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第20話
ローションを足しながら指を動かしていく。
中を探りながら夾のものにも指を絡めて動かして。
先走りの溢れる半身が興奮をあらわしてるのはわかる。
けど、甘ったるい喘ぎなんてものは聞こえてはこなくて、俺のものは夾の口に含まれていいようにしゃぶられてる。
こっちのほうが下手したら声出そうだ。
今度してもらうときは上から見下ろしたい。
どんな顔をして咥えてるのか想像しただけで昂りが増していく。
気持ちよさに追い込まれながら、追いこむように後孔を犯す。
内壁を辿って探って、見つけたしこりを指の腹で擦りあげればきつく孔が収縮して指を締めつける。
一瞬止まった口淫に口元が緩んだ。
でもそれも一瞬でまたすぐに刺激が襲ってくるけど。
負けじと夾の半身を手で扱いて―――だけど見つけた前立腺は外して指を増やしほぐしていく。
は、と熱い呼吸がこぼれて、俺の半身にも同じように熱い吐息が吹きかかって。
ぬめる感触は俺の手と指と半身にまとわりつく舌と。
ちょっとヤバいかもって少し焦る。
まさかフェラでイかせるつもりだったりするのか?
ちょっとづつじわじわ沸き上がる吐精感に眉を寄せて、両膝を立てるとストップをかけるように夾の顔を挟みこむ。
じゅる、とひときわ強く先端を吸い上げられて息を飲んで、これはマジでヤバいって夾の後孔から指を引き抜いた。
そして夾の腰を掴んで体勢を入れ替える。
身体を起こして夾の両脚の間に割り入った。
濡れた唇をぺろりと舐めながら夾は欲に濡れたエロすぎる眼で俺を見上げる。
「なんだ、もういいのか?」
あと少しだっただろ、と薄く笑う夾に、そうだけど、とちょっと口を尖らせた。
「やっぱり初めてなんだから夾くんの中でイキたいだろ?」
さりげなく名前で呼んでみつつ笑顔を向ければ、は、と鼻で笑われる。
「じゃあ早く挿れろよ」
「いやまだほぐさなきゃ。俺のマグナムはこの程度じゃまだ入らな」
「うぜぇ」
あっさりばっさり切り捨てられてる最中も俺はいい子だからすでに夾の後孔に指を突っ込んで動かしていた。
やっぱりこうして顔見ながらがいいよね。
シックスナインも楽しかったけど、指を動かすたびに夾の整った顔が歪んで、じわりと朱に染まって色気が増していって、熱すぎる吐息をついて。
変化していくそれら全部をじっくり見ることができるんだから。
あえて、外して指を動かしていく。
なにをって前立腺をだ。
ようやく三本の指を飲み込むくらいに広げた後孔は蠢くように俺の指を締めつけてくる。
わずかに眉を寄せた夾はギラギラとした目で俺を睨んでいた。
おっかない眼差しだけど怖くはない。
もっと睨んでくれてもいーのに、なんて思う俺はおかしいのか。
「気持ちいい?」
笑顔で笑いかけると、
「いい加減にしろよ?」
って低い声が返ってくる。
でも少し掠れて熱を帯びているその声にもともと緩んでた口元がさらに緩んで、唐突に蹴られた。
そんな強くってわけでもないけど開いていた右足が腹部を蹴ってきて、ちょっと後にのけぞって自然と指が抜けた。
ローションのせいでちゅぽん、と空気を含んだ水音が抜けた瞬間した。
「えー俺頑張ってんのに。気持ちよくなかった?」
俺を蹴ってきた脚を掴んで太股に唇を寄せながら指を再挿入する。
ご機嫌をとるように前立腺を擦りあげてみたらひと際きつく中が締まる。
は、と艶のある息を吐きだし夾は目を眇めるとまた右足を動かして今度は俺の肩を押す。
ぐぐっとわりと強めに押され後手をついたら夾が身体を起こしてきた。
視界が反転して仰向けになった俺に夾が跨る。
「指はもういい」
飽きた、とでも言うように夾が腰を上げて、硬く張りつめた俺の半身を握った。
ぬるり、とした感触が半身から伝わる。
夾の手によって夾の後孔に宛がわれた俺の半身。
その先端がぬるぬると生温かいぬめりに擦られて硬度が増すのを感じた。
朱に染まった夾の引き締まった肌。その腹部がこれからの衝撃を予測してか少し震えて力が込められるのが見て取れて。
「挿れるぞ?」
あれ、どっちが上だっけ? ってくらいの男らしい言葉とともに俺の半身が少しづつ熱に包まれていく。
狭い熱い夾の中にゆっくりと沈んでいく。
自ら腰を落として俺のを飲みこんでいく夾の口元には挑発するような笑みが浮かんでいて、その男らしいのに色香が漂う様に、悔しいけど頭の中のネジがボンボン抜けてくのを感じた。
あー……、ガンガン突きまくりたい。
ぐぐ、っと俺の全部が飲み込まれる。
俺と夾の肌が境なく触れあって、視線が絡み合う。
ぺろり、と夾は自分の唇を軽く舐めると腰を動かし始めた。
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