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第4話 LUST CHRISTMAS ③
康太と榊原は夜が明ける前に寝室へと戻った
「奥さん 夫婦の語らいが不足しています」
榊原は康太を抱き締めて囁いた
「子供がいると、子供中心の生活になっちまうからな‥‥」
「それは良いのです
君と僕の子との時間は大切ですからね
でも‥‥僕は君との時間も大切にしたいのです
君を抱き締めて、君と愛し合う時間も大切にしたいのです」
「だな、それが一番大切だとオレも想う‥‥
オレにとって命よりも大切なのは青龍、おめぇだけだかんな」
「僕にとっても君以上に大切なモノなどありません」
榊原は康太に口吻けた
軽く合わさる唇が互いを求めて‥‥深く貪り合う
榊原は器用に康太の服を脱がすと、勃起して窮屈そうなズボンを服の上から撫でた
「伊織‥‥脱がして‥‥」
「僕を欲しがって‥‥勃ってるのですか?」
「それ以外に‥‥オレが感じる訳ねぇだろ?」
康太が謂うと榊原は嬉しそうに笑い乳首を引っ張った
心臓の方に付けられたピアスは榊原の所有権の現れだった
榊原伊織のモノだと謂う独占欲の象徴だった
榊原は歯でピアスを齧ると片方の手で乳首を摘まんだ
ギューっと強く摘まんだ後にペロペロ舐める
敏感になった乳首がじんじん熱を孕み‥‥プクっと膨れ上がっていた
康太は榊原の下肢に腕を伸ばして、榊原の昂りに触れた
「伊織もオレを欲しがっているんだろ?」
「当たり前です!
君以外になど性欲など湧きません!」
「ならオレを愛せよ!
お前の愛でオレを愛せ!」
康太はそう謂うと足の爪先を榊原の目の前に出した
榊原は康太の爪先に口吻け‥‥指を口に含んだ
指の一本さえも愛しそうに榊原は口に含み舐めた
康太は榊原のズボンの前を寛げると、下着から性器を取り出して先っぽを舐めた
「もうベタベタじゃねぇかよ?」
悪戯な指先が榊原の亀頭の皮を捲り、開いたお口を舐めた
そして指は雁首の括れをなぞった
雁首のイボイボを逆撫でる様に引っ掻き‥‥‥下へと下りて逝く
陰嚢の裏側を持ち上げ蟻の門渡りに舌を這わせた
榊原は堪えられなくなり、康太を抱き上げた
「悪戯っ子は掴まえてないと僕をイカせてしまいますね」
「ならイケなくしてやんよ!
お前の体躯は誰よりも熟知してるかんな!」
康太が謂うと榊原は康太のズボンを下着ごと脱がした
プルンっと康太の勃ち上がった性器が飛び出した
ソレは既にカウパーでベタベタに濡らしていた
「君の‥‥お口‥‥もうベタベタではしたなく溢してますね」
「おめぇのも同じだろ?」
康太は抱き上げられ抱き締められても懲りずに、榊原の股の間にある足を持ち上げ、榊原の陰嚢を持ち上げた
堪らなくなった榊原は康太の足を持ち上げると、枕の下に忍ばせたローションを取り出した
「君が欲しくて‥‥狂いそうです」
榊原が謂うと康太も「オレもお前が欲しくて‥‥既に狂ってる」と唆した
康太はローションを垂らしやすく、うつ伏せになりお尻を突き出した
柔らかなお尻の双丘を左右に開くと、ピクピクとヒクつく赤く熟れた蕾を榊原に見せ付けた
榊原は赤く熟れた蕾を見せ付けられ‥‥ローションを蕾目掛けて垂らした
「ひゃっ‥‥‥冷たっ‥‥」
ローションの冷たさに康太が身を竦めると
「直ぐに熱くなります」と言い指を挿し込んだ
最初は一本の指で中を掻き回す
うねうねと畝る腸壁を掻き分けて指を増やす
康太の前立腺を刺激すると、指を飲み込む様に煽動し、奥へ奥へと取り込もうと咀嚼を始めた
榊原は指を抜くと、康太を抱き上げた
向かい合わせに座らせると口吻けた
康太は榊原の肉棒の上に蕾を合わせると‥‥
咀嚼を始めた
血管の浮き出た赤黒い榊原の肉棒を、康太の穴が食べる様に飲み込んで逝った
雁首のエラの部分を飲み込んでしまえば、挿入は楽になり、総てを入れるまでにそんなに、時間は要さない
榊原の全部を飲み込むと、康太は息を吐き出して弛緩した
榊原は動きたいのを我慢して、康太の中が落ちてくのを待った
本当ならガシガシ動きたいだろうに‥‥
康太が榊原を受け入れ感じてくれる時を待つのだった
康太は落ち着くと、腰を上下に動かして動いても良い合図を送った
