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第26話* こうなるから

「あ……あ、いゃっ……んんっ、せんぱっ……あ――……」  より一層高い声をあげ、ぼくは欲望を解き放った。  何度か腰が浮かび上がり、ビクンビクンと体を跳ねさせて、全ての白濁を出し切った。  ドクンドクンッとうるさいくらいに鳴っていた心臓も徐々に落ち着いて来た頃、ぼくはようやく瞼を持ち上げる。  すると目に入ったのは、驚くべき光景だった。  聖先輩の蜂蜜色の綺麗な髪に付着する、白い液体。グリーン色の制服やネクタイにまで飛び散っている。  先輩が掌を上に向けているが、その中にはほとんど液体は付着しておらず、どうやらぼくは出すタイミングを完璧に間違えたようだ。  ギロ、とこちらを睨む先輩と目が合う。 「あっ! ご、ごめんなさい!」 「イくんだったらイくって言えよな。こうなるから」 「すいません! わぁぁどうしよう、ぼく……」 「ちょっと風呂入ってくるから、お前はこの制服拭いとけよ」 「はいっ分かりました」  ビシッと敬礼をしてから、先輩を風呂場へ送り出した。  欲望を放てて大満足し、へにゃりと縮んでいた僕自身をティッシュで拭ってから制服を着直して、先輩が脱いでいった制服をウェットティッシュで拭くけれど。 「あぁーどうしよう……なんかシミになって余計に広がっちゃったよー」  乾けば元通りになるだろうか。ネクタイも拭いたけど、たぶんクリーニングに出さないとダメだ。  精液の落とし方なんてネットに載ってるかな?  「どうだ」  先輩が風呂場から出てきて、タオルで頭を拭きながらぼくを覗き込む。 「あぁ、すいません。なかなか綺麗に落ちなくて」 「クリーニングに出すかな」 「すいません! ぼくが払いますから」 「いい。気にするな。それよりどうだった?」 「え?」 「だから、さっきの。俺にやられて気持ち悪くなかった?」  気持ち悪いはずがない。  あんなに優しくぼくを絶頂に導いてくれて、感謝したいくらいだ。  でもそんなこと言ったらダメだ。もうさすがに、ここで終わりにしないと。  言うんだ。天使の小峰 雫。気持ち悪くて、先輩とはやっていけそうにはありませんって。嘘も方便。  でも、あんなに気持ちよさそうに射精しちゃった事実があるのに、そんな事信じてもらえるの? 「俺はお前の弄ってて、正直ちょっと興奮した。嫌悪感もないし、お前とだったらやっぱり大丈夫そうだ。これからよろしくな」  ほらほらー!  今言わないと、後から余計に言いづらくなっちゃうでしょう!  ぼくと先輩じゃあ、合わないと思います! ハワイと北極グマとか、ソフトクリームと醤油くらいにちぐはくですよって言わないと! 「先輩」  ぼくは息を大きく吸い込んでから言った。 「付き合ってるって事は、どうかみんなには内緒でお願いします」

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