすと 「悠太は電話帳に何人分位入れてたか解るか?」 「それは本人に聞いてくれよ」 「………話せるか?」 「大丈夫だろ?」 「ならお前達が病院に行く時、一緒に乗ってくわ!」 「車じゃねぇのか?」 「………あんな派手な車で此処に来られねぇよ」 兵藤は笑った 「ちと待て! 瑛兄の部屋に顔を出して考える」 康太はそう言い康太は立ち上がった 榊原や一生、慎一が康太に続くと、兵藤も一緒に副社長室を出て行った 社長室をノックすると榮倉が顔を出した 「あれ?榮倉、今日は社長の相手かよ?」 「佐伯は通訳に入ってるのでチェンジしました」 「それでか…」 康太達は社長室の中へと入って行った 「ご用件を伺いましょうか?」 瑛太はソファーに座り問い掛けた 「瑛兄……流生達を預けようと想う……」 「何かありましたか?」 「オレの携帯に見知らぬ誰かからか電話が入った そいつは飛鳥井の破滅を望んでる ニュースをすり替えたのも知っている……」 「………君の……電話番号? ………どうやって知ったのですか?」 「悠太の荷物だけ地下室から発見されてねぇ…… 悠太を地下室に閉じ込めた理由…… 学園の抗争と見せ掛けて……実はそれだった……と、考えれば納得がいく 飛鳥井悠太を首謀者としてスケープゴートにして、殺人容疑に仕立てる 殺人犯を出したとパッシングして飛鳥井の株の暴落……強いては信用問題…… それらを……貶めたい輩の利害の一致した者の犯行だろ?」 「………なら見境なく……来ますね……」 「だろ?子供達は安全圏に隠さねぇとな」 「………何処へ……隠します?」 「綺麗の機関に頼むつもりだ どの道双子は綺麗の専門分野だしな 他の子供にしても…… 力を持って生まれてるからな……」 「………烈は……どうするのですか?」 「烈も預けねぇとな 真矢さんが託してくれた子だ 何かあったら顔向けできねぇかんな…… やっと転生させてこの世に生を成した子を……死なせる訳にいくか!」 「解りました! 父さんには私から伝えておきます」 「悠太は退院させる」 「君の想いのままに……」 康太は立ち上がると「悠太の所へ行くわ」と言った 康太達は社長室を後にすると地下駐車場へと下りて病院に向かった 康太は慎一に手を伸ばすと、慎一は康太の手の上に携帯を置いた 康太は電話を掛けると開口一番 「頼みがあんだけど?ルー」と言った 電話の相手は樋口陵介の子供の警護に当たっているルーファス.クロフォードだった 『要件を伺いましょう』 「飛鳥井悠太の警護に当たって欲しい……」 『病院?』 「命を狙われてる…… 何時……病室に入り込まれて拉致られるか解らねぇ、頼めるか?」 『ええ!お安いご用です では病室の調査に入ります 盗聴、ピッキングの痕跡、等々調べて対策を練りたいと想います 何処へ行けば君に逢えますか?』 「飛鳥井の家の傍に出来た病院知ってるか?」 『OH……鬼医者の所…』 クロフォードは……悲鳴に近い声を上げた 「鬼医者……?誰だよ?それは?」 『Dr.KUDOU……』 「…………確かに…… 診察しなかったら人畜無害だ……来れるか?」 『………直ぐに行く……』 クロフォードはそう言い電話を切った 車は病院に向けて走っていた 康太は更に電話を掛けた 「綺麗?頼みがある」 『康太、子供達を預かれとでも言うのか?』 「………何で解った?」 『天宮が……デートをドタキャンしやがった そんな時はお前の為に動いている時だろ?』 「悪かったな綺麗」 『で、要件は?』 「子供達を預かってくれ……」 『5人か?』 「いや、6人……」 『………知らない間に産んだのか?』 「おー!生まれたての赤ちゃんだ」 『何処へ迎えに行けば良い?』 「飛鳥井建設の裏に建ってる保育園に6人取りに行って、そのまま保護してくれ」 『解った お前の子供は力持ちだからな見るのが楽しみだ』 「保育園の方には話を通しておく」 『なら三時には保育園に向かう』 「頼むな!」 綺麗は『解っておる』と言い電話を切った 康太は慎一に携帯を返すと 「保育園の方に連絡入れといてくれ」と頼んだ 慎一は携帯を返して貰うと保育園へと連絡を入れた 主治医の病院に到着すると、康太は車を下りた 榊原や一生、慎一も車を下り個室へ向かった 途中で康太は「久遠……呼んで来てくれ……」と頼んだ 一生が久遠を呼びに行った 個室へ向かうとクロフォードは既に到着していた 康太は悠太に「退院するぞ」と告げた 「………康兄、退院出来るの?」