「志郎が俺の部屋にいるなんて、変なかんじだ」 「？」 「今日会ったときに言っただろ。お前が忘れられなくて、お前のＳＮＳ見てシコってた」 「変態な兄ちゃんだな」 「同じ顔してるくせに。……こうしてやる」 　なだれ込むように首から耳、乳首を舐められた。舐められているうち、反応して固くなるそこが恥ずかしい。 「やだ」とでも言いたいが、この安普請では甘い声など上げられない。 　下肢に手が伸ばされ、性器を掴まれる。 「ぁ……」 　声を出してはダメだと思い息だけで反応すると、司が唸った。 「かすれ声ってやらしいな……」 「だって、声出しちゃいけないって言うから」 「バカ正直なところ、変わってないな。そういえば、ここはどうなってるんだ？」 　蕾に指が伸ばされる。思わず逃げたくなった。以前司に掘られまくったときのだるさは記憶に新しい。 「硬いな」 　そばに置いたローションの力を借りて、司の指が忍んできた。ぬるぬるとした感触が気持ち悪い。 　なのに、性器の裏あたりを指先が掠めたとき、全身の筋肉が緩んでしまうような気持ちよさに見舞われた。 「は、ぁ……っ」 　声は出せないので身を捩り、過ぎた快楽を逃がす。 「志郎、体が赤くなってきてる。気持ちいいのか？」 「いい……」 　息が上がる。指を小刻みに動かされ、ビクビクと体がしなる。 （もうダメだ、イく……！） 　射精の瞬間に備えて体を引き締めたとき、指が引き抜かれた。ころん、とうつ伏せにされる。 「司」 　振り返ろうとしたとき、尻を大きく割られ、硬いものが充てられた。――挿入されるのだと分かり、焦った。 「つ、司。俺、お前としかやってないから。久し振りだから、手加減して……」 「ごめん、できないかも」 　無情とも言える答えに「司！」と抗議の声を上げる。 「だってお前、乳首もちんこもアナルもきちんと反応してくれるし、なのに必死で声を殺してるし」 　充てられた太いものがいっそう硬くなり、内部に侵入してきた。 「あっ……くっ」 　異物が入り込んできたせいで身を固くする。どうしても声が洩れてしまう。 「声を抑えるとか……かわいすぎだろ」