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再びの…(5)
黙り込んだ五気に、志津が明るく声を掛けた。
「こうやってまたみんなが揃ったんですもの。
こんな嬉しいことはないわ!
さぁ、お代わりも沢山あるのよ。
遠慮しないで召し上がれ!」
その声に、ぱぁーっと明るい顔付きに戻った五気は、我先にと賑やかに皿を持ち、また赤羽に叱られつつ順番に志津の元へと集まっていった。
もうこれ以上は入らないと、パンパンになったお腹を天に向けてリビングに転がる五気を優しい眼差しで見つめた志津は、空っぽになった寸胴鍋を見て笑った。
よくもまぁ、あれだけの量を平らげたこと。
キッチンの片付けを始めながら、志津はぼんやりと考えを巡らせていた。
千早の覚醒と主様の復活。
そして集まってきた五気。
このまま何事もなければ良いのだが。
白香の汚れた魂は、先の戦いで消滅したはず。
でも…いつの世も、人間同士の嫌な感情が集まり、やがて大きな怪物となっていく。
勿論、人間達はそんなことなど露とも知らず、疑心、裏切り、憎悪、妬み、怒り…様々な負の感情を撒き散らし、育て、自らの首を絞めていくのだ。
はあっ…と小さくため息をついた志津は、ふと先程の主の言葉を思い出した。
『案ずるな。何があってもこの世を必ず守ってみせる。』
そうだ。主様はいつも私達を信じて守って下さっていたではないか。
心にぽっと希望の炎が灯った。
主様と千早がいる限り、何があっても恐れることはない。
微力ながらこの志津、魂が燃え尽きようとも、最後までお使え致しますぞ。
新たな決意に身震いすら覚えながら、志津はカレーのこびり付いた鍋と格闘すべく腕まくりをした。
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