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第12話(R18)
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『ラビトーの恋雫』と『宵闇草』を混ぜて調合される薬。名称は『恋闇時計』だ。持続時間は四時間以上の睡眠を取るまで。つまり長時間眠ると効果が完全に切れる。
『恋闇時計』は、強力な魔法の媚薬である。少量飲むだけで、身体から狂おしい快感が溢れ出し、身体の自由を奪う。それだけなら他に代用品が五万とあるが、この薬は飲んだ者の記憶を曖昧にするのが特徴だ。誰になにをされたか、思い出せない位に記憶が曖昧になる。但し、倦怠感やしばらく身体が疼く副作用有り。記憶を消したり、蓋をするのではなく、意に沿わぬ者に気づかせずに、身体に快楽を確実に覚え込ませられるのだ。
この薬は、王家の典医だけが調合するのを許されている。なぜならば、禁断魔法が使われている為、王族か、それに準ずる貴族にしか知られていないからだ。悪用防止もあるが、作製するのに手順が恐ろしく複雑で、賢者クラスの者にしか扱えないという理由だった。
第一王子で王太子であるファランだからこそ、この禁断の薬の存在を知る事が出来て、かつ使用が許される地位を獲得しているのだ。
「どうやら、薬が本格的に効き始めてきたようだね」
ぼんやりした表情で淫らに喘ぐラシャを見つめながら、オメガフェロモンで疼く身体を愛しげに抱きしめた。
「あぁ、ここまで長かったよ。早くラシャを抱きたくて仕方がなかった。もう朝まで寝かさないからね。たくさん気持ち良くなろう。私の形を覚えるまで離さないよ。目覚めたら私とのセックスは忘れてしまうだろうが、次も何回も抱いてあげるから。それまで身体をじっくりと開発しておこう。ラシャの中にたくさん注ぎ込んであげるから。ラシャも我慢せずに、何度も逝くといい」
さぁ、何回逝けるかな?ファランはうっそりと微笑み、抱き締めながら、ラシャのきゅうきゅうと締めつけてくる、可愛らしい下の口を掻きまぜた。そしてゆっくり抜き差しを繰り返す。
「あふっ……。あっ、あんっ……」
「ふっ……。これ、気持ち良いかい?」
「き、きもち、いいっ、よぉっ……!」
ガクガクと首を振るラシャに、ファランは多幸感に包まれる。こんな可愛い生き物は、他に探してもいやしない。彼は、一緒に腰を揺らしている愛しい弟の口唇を、再び犯す事に専念した。
「ラシャ、舌を出してごらん」
「し、舌……?」
「そう、こうやって舌を合わせてみなさい」
ファランは擽るように、舌を彼の唇をなぞった。
ラシャは恐る恐る、舌を少し出して、兄の舌に触れ合わせた。
ファランは、彼の小さな舌をゆっくり舐め始めた。舌先を持ち上げてクルクルと回したり、ふにふにと押し潰したり、きつく吸ってみたり。
「はっ、あんっ、あむっ、はふっ……」
「いいよ、ラシャ……」
気づくと、ラシャは目をつぶって、一心に彼の舌を追いかけていた。気持ち良い。もっと気持ち良くなりたいという感情が、キスを通して伝わって来る。
ファランは起き上がり、ラシャを膝に乗せたまま、ゆったりと上下に腰を揺らした。
「あ、あふっ……、んっ、んっ、あんっ……」
「はぁっ、気持ちいいかい……?」
「兄様、兄様ぁっ、これっ、深いっ、気持ちいいよっ……。」
「どこ?ここ?」
「あぁ、いいっ……、激しいの、好き……!」
「はぁっ……、激しくして欲しいのかい……?」
「うんっ、んっ……、もっと、もっと奥ぅっ、たくさん頂戴……!」
ピンクの乳首を硬く尖らせ、粘膜の接合に酔いしれたように仰け反り、誘うようなフェロモンを放つオメガ。一心不乱に甘い嬌声を上げながら、ファランの腰遣いに酔いしれる弟の媚態に、彼のアルファのフェロモンがぶわりと燃え拡がった。部屋が一段と濃厚な空気で包まれ、息苦しい程だ。
「こんなにも私を夢中にさせるとは、なんて厭らしくて悪い子なんだろうね……」
金の瞳には、荒々しい欲望が爛々と輝き燃え盛っている。
ファランは、ラシャを強引に押し倒し、彼の脚を高く割り広げた。そして中に入れていた剛直を一息に突き入れ、奥をグリグリと押し込んだ。
「ひぁっ……!あぁぁっ……!」
「望み通り、激しくっ、してあげようっ!」
「あぁんっ……!あひっ……!はっ、あっ、あっ、深いっ……!」
グチョグチョと蜜液が溢れ出る程に掻き回され、奥をズンズンと刺激を与えられる。ラシャの見開いた瞳から涙が流れ落ち、シーツに染み込んでいく。
ファランの繰り出す剛直は止まらず、速さを増しながら、ラシャの隘路を貫通させていく。激しく挿入を繰り返す内に、彼の尻を乾いた音で野卑に打たれ始めた。パンッ、パンッ、パンッ、と卑猥な音が二人の感度を上げていく。
段々ラシャの身体が快楽の兆候を現し始めた。
「あっ、はぁっ、あぅっ……、はっ、あぅんっ……、すごっ、いいっ、いいよっ……!」
「ラシャ、ラシャッ……。お前は私の物だっ……!」
「あっ、あんっ、兄様、兄様……!」
「ラシャッ……、お前が愛しいっ!私の花嫁はお前だけだっ。いっそ孕ませてやりたい位だっ……!」
「ひっ、やっ、やぁっ……!」
「そら、私の物で厭らしく啼きなさい。もっとたくさん逝きなさいっ……!」
「あっ、あぁんっ、イッちゃっ、イッちゃうっ、……!」
ラシャは仰け反りながら、内襞を思いっ切り締め上げた。
「はっ、あぁっ、あぁっ、あぁんっ……!」
「くっ……!」
ビクビクと痙攣するラシャを抱き締めながら、更に腰を抉り続けるファラン。
ラシャは堪らずに押しのけようとして、逆にお仕置きだというように激しく突かれ、悲鳴を上げた。
「いやぁっ、イッてるのぉっ……!止まっ、止まってぇっ……!」
「まだまだ、もっと感じてっ、私を満足させなさいっ……!」
「あっ、あっ、あぁっ……、またっ、きちゃっ、きちゃうっ……!あっ、あぁんっ!」
「くっ……!」
ファランは激しく腰を打ち鳴らしながら、ラシャの後孔の中に、熱い精を大量に放ったのだった。
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