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第49話 夏休み

飛鳥井の家族達は8月10日の早朝……まだ夜も明けやらぬ時間からバスに乗り込んだ 混雑を避け仕事を終えて食事を取り夜中に出掛けたのだった 高速はそんな考えの奴等がまぁまぁいて、深夜だと謂うのに、そこそこの車はいた 飛鳥井のバスの後ろに、家を出た辺りからピタッとくっついて走る車がいて慎一は警戒した 偶然か?故意なのか?慎一はドライブインに入り様子を見ようとした その後ろにピタッとくっついて来る車もドライブインへと入ってバスの横に停まった 様子を見ているとバスから降りた男がやって来た 「何か食うのか?なら俺等も食うとするか!」 と言い来たのは神威だった そして神野や須賀、相賀に柘植の姿もあった 慎一は「え?何故?貴方達が?」と驚いていた 神威は「儂らも夏休みに突入するからな! 烈に誘って貰ったから慎一が運転する車の後を着いて走って来たんだよ!」とあっけらかんと謂う 慎一は「尾行か追跡かと警戒したじゃないですか! 来るなら来るって連絡位寄越しなさい!」と怒った 神威は「すまん……烈に誘われたから皆で出向いて来ちまったんだよ……… 今から引き返すなんて………悲しすぎるから帰れって言わないでくれよ!」と訴えた 烈は眠い目を擦り「ボク 慎一きゅんにラインしたわよ!あれ?間違えたかしら?」と謂う 慎一は携帯を出すと烈からのラインが入っていた バタバタして、携帯なんて見ていなかったのだ…… 「………すみません俺が見過ごしていたみたいです!」と謝罪した 神威は「後ろ走って良いか?」と問い掛けた 慎一は「はい!着いて来て下さい!しかし焦りました……妨害ならば楽しい夏季休暇はなくなってしまいますからね!」と謂う 神威は「変な車はいたんだよ、でも儂が強引に入り睨むと何処かへ行っちまった 神野辺りならソイツの写真でも撮ってねぇか?」と謂うと神野は「証拠残しておいたぜ!」と謂う 烈は「翁の別荘に行き、一眠りしたら見るわ!」と言いまた眠る 康太は「烈はまだ怪我が治ってねぇからな………」と謂うと皆は月見うどんを頼み食べていた 「あ!オレも月見食わねぇと伸びる! お前等も何か食えよ!」 と謂うと月見うどんを食べ始めた 烈はレイと半分ずつに分けて食べても、眠くて全部食べ切れずにうとうとしていた 大空が弟を何度も起こし、食べないと判断すると残りを全部食べてやった バスに戻り有栖院家の別荘へ向かう 有栖院家の別荘は白馬のホテルよりかなり山奥側にあり、当時は避暑地として軽井沢に継いで白馬は別荘を持つ事が流行っていた時があった…… 今じゃ倭の国は全国各地で暑く、避暑地にはならないって事もあり、下火になっていた……… 有栖院家の別荘は当時のままの美しさを誇り、存在していた 屋敷に向かうと、朝早くだと言うのに楽しげな声がバンケットルームから響いていた ドアを開けて中へ入ると、その音に気付き竜馬がお出迎えに来た 烈の姿を見つけると竜馬は「烈ぅ〜!」と飛び付いた 「りゅーま………痛い……」 「え?また怪我したの?」と竜馬は心配する 良く見れば、あっちこっち怪我していた 烈は「ボクの部屋は?」と問い掛けた 竜馬は「俺と貴史と同室だよ!」と謂うと烈は荷物を押し付けた 康太は「オレ等の部屋はどうなってるのよ?」と問い掛けた 兵藤が「この別荘は部屋数があんまりないから家族単位で使うしかないな!」と言った するよヘンリーも「部屋は広いけど数はないんだよね!」と謂う 「部屋は残ってるか?」と問い掛けた 「部屋は残ってるよ! 【R&R】のメンバーはバンケットルームで寝泊まりしてるからな バンケットルームには主寝室とサブの寝室も兼ね備えているから皆で其処に泊まり込んでるからな」 と兵藤が言う 「取り敢えず烈に前もって話をしていたから、部屋割りは烈がしてるんだよ!」