10 / 12
第10話
※※※※※※※
『悠亜』
心底、愛おしそうに名前を呼ばれる。
その声に促されて顔を上げると、頬に、唇に、首筋に、口づけが落ちてきた。
くすぐったさに笑うと、相手もコロコロと笑う。
『悠亜』
亜南だった。
悠亜も亜南も裸で抱き合っている。
恋人同士が戯れるように、ベッドの上にいた。
『好きだよ』
嬉しい。
悠亜は、亜南の背中に手を回した。
『俺も・・・好きだ』
するりと、言葉が出た。
亜南が嬉しそうに破顔する。
ああ、とても幸せだと、悠亜は思った。
ともだちにシェアしよう!