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過去世の恋(7)
「ひうっ」
千早が喉を反らし、背中を弓なりにしたと同時に、ぴしゃっと白濁の液が暁の胸にかかった。
加減できず一気に根元まで入った反動で、気を吐いてしまったのだ。
暁はその液体を掬い取ると、愛おしげに眺めてから舌の上に乗せた。
甘い。番のものは何と美味いのか。
千早は…大きく忙しげに息を吐き、あぅあぅと小さな声を漏らしていた。
大きな瞳に涙を潤ませて。
「もっ、申し訳ございませんっ!」
暁は泣きながら謝罪する千早に、この上なく欲情していた。
私の番は何と初々しくかわいらしいのか…
千早の中の暁が、ぐっ、と硬度を増した。
「えっ!?暁様っ!?」
暁は千早の背中を掬い上げると、自分の膝の上に座らせた。
ぐぐぐっ
自重により、なお一層千早の中に埋められた暁の楔の存在感を千早は目を見張り歯を食いしばって耐えていた。
どくどくどくどく
早鐘のように鳴り続ける千早の心臓は、もう破裂しそうに打ち続ける。
そんな千早の背中を赤子をあやすように、暁の大きな手が撫でている。
暁が入ったまま、くったりと身体を預けていた千早は、我が身に何が起こっているのか未だ理解が及ばず、神である暁と結ばれているのが夢のようで不思議でならなかった。
「千早。もうそろそろ動いても良いか?」
遠慮がちに言われその顔を見ると、暁の額には薄っすらと汗が滲み、体内に埋められた楔はびくびくと熱く脈打っているのに今更ながら気が付いた。
千早は暁が随分と我慢をしていたことを知った。
暁様に気持ち良くなってほしい。自分だけじゃ嫌だ。
「暁様のお望みのままに…」
「そうか?それでは…」
暁は千早の腕を取り自分の首に捕まらせると、ゆらゆらと腰を動かし始めた。
当たる角度が変わり、お腹の奥からきゅんきゅんと甘い痺れが湧き起こってきた。
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