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第45話* 先輩が攻めてきます4
先輩が肩幅くらいに足を広げる。先輩の言葉に真っ先に思い浮かんだ疑問は、どこに? だった。
けどそんなの考えれば分かることだ。足の付け根の下くらい……きっと先輩の太ももらへんに座れってことだ。
やっぱり、抜き合いっこをするんだ。
ぼくの股間ももう限界で、引き下がれなかった。
ぼくは片膝をゆっくりとソファーに沈みこませる。ずず、と布地のカバーの下で軋む皮の音。足と布が擦れる音、先輩の息遣い。何もかも過敏に反応してしまい、ぼくの息や熱もどんどん上がる。
片方の足もまわして、先輩の足を跨ぐ。膝立ちになった状態からゆっくりと腰を落としていって、最終的には先輩の太ももの上に尻をつけ、座ることに成功した。
「俺に体重かけていいから」
気を遣って膝に力を入れていたのを見抜いたようで、先輩はぼくの腕を持って、自分にしがみつくように言った。
先輩の首の後ろに手をまわし、先輩に完全に体重をかける。顔だけ横向きになって先輩の鎖骨の下あたりに頬を擦り付けると、ドッドッとバスドラムみたいにうるさく刻む心臓の音が聞こえてきた。先輩もかなりドキドキしているみたいだ。
少し足を動かしたら意図せず互いのペニスが触れ合って、そこからじわじわと甘い疼きが波紋のように広がった。
「あっ……ん」
「お前はそのまま、楽にしてろ」
え、抜き合いっこするんじゃ……と顔を上げようとした時、先輩の大きな両手が二人分のペニスを包み込んだのが見えた。
え、とまた声を出そうとしたら、先輩の手がゆっくりと上下した。ニュル、と二人の皮がめくれたのを見たら、恥ずかしさで発狂しそうだった。
「ああっ……ダメですっそれ……ッ」
先輩は構わず、手の動きを止めない。
たった二、三回扱かれただけで、じゅわ、と先端から透明な液体が滲んで流れ、先輩の指を濡らした。
「あっ、ごめんなさいっ」
「いいから、お前はただ気持ち良くなってろ」
俺が全部やるから、みたいな言い方。
ずるいよ先輩。さっきバスケ教えてくれてた時は応援さえもしてくれなかったくせに。今は優しい目で、ぼくの事をじっと見ている。ぼくがどんな反応をするのか、ひとつも見逃すまいとガラス玉みたいな瞳で。
「あっ……。ん……っ、ん、ぁ、あっ」
ぼくはお言葉に甘えて、先輩に全てを託してずり落ちないように必死にしがみつく。
先輩の熱い昂りを感じる。先輩はどちらのものか分からない先走りの蜜を指で掬い上げ、亀頭にヌルヌルと塗りつけた。
うっすらと滲む汗。
もう、イくことだけしか考えられない。
「先輩っ……あ、あ」
「気持ちいいの?」
「ぅんっ……良すぎて……こわいっ」
先輩のとぼくのとが混ざりあって溶けていく感覚。
本当に死んじゃうかもしれないくらい、気持ちいい。
先輩の手の動きが少し変わって、追い上げが始まった。二人とも絶頂に向かっているのが分かる。
「あぁ……せんぱっ……もぅっ……」
「……ん」
いいぞ、と言われたのか、それとも幻聴なのか分からなかったけど先輩の声が聞こえて安心し切った瞬間、ぼくはぴゅ、と吐精した。
先輩も少しくぐもった耐えるような声を出してから、追いかけるように欲望を吐き出した。
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