と不安げに聞いた 「悠太、お前のセキュリティガードのルーファス,クロフォードだ お前のセキュリティガードだ」 「………何かっあったの?康兄…」 「お前は気にするな!解ったな」 「はい……でも……これだけ答えて…… 俺……康兄に迷惑掛けてる?」 「迷惑だなんて想ってねぇ! お前はオレが育てて来たんじゃねぇのかよ?」 「…………康兄……俺は貴方の足手纏いにはなりたくない……」 「なら良い子してオレの言う事を聞け!良いな?」 悠太は頷いた 「康兄……」 「あんだ?」 「今……俺が生きてるのは康兄のお陰だ……」 「おめぇが頑張ったからだろ?…… おめぇのビルはまだ建っちゃいねぇ! 死なすかよ!ぜってぇにな!」 康太が言うと悠太は嬉しそうに笑った 久遠が悠太の病室にやって来た 「どうした?」 「………悠太を退院させる……」 「まだ一般の生活させるのは無理だぜ?」 「…………命を狙われたら……どうしようもねぇかんな……」 「…………そうか……なら病院を移そう 須賀が移った様にな、悠太も病院を移すとしよう!」 「………頼めるか?」 「家に帰れば無理して自分の事はやろうとするだろう? まだ足には負荷は掛けたくねぇんだよ! 今無理させれば……歩けなくかも知れねぇからな……」 「………そうか……なら悠太の転院……頼む」 「解った……後で院長室に来い!」 久遠はそう言い個室を後にした 康太は携帯を取り出して何かを打つと一生に渡した それを見て一生は頷き消去した 康太は「悠太……兄は何時もお前を心配している」 そう言い悠太に抱き着くと……耳元で何やら囁いた 「じゃあ兄は院長室に行って来るわ そのまま帰るかんな! 聡一郎、後頼めるか?」 「解りました」 「聡一郎、髪の毛にゴミ着いてるぜ! 取ってやるから屈めよ!」 聡一郎は屈んだ 康太は聡一郎に何やら話すと「取れたぜ!ならな聡一郎頼むぞ!」と言いクロフォードを残して個室を出て行った 久遠は康太の頭をクシャッと掻き回した 「お前を生かすのが俺の使命だ 無理するなよ!絶対にだ!」 「解ってる……」 「なら逝け!」 康太達は院長室を出て行った 康太は榊原に近くにホテルを取ってくれ、と頼んだ そして悠太の病室へと向かった 悠太の病室に入るとクロフォードに 「クロフォード、この部屋の盗聴器を外せ」と命令した 「盗聴器ですか?」 「そう。後監視カメラをチェックして誰が盗聴器を取り付けたか割り出してくれ それを警察に渡して逮捕させてくれ それと悠太は転院させる 明日には転院させるから……」 「どちらへ転院させるのですか?」 「それは言えねぇよ盗聴器があるかも知れねぇかんな……」 康太はそう言うとクロフォードが差し出した盗聴器を足で踏み潰した 「悠太と背格好似てるのって誰よ?」 康太が問い掛けるとニック.マクガイャーが 「うちの会社で似たの出しますか?」 と尋ねた 「出来るか?」 「悠太さんのデーターを会社に送ります 会社から派遣された社員を悠太に見える様に見せ掛け入れ替える 入れ替え悠太さんは普通の病棟へ 身替わりは悠太さんに成り済まし別荘へ 訓練を受けた者なので突然襲われたとしても日々訓練してるので対応も出来ます 前もって何人か部屋に送り込み、警察も動かしておけばら入り込んだ時点で捕まえられます」 「頼めるか?」 「別荘は……手頃なのありますか?」 「三木が鎌倉に別荘を持ってるかんな そこを借りるとしよう!」 「では手筈を整えて下さい 我等は直ぐに動ける様に根回ししておきます」 「解った!なら直ぐに動こうぜ! 伊織、貴史にホテルの部屋番送って呼び出しといて!」 榊原は兵藤へメールを送った 「ルー、頼むな オレが来るのは悠太の転院の時だけだ」 「解っております 自分の命に変えても悠太は護ります」 康太は頷いて個室を出て行った 個室から出て来ると後を着ける男達がいた それを張り込んでる刑事達が取り囲んだ 康太は唇の端を吊り上げて嗤った そして早足で病院を後にした 痕跡は一切遺さず……… 飛鳥井康太は消えた

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