「……く、あんま、締めんなよ」 「あっ、すみませっ……でもっ……ぼくっ……あぁっ！」 　ぴん、と乳首を親指と中指の爪先で弾かれ、甲高い声を上げる。 　先輩にもう一度腰を高く上げられて、中の襞を見せつけるような格好にさせられてしまう。 　先輩にじっと見られていると思っただけで興奮してしまって、先端から卑猥な液体が溢れ出した。 　膝立ちになった聖先輩は、素股と呼ばれる行為を再度繰り返す。 　じゅ、ぬちゅ、と音が鳴る。 　先輩になされるがままになっていると、背後から声をかけられた。 「小峰」 「はっ……はいっ……」 「ちゃんと言ってなかった。俺、お前が、好き」 「……」 「お前が好きだ」 　腰が砕けた、とはまさにこのことだ。 　ぼくはその色っぽい愛の告白に、体の力が抜けてしまった。 　あの無愛想冷淡男が、まさかこんな風に告白をしてくれるだなんて。 　感激で胸がいっぱいになっていたら、いきなりぼくの後孔が押し広げられた。 「あ、あっ、あっ……」 　あっという間に奥までそれが届いている。 　どうやら、とても入らないと思っていたソレが入れられたらしい。聖先輩はちょっと得意げに言った。 「入った」 「いやっ、見ればわかるし……っ、ていうかせんぱいっ……ぼくに油断させましたねっ……」 「入ったんだからいいだろ。おめでと。で、もう揺らしてもいい？」 「だっ、だめっ……」 　ドSの先輩は、ぼくの静止なんて聞いちゃいない。　 　ギリギリ抜けないところまで腰を引いた先輩は、再度奥まで腰を突き上げる。 　何度もそうされると、ぼくの目にチカチカと星が瞬いた。 「んぁっ……だめっ……んっ……、っ……」 「だめだ。お前が、可愛すぎて」 　聖先輩は、禁句だとしているその言葉をうわ言みたいに何度も繰り返していた。 　ぼくもその熱量を受け止める。 　シーツをぎゅっと掴んで、一人でイかないように。 　一緒にイきましょう、とは恥ずかしくて言えなかったけど、先輩の切羽詰まったような息遣いに絶頂が近い事を知った。 　その後すぐに体の奥が焼けるように熱くなったのと同時に、ぼくも欲望を解き放ち、意識を手放した。