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第22話 非情なアナウンス、再び

 オレの頭が、再びカウンターに沈んだ。 「なんで、また落ち込んでんの?」  カウンターに突っ伏すオレに、ユリさんの不思議そうな声が降ってくる。 「声が聞きたいって素直に言えない鞍崎さんは、物凄く可愛いです」  顔を伏せたままに、ぼそぼそと呟くオレに、耳を寄せたユリさんは、その内容に眉を潜めた。 「なに? 惚気?」 「いや…、そんな鞍崎さんに、しつこく用件は? って詰め寄ったら、恥の上塗り、ですよね…、そりゃ、嫌がられますよね……」  まるで土下座でもしているかのように、カウンターに額をすり付ける。  つんつんっと頭頂部を突っつかれた。  その感覚に瞳を上げれば、ユリさんの呆れた困り顔が視界に入る。 「いつまでも、うだうだ反省してても、なにも解決しないと思うけど?」  ふぅっと小さく息を吐いたユリさんは、言葉を繋いだ。 「用事がなくてもいつでも電話してきてって電話すれば?」  親指と小指を立て顔の横で振り、昭和なアクションを見せるユリさんに、オレは意を決するように、長く瞬きながら頷いた。  鞍崎さんの番号を表示し、通話をタップする。 『……お客様のご都合でお繋ぎすることが出来ません』  ――ゴッ  再び流れた非情のアナウンスに、打ちのめされ、オレの額がカウンターに突っ込んだ。 「着信拒否…、されてるんでした……」  悲しいお知らせを繰り返すスマートフォンをユリさんへと差し向ける。  スマートフォンへ耳を寄せたユリさんは、内容を確認し、通話終了をタップした。 「んー? これ、かなり本気で怒ってるね?」  カウンターに沈むオレの頭をユリさんの手が慰めるように、よしよしと撫でる。  撫でられる感覚に上げた瞳に、納得していないユリさんの顔が映る。 「恥ずかしい思いはしたかもだけど、そのくらいで、ここまで怒るかな? あー、やっぱり好きだなって再認識しそうなもんじゃない??」  きゅっとよる眉根は、本格的に困惑している。  このまま自然消滅…、とか、しちゃうのか?

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