と言い 部屋を書いた紙を取り出すと、皆に伝えた 「一階の一番奥の手前の部屋を慎一とちっこいのの部屋になる! 慎一、ちっこいの頼めるか?」 と謂うと慎一は「大丈夫です、では部屋に行きますよ!」と言いレイと凛と椋を連れて一番奥の部屋へ向かう 「神威達はその手前の中庭に面した和室2部屋を続きで使うとの事だ!」 と謂うと神威や神野、柘植、須賀、相賀は和室に向かった 「清隆さんと玲香さん、真矢さんと清四郎さんは客間です! 主寝室とサブの寝室があるので、そちらへどうぞ!」 と謂うと一番奥にある部屋へと向かった 広くて角部屋になる部屋は客間にしてあるだけあって、天井は高く広い部屋だった リビングがあり、それに沿って2部屋あった 子供達は2階に寝泊まりする事になった 2階の突き当りのかなり広い部屋を竜馬と兵藤が使ってるから、烈はその部屋で寝る事にした 翔達、北斗達も部屋を決め、2階の部屋に決めた 一生と力哉、聡一郎と悠太、康太と榊原は離れで泊まる事になった この別荘は別荘の横に離れがあるのだった 有栖院家の者が来客に気を使わずに寝れる為の離れがある その部屋は完全防音と翁に謂れていた そもそも白馬の別荘は来賓を持て成す為に、建てられた別荘だから客人用と自分達用と線引きされ建てられていたのだった 一生と力哉は一階の手前、聡一郎と悠太は一階の奥側  康太と榊原は2階全部屋を使用する 烈と兵藤の気配りだった 「此れで心置きなくイチャイチャして構わないのよ!」と烈が言う 遥か昔から宗右衛門は常に二人の事を気に掛けて、二人きりにしてくれていたのを思い出す 榊原はそんな烈に報いる為に 「美味しいの沢山つくりますからね!」と謂うと 烈が「ひなにーと、かなにーがね、デザート作ってくれるのよ!」と嬉しそうに謂う やはり料理好きのDNAは受け継がれていて、太陽と大空は弟やちっこいのの為にデザートを作ってくれていたのだった 料理を作る慎一と榊原の横で三角巾とエプロンを着けた太陽と大空がデザートを作る 真矢は「誰に似たのかしら?」とあの料理好きの遺伝子を想う 清隆は「父 源右衛門は料理好きでしたからね………」と懐かしげに謂うと玲香も 「あぁ、お義父様は本当に料理好きであったな! 晩年は作らなかったが、義母様がいた頃は何時だって義母様の為に作っておったわ!」と話す 清四郎はそんな父の話を聞くのがとても嬉しく思っていた 「ならば伊織の料理好きは祖父譲りなのですね……」と笑う 真矢は「ならばあの潔癖症は?誰ゆすりなのかしら?」と呟いた 清四郎は「私の兄は……綺麗好きでした………母さんに気遣ってそうしていたのだと思っていましたが………伊織を見てると潔癖症だったんでしょう…… と今ならば思えます」と話す 忙しい母に代わり何時だって部屋を綺麗に掃除をしていた 洗濯もアイロンとか高くて買えなかっが………布団の下に服を伸ばして敷いて型付けしていた そんな様子を思えば想う程に似てると思うのだった 清四郎は嬉しそうに話す 真矢は夫が嬉しそうに優しい顔で話す姿を見て嬉しかった 昔は家族の話は一切してくれなかった だけど今はこうして話してくれるのだ…… こうして始まった有栖院家での夏季休暇の始まりだった 烈はバンケットルームの大きなテーブルで朝の涼しい内に御影と唐沢とヨーコを連れて意識改革のお勉強の真っ最中だった メンバーも竜馬も加わり、本格的な勉強を施される 朝食前と夕食後にはミッチリ勉強が入っていた 御影は随分と柔和で柔軟性が出来て来ていた 唐沢はまだまだ石頭炸裂させる時があるから、四方八方から英語で非難轟々となる ヨーコは日舞とお花を烈が教えていた そして朝食後宿題を片付けた後は、プールで思い切り楽しむのだった 有栖院家の庭の木にロープを張り、シーツを其処で干して乾かす 掃除と洗濯する習慣が着いてる兄弟は、せっせと日頃の日課を熟し過ごすのだった 因みに………呑兵衛達も、昼前にはプールに入り皆で楽しんていた もっぱら玲香と真矢と京香はビキニを着て、サンオイルを塗りプールサイドのチェアに寝そべり日焼けしていた 康太は「日焼け止めじゃなくて、サンオイルかよ……」とボヤいた 神威も泳いで遊んでる以外はレイと凛と椋とプールサイドにチェアを並べサンオイルを塗って日焼けしていた ヘンリーは「何よ、あの連中はぁ!」