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過去世の恋(8)

今まで経験したことのない(あらが)うことのできない甘い快感に、千早は翻弄されていた。 神に仕える身ということもあったし、元々欲も薄かったのか、自分で自分を慰める行為というのも殆どなく、ましてや女性との交わりなんてなかった。 漏れ聞く知識のみで、ほぼ純粋培養的な環境で育ってきた千早にとって、暁が仕掛けてくることに全てどのように反応して良いか分からず、戸惑うばかりであった。 暁はそんな千早の様子を好ましく見ているようで 「気持ち良ければそのように口に出せ。 私の前ではどんな姿をみせても構わぬ。 乱れ狂い私を求めよ。」 と言い、それがまた千早を混乱させる。 本当にそんなことをしても良いのだろうか。 一度声を出せば止まらなくなりそうで。 暁様は、乱れる私を見て愛想を尽かしてしまうのではないだろうか。 徐々に下から突き上げてくる暁の抽挿に、目を潤ませて必死で歯を食い縛り耐える千早を見た暁は、その唇にそっと触れた。 「そのようにするでない。口を開けよ。」 素直に少し口を開くと、指を差し入れられた。 「こうすれば声を出せる。」 目を(しばたた)かせ固まる千早を見つめながら、暁は微笑んだ。 と同時に、ずんっ、ぐりぐりと楔を捻じ込まれた。 「んんっ!」 耐え切れず、がり、と思い切り口内の暁の指を噛んでしまった。 じわ…と鉄の味が舌先に染みていく。 あっ…しまった… 咄嗟に首を振り暁の指を吐き出すと、千早は腰を動かして楔を引き抜いた。 ずるずると擦れるそこからは、止め処ない快感が突き抜け“抜きたくない”と肉襞が訴えるが、必死だった。 そのまま後退(あとずさ)り平伏した。 額を畳に擦り付け、震える身体を治めることもできない。 どうしよう、どうしよう。 大切なお身体に傷を負わせてしまった。 どうしよう、どうしたら…

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