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第13話 胤剤(R18)
「はぁ、ハぁ……」
どちらとも言えない荒い息遣いが、小さな灯りがじりりと鳴る、暗い庵に響く。
「やはり、若いから催淫剤は要らぬかったかな?」
乱れた息を整えると、剤は胤の陽物に目を遣った。男相手に、ましてや、自分のような者に胤が欲情するかは半信半疑ではあったが、胤の陽物は硬く膨らみ、まだ逹することができそうだった。
「若い、からでは、ない。はぁ……貴殿っ、が悪い」
悪い、と胤に言われて、些か剤は傷つくが、胤と同じ年の頃はまだ紛争の世で、火薬師だった。
そして、その紛争が終わったのは16年前。
親と子ほどではないにしても、それくらいしか離れない親子もいるだろう。
「貴殿が、あまりに煽るから」
今度は陽物の挿入だけではなく、貴殿の隅の隅まで触れたい、と続けると、胤の指は剤の細い鎖骨や喉仏に触れる。そこから、唇に触れ、歯と歯をこじ開けて、東の国の縦笛である尺八のように舐めさせる。
「んん……はぁ……んぅ……」
剤の腰はまた揺れて、その身に棲まう蝶はまた淫らに舞い始めた。
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