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再びの…(1)
過去の記憶を遡りながら、夢見心地で、しかし最後の方は泣きながら身体を揺さぶられていた千早は、思わず暁の腕に縋り付いた。
「千早?」
訝しげに名を呼ぶ暁に、大きな目に涙を潤ませて
「暁様…暁様…もっと、奥まで…あなたを感じたいっ!」
うっ、と呻いた暁は、愛おしげに千早の前髪を撫で付けると
「…久し振り故、加減しつつ抱こうとしておるのに…そうやって私を身勝手に煽るのか?」
そして、意地悪く口を歪めてにやりと笑うと、耳元で甘くささやいた。
「そう言うからには、覚悟はよいな…抱き潰しても知らぬぞ…」
ひうっ
声にならぬ声を発した千早が身を縮こませると、暁を受け入れている後孔も一緒に締まったようだ。
「…くっ…千早…私を食い千切るつもりか!?
ふっ…中が蠢いている…そんなに私が欲しいのか?」
揶揄いを込めた口調に、千早も仕返しとばかりに後孔に力を込めた。
「食い千切ってもいいんですよ!?
そうすればいつもあなたの分身と一緒にいることができますからっ!」
「くっ…それは困る…こうやってお前を存分に味わうことができなくなるのは。
さあ千早、機嫌を直して…そら、奥まで受け入れてくれ。」
涙を甘やかに吸い取り、唇を重ねてくる暁の頬を両手で包み込むと、妖艶に微笑んだ。
「思う存分…来て下さいませ…」
「それでこそ、私の千早よ。」
再開された抽挿は激しさを増していく。
暁を目一杯受け入れている千早は、このまま激しく愛されながら、幸せの絶頂で命が果ててもいいとすら思っていた。
しかしすぐに、自分を失った後の愛おしい夫の苦しみを思うと、すぐにその考えを打ち消した。
「あっ、あうっ、あん、あかつ、き、さまっ」
甘えるような嬌声が、暁の動きを加速させる。
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