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第4話
部屋が静寂に包まれて、無理やり飲まされた痛み止めの効果なのか、透はいつの間にか眠っていた。あまりの痛みに目が覚めて、うつぶせになってベッドに横たわっている自分がまだ裸であることに嫌悪した。腕を伸ばして毛布をひっぱり体に巻き付ける。動くたびに体中が痛い。右足首の嫌な感触に吐き気を催した。
透は大声で叫びながら鎖を引っ張った。千切れるはずもないそれをあきらめて足首に巻かれた革のベルトに手をかけて無理やりにむしり取ろうとする。めちゃくちゃにわめき散らして、暴れて、歯を食いしばって力任せに引っ張ってもその鎖から自由になることは出来なかった。
雪政は食事を運んでくると自らの手で透に食べさせ、そのあとに当然のように透を犯した。繰り返されるその凶行は透から考える気力を奪い去った。体が慣れてくると、少し我慢をすればすぐ終わると思うようになった。ほんの少しの嫌な時間。それ以外はずっと寝ていた。筋肉が落ちて足が細くなっていくのが目に見えて分かった。最初は食べ物を受け付けずに吐き戻していた胃もいつの間にか普通に食事を消化していくようになった。
雪政は思いやり深く愛情をこめて透の世話を焼いた。何をしながらも「愛してる」とささやいた。その度にびくつく透に微笑みながら頭を撫でる。透は何一つ自分ですることはなく、しかし身ぎれいに雪政によって整えられていた。
服は与えられず風呂に入るのも食事をするのも髪をとかし爪を切ることまでされて、自分の意志で動くのは用を足す時ぐらいだった。
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