34 / 58

過去世の恋(5)

今でさえ気持ち良くて、こんなになっているのに、これ以上のことって、何が起こるのか。 「あっ、暁様、お願い、お願いですから、離してっ!」 首を左右に振り、何度も精一杯の懇願をする千早。 迫りくる放出感に焦る千早を余所(よそ)に、暁は手と口の動きを止めることもなく…千早は呆気なくその口の中で欲を放ってしまった。 そして暁はなんの躊躇いもなく、それをゴクリと飲み干した。 千早は、暁の喉仏が上下に動くのを見つめていたが、次第に己のしでかした事に恐怖を感じていた。 何てこと…神様を汚してしまうなんて… 千早は全身の血の気が引いていくのを感じた。 青い顔をしてふるふる震える千早を不審に思った暁は、心配そうな顔で見下ろした。 美しい顔の眉間に皺を寄せて。 「千早、どうした?怖かったのか?痛いのか?」 どうしよう。どうやってお詫びをすれば… 千早は声もなく、ただ大粒の涙をぽろぽろと流している。 「千早?」 「…あっ、申し訳ございませんっ! 私は…私は暁様を…汚してしまいました…一体、どうやって償えば…」 それを聞いた暁は、突然腹を抱えて大笑いし始めた。 そして、その様子を茫然と見ていた千早に 「千早…私達は番なのだ。 これは愛し合う者同士の当たり前の行為。 お前の愛液はこの上ない甘露。恥ずかしがらずにその身も心も曝け出せ。」 破顔した暁は、自分の中指を口に含み、たっぷりと唾液で潤した。 何をするのかと凝視する千早に婉然と微笑むと、千早の膝を折り、曝け出された慎ましやかな蕾に差し入れた。 「ひっ」 声にならぬ声を上げた千早を無視して、暁の指がぐにぐにと回りを解しながら入っていく。 一瞬意識が飛んだ千早は、今、何をされているのか、理解できぬまま固まっていた。

ともだちにシェアしよう!