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第107話* ちょっとこわい
先輩の手ですべては受け止めきれずに、シーツにポタポタとシミを作る。
はぁ、はぁ、と肩で息をしながら吐き出せた開放感に浸っていたのに、先輩の手は止まらない。
今度は、ぼくの白濁の液がついた指で後ろをあやしてきた。
急に奥まで挿入して来た指に逃げる暇もなく、一気に現実に引き戻された。
「やっ…あぁぁっ」
「言ったよな。お前のこと、鳴かせたくなるって」
聖先輩の指が縦横無尽に動き回る。
もうだめ、許して。
そうやって言葉に出そうにも、口が半開きの状態で切れ切れに喘ぐことしかできない。
今度はシーツにベターっと体全体を押し付けるようにしても、先輩の指は磁石みたいに追いかけてくる。
聖先輩、Sだ。
でもそんな先輩にされて、ちょっと嬉しくもなっているぼくはたぶん、Mなんだろう。
急に指が抜けて、「ひゃんっ」とまた変な声が出た。
そして今度は、指とは違いすぎる質感のものを押し当てられた。
「わっ……無理……っ」
「大丈夫。結構開いてるし、怪我しないようにゆっくりする」
「むっ、無理無理! ぼく分かります! なんか入る気がしないですっ」
「なんだよ、始まる前に大丈夫だってお前が言ったんだろ」
「その時はそう思ってたんですけどっ……せ、先輩のがおっきすぎるのがいけないんですっ」
無理だと思ったらちゃんと言えよって先輩が言ったのに!
わーわー言うぼくを見て、聖先輩は一息ついた。
「分かった。じゃ、今日は入れない」
「えっ……」
「なんだ、その落ち込んだ声。どっちなんだよ」
「い、入れては、欲しいんですけど……」
でもちょっと怖くて……とモジモジしていると、先輩の体が少し移動した。
また背中に覆いかぶさってきた聖先輩は、ぼくの尻を割って自分のペニスをそこに挟みこみ、腰を前後に動かし始めた。
「あっ……これっ……」
「お前のも、一緒に」
ヌルヌルとしたそこで、聖先輩のものがこすれている。
ぼくは太ももをぎゅっと閉じて、先輩のが外れないようにした。
背後から回された手で、ぼくのペニスも上下される。
そして片方の手で胸の尖りをいじられて、ますます喘ぎを止められなくなった。
「んっ、あぁ……っ、先輩っ……やっ……」
「嫌じゃないだろ」
「んっ……きもち……いっ……っ」
入れてないのに、腰や体の動きはまさにセックスのそれで。
頭が霞がかっていく。
気を抜いたらすぐにでも二回目の吐精をしそうだったから、つま先に力を込めて我慢した。
だって先輩はまだイってない。今度はちゃんと、一緒にイきたい。
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