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第48話 夏休み 直前

世間の子供は夏休みに突入していた 飛鳥井建設も8月10日から18日までは夏休みになっていた 夏休みは何処で過ごそうか?と宗右衛門の部屋で話し合いをしていた 康太は「なぁ烈、今年も白馬辺りが妥当かな?」と、暗に夏休みをどうするか?問い掛けた 「今年はね、海が良いってちっこいのが今、凄く頑張っているのね……… 凛なんて裏か表か解らない程に黒いからね……」 「でもな、ちっこいのが海水浴場に行けば危険度上がらね?」 「其処なのよ………しかもホテルは取れないわよ 前もって決めておかないと大人数での移動は無理なのね!」 「だよな………海に行きてぇが……」 「お盆前後は引き摺られちゃうから、視えちゃう子は近寄るのも危険なのよね……」 「……ならどうするよ?」 「だから母しゃん、ボクね白馬近くの別荘を借りる気なのよ! 有栖院家の避暑地なのよ! 真理亜が別荘の庭にあるどデカいプールがあると謂うのよ! だから暦也もボク達が行って楽しんで来てくれって!言ってくれてるのよ! 凛は裏も表も解らない位、真っ黒になりたいみたいなのよ! 飛鳥井建設は夏休み一週間位あるのかしら? 翁もね『その間は有栖院家の別荘で、ゆっくり過ごしたら良いよじゃろ!』と言ってくれてるのよ ちっこいのはまだ目を離したら迷子になりそうだし、やっぱ心配なのよね………」 「おっ、丁度、飛鳥井建設は一週間の休暇を取るつもりなんだよ! そしたらどデカいプールでプカプカ浮きたいよな オレ等はめちゃくそ疲れたよな………… 天界から還って来たばかりだしよぉ……… やっと烈の意識が戻った思ったら、夏休み半分終わってるし……」 と康太はボヤいた 烈も「本当にね………ボクなんか、その前から魔界へ行ったり来たりでさ………… その上天界よ?そして串刺しにされ死にかけたのよ? もぉね身も心も疲れ果ててるわよ でもまだ問題山積だけどさ、夏休み位は楽しみたいわよ!」とボヤいた 榊原も「僕も………殺されそうになるし………身も心も疲れ果てましたよ! 本当に、我等には休養が必要です! なら別荘を使わせて貰いましょう!」と言う 皆は頷いた 榊原は「仕事終わって直ぐに白馬に向かって構いませんか?」と問い掛けた 「それで良いわよ、ならその様に暦也に言っとくわ! あ、そうだ、白馬の有栖院家の別荘にもう【R&R】のメンバーや兵藤きゅんやりゅーまがいるのよ!」 と言い烈は有栖院家のどデカいプールが映った画像をホルダーを開き、見せた その写真を見て康太は「畜生ぉー!」と悔しがった 烈の見せた写真は有栖院家の別荘のプールで泳いで休暇を満喫するメンバーや竜馬や兵藤がいた 康太は「何よ!此れは!アイツ伴侶見つけたから男前度上げてね?」と難癖言う モデルでも通るイケメンが日に焼けて笑って写真に映っていた 榊原も写真を覗き込み「何か腹が立ちます!僕の方が男前です!」と言う 烈は「父しゃんは男前よ!ボク、父しゃんの背中に乗り飛ぶの大好きよ! 凛として、存在感のある父しゃんがボクの誇りだから!」と言い父に抱きついた 榊原は烈を抱き締めると、康太も抱き着いた 「母しゃんも大好き!」 「当たり前だよ!オレ等はお前の父ちゃんと母ちゃんだかんな!」と言いビシッと強く抱き締めた 其処へ西村がやって来て 「本当に仲の良い親子だな! ほらほら、お仕事しろよ! 唐沢が困ってるだろ!」と言った ヨーコは黙々と社長の仕事して、かなり手厳しく詰めて行く 社員からは恐れられていたりした 榊原は「だってヨーコが僕の仕事してしまうから、僕は暇なんですよ!」とボヤいた 西村は呆れて「そのヨーコはウッズスタンが始動したらいなくなるだろうが! 楽覚えると苦労しちまうぞ!」と釘を刺す そして「飛鳥井建設の夏季休業のお知らせを作らねぇとならねぇから聞きに来たんだよ!」と言った 康太は「今年は9日まで仕事で10日から18日まで休みだ!」とウキウキと言う 「ならば10日から18日までの夏季休業と謂う事で、会社の表に張り出し、HPにはお知らせを載せておくとする!」 「それで良い!お前も夏休みは楽しんで過ごせ!」と言うと西村は 「ならば今年は娘や娘の家族と旅行にでも行くとするかな!」と言った 西村の子ども3人は芸能界を引退していた 結婚して、普通の暮らしをする為に、芸能界を引退し普通に過ごしていた そして子を産み、平凡だけど幸せな日々を送っていた 西村は……我が子が少しだけ羨ましかった 自分が手に出来なかった平凡な幸せを手にしていたから……… だからと言って不幸になどなって欲しくはない 西村は軽く会釈をすると社長室を後にした 康太と烈はワクワクとしていた 「ボクも早く泳ぎたいのよね」と言う 「オレだって泳ぎてぇよ!」 待ってろ!夏休み! ワクワク ウキウキ  身を焦がす程の夏休み

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