榊原は康太に口吻け、指は乳首を引っ掻き康太を感じさせようとした
抱き合い少しずつ腰を使う
一気に射精したい気持ちはあるが‥‥
少しでも長く繋がっていたい気持ちも大きい
ギュッギュッと腸壁が榊原のカタチを覚えて締め付ける
その快感に榊原は堪らなくなり、腰をグランドさせた
激しく康太の体躯が上下する
康太はニカッと笑って
「オレを欲しがれ伊織」と焚き付けた
「欲しがってるでしょ‥‥‥っ‥‥君しか欲しくて止まりません‥‥‥‥ぁ‥‥あぁっ‥‥‥」
言葉と共に榊原は射精を迎え‥‥‥
康太の腸壁に熱く滾る精液を飛ばした
お腹がじんじんと熱くなり、康太は身震いした
それが榊原を刺激して更に太く存在感を示した
続け様に腰を使われて康太は仰け反った
「伊織‥‥オレはお前を感じさせられてるか?」
「感じてるに決まってるじゃありませんか!」
「伊織‥‥オレの愛する蒼い龍‥‥」
康太はそう言い榊原に口吻けた
榊原は欲望の限り康太を求めた
康太は持てる総てで榊原を愛した
ポチャンと冷たい水滴が康太の顔に垂れて、康太の意識は覚醒した
康太が目を醒ますと、そこは浴槽だった
湯船に浸かり‥‥榊原に抱かれて暖まっていた
「伊織‥‥」
「目が醒めましたか?」
「また気を失っていたのか?」
「止めれませんでしたからね‥‥」
榊原は腕の中の康太を強く抱き締めた
「伊織‥‥満足してる?」
「満足してますよ?
僕は君しか愛せませんからね」
「‥‥‥オレは特別綺麗な訳でも、すげぇ体躯を持ってる訳でもねぇからな、お前を満足させられてるか‥‥解らねぇから不安だった」
突然の康太の言葉に榊原は驚きつつも
「僕は君を愛していると言いませんでしたか?
僕は君だから愛せるのです
他の誰かでは意味がない
君も僕と同じ想いじゃないんですか?」
と榊原は胸の内を告げた
康太は「すまなかった‥‥」と謝った
「何が君を不安がらせてるか‥‥話して‥‥
二人で乗り越えて来たのです
これからも二人でならば、乗り越えられない道はありません!」
「‥‥‥伊織‥‥年を越したら‥‥子供達に総てを話そうと想う‥‥‥」
康太は覚悟を決めた瞳を榊原に向けた
榊原はそれを受け止め
「そうですか‥‥もう‥‥そんな年なんですね」
「アイツ等の果ては決まっちゃいねぇ‥‥
好きな果てへ逝かせてやるつもりだ」
榊原は康太を強く抱き締めた
「君の想いは杞憂に終わると想います」
「だと良いけどな‥‥」
「僕たちの子が弱い筈などないのです
総てを知ったとしても、彼達は僕達の子でいようとしてくれます」
榊原は妻を強く抱き締めた
この腕さえあれば生きていける‥‥‥康太は想った
愛しい男に支えられ、康太は立って前を向く
今までも、これからも‥‥‥
目を背ければ真実は見逃してしまうから、目を逸らす事なく前を見て歩いて逝く
逃げ道など用意せず、己の道を信じて生きて逝く
榊原がいればこそ、来れた道程だった
榊原は立ち上がると康太を抱き上げたまま浴槽から出た
体躯を丁寧に拭き髪を乾かした
康太を乾かすと榊原も自分の体躯を拭いて髪を乾かした
そしてシーツを変えると全裸のままベッドに入り込みい抱き合った
互いの素肌のぬくもりが伝わる心地よい時間
榊原は康太の額に口吻けを落とし
「君は逝けば良いです
君の背は僕が守ってあげますから‥‥」
「伊織‥‥」
「君は信じた明日へ逝けば良い」
「ありがとう伊織
オレが逝けるのはお前がオレを支えてくれるからだ‥‥」
「子供達と初日の出を見に行きますか?」
康太の背がビクッとなり息を詰めた
そんな康太の背を優しく撫でて榊原は
「部屋を取ります
初日の出を見ましょう‥‥
そしたら君は子供達に総てを話せば良い‥‥」
と提案した
引き伸ばせば‥‥‥言いずらくなる
なれば年が明けると同時に‥‥‥
康太は瞳を瞑った
刹那の時は明日を刻むしかない‥‥‥
総てを話す
それは親ではないと告白する事となる
残酷な言葉はきっと子供を傷付けるだろう‥‥
それでも逝かねばならない現実に‥‥
康太は榊原に抱き着いた
怖くない筈などないのだ‥‥
クリスマスの夜
康太は覚悟を決めた
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