と言いつつ、その横で日焼けしているのだった 唐沢は毎日が楽しくて……… この頃は子供の頃を思い出していた あの頃の自分は……夏休みが大嫌いだった 両親の何方にも似ない自分は、母親から邪険にされ……ご飯も食べられない時があった 夏休みになったら給食が食べられない そしたら祖父の家に行っていた……… バラックの造りのあばら家みたいな家だったけど…… 祖父は優しく自分は食べなくても食べさせてくれていた 金があっても…………無視していない者として扱う親が大嫌いだった その祖父も死に……自分は養護施設へ行く事を望み……親と縁を切って過ごした 後になって解ったのは………自分は母にとって父親の連れ子で、あの人とは血が繋がっていなかったと知った そりゃ嫌われるわ………… 生みの母親の遺産は…………自分が成人した時に渡される筈なのに………全部使われてしまっていた だから警察に横領で訴えた 父の家族は…………離散した そして自分も天涯孤独になった………… それ以来…………自分にはなにもないと……何も望まず、何も期待せず生きて来た 唐沢がそんな思いに耽っていると烈が 「あ~!!何でこんなに似たの目の前に引き出して来るかな!」とボヤいて地団駄を踏んだ 康太は笑って何も言わなかった 榊原も右に倣えで何も言わない 一生はハラハラと烈を宥めていた 烈は唐沢の目の前に行くと 「何も望まい 何も期待しない 期待するだけ無駄だから………… 何かを期待して何が変わる? 何も変わりはしないわよ! 何かを望んで絶望するならば……… ボクは最初から何も期待していてもいない!」 まさに今、考えていた事を謂れ、唐沢は唖然となっていた 慎一と一生は烈を抱き締めて泣いていた 一生は「どうした?烈………俺は何かお前にしてしまったのか?」と泣きながら聞いた 慎一も「烈………そんな昔の自分の様な事は言わないでくれ…………俺等は烈に何かをしてしまったのか?」と泣いていた 「違うわよ!カズ、慎一きゅん! 此処に全てにおいて絶望してるヤツがいるのよ!」 と烈は言った 一生と慎一は烈の目の前にいる唐沢を見た 竜馬はそっと烈を抱き締めた 兵藤は唐沢をガシッとホールドすると 「さぁ総て話しやがれ!烈!」と言った 「唐ちゃんは今 変革期にいるのよ 心を全て殺して、自分を雁字搦めにして来たから、この前鎖で雁字搦めにしていた枷を切ってやったのよ! そして今、自分を見直す時に直面してるのよ たけどさぁ、此処まで似てたなんて、ボクは少しだけ母しゃんを恨みたくなるのよ!」とボヤいた 竜馬は「似てる?何処らへんが?」と問い掛けた 「ボクね、期待していないのよ 何一つも、期待してないのよ だらからね、別にどうでも良いのよ! そのスタンスは変わってない ボクのベースが復讐する事しか考えいないヤツただったからね根暗なのよ!」 烈が謂うと一生と慎一は泣いた 「だけど過去はどうしようと出来ない!」 烈はそう言い一歩ずつ唐沢に近寄る 「過去がどれだけ苦しくても………」 唐沢は後退った 「今の自分がそれに囚われてどうするのよ? まぁ復讐に囚われ、復讐を終えたら死ぬ事しか考えてなかったボクが言える事じゃないけどね………」 もう………後がないプールサイドにやられ唐沢は 「烈……」と呟いた 烈は唐沢に飛び掛かると、唐沢の体はプールの中へ落ちた 苦しい………… 動けない……… 息が吸えない………… 足掻く体は重い……… すると兵藤が唐沢をプールから引き上げた 「烈、溺れさせるな!」とボヤく 「泳ぎを忘れたの?唐ちゃん?」 「え?………」 「手足を動かして泳ぎなさいよ!」 あぁ…………泳げる自分を忘れていたかも……… 大空が「烈、包帯濡れちゃった?」と聞いて来た プールサイドにいても烈は泳いでなかった 服を着て日陰で皆を見ていただけだった 太陽も音弥も流生も翔も慌てて救急箱を持って来る 慎一と一生は烈の服を脱がした 血が滲む怪我を目にして、慎一は烈を抱き上げると「プールは塩素あるから風呂に入れて来る!」と言いプールサイドを去った 兄達は救急箱を持って屋敷の中へと駆けて行った 康太は唖然とする唐沢の横に座ると 「飛鳥井宗右衛門は人の世に堕ちる前は神だった!」と話し始めた その事は魔界にも天界にも一緒に行った唐沢には痛い程理解していた 「聖神は素戔嗚尊の直系の孫だった その頃は魔界は素戔嗚尊の親族と言う輩が大きな顔をしていたから、直系なんて邪魔にしかならない存在だった だから嫌がらせされ、熾烈な虐めに遭っていた 一族のヤツに取ったら、絶望てもしてこの世から消えてくれれば手間が省ける………そんな簡単な気持ちだった 聖神は絶望の中にいた だがそんな聖神だが愛する人が出来たんだよ 愛する人と子が出来……一番幸せな最中…… 妻は略奪され目の前で犯され……子は飢えて衰弱し、聖神は復讐の鬼と化した 聖神は叔父に当たる存在を巻き込んで魔界に謀反を起こた どれだけ泣き叫ぼうか救いのない現実に………聖神は全てを諦めた そして総てを巻き込んで復讐を遂げる事を決めた 何も期待しない 何も求めない 全てにおいて……どうでも良い 神も仏もこの世にはいない そんな絶望の果てが、烈のベースに在るんだよ!」と説明した あまりにも重いじゃないか…………唐沢は想った 自分とは比べ物にモノにならない程に重いじゃないか…… 「オレはさ唐沢、お前の苦しみも哀しみも断ち切れはしない………と判断したから烈に託したんだよ まぁ烈と合わせる事で、どんな化学反応が起きるか?期待もあったんだよ!」と話した 唐沢は嫌な顔をした ヘンリー達は黙って様子を伺っていた が、其処は【R&R】流で行くしかない! とデービッドは「泳ぎ忘れたんデスかぁ?唐ちゃん!」と問い掛けた 竜馬が「なら浮き輪用意するか?」と言うと兵藤が「ボートが良いか?」と言った 唐沢は「泳げるわ!」とムキになる なら泳げ!とメンバーが世話を焼き、その場を一瞬で変えた 康太もキスマークなんて何のその!泳いでいた 吸われた過ぎ肌が痛いが………何のその! レイは浮き輪でバタバタ泳ぐと凛と椋はスイスイ泳いでいた 神威がレイの浮き輪を押してやると、レイは喜んでいた 手当して烈が慎一と一生とやって来ると祖父母は心配して烈の傍に行った 真矢が「ばぁたんがかき氷作ってあげるわ!」と謂うと京香が「なら我がシロップをかける!」と言い、玲香が「ならば我は練乳じゃ!」と言った でも結構かき氷って体力を使うわぁ……… 真矢がヘロヘロになると瑛太が続きを変わりカリカリとかき氷機を回していた 烈は赤いシロップを掛けてもらい、練乳をプラスして貰うと、笑顔でそれを食べ始めた ヘンリーは「僕達も欲しい!」と謂うと、瑛太は 既に疲れ果てて「セルフサービスです!」と言った 仕方なく兵藤が捩り鉢巻きをすると 「うしうし!翔達、兵藤君が作ってあげるからな!」と頑張ってかき氷の機械を回しまくった 途中で竜馬にバトンタッチして神威、神野達も協力してくれ、全員の分のかき氷を用意して、全員でかき氷を楽しんだ 途中 キーンとなるのを我慢して皆で食べた 唐沢は「………ごめん烈………」と謝った 烈は「お盆過ぎたら唐ちゃんの職場に行くから!」と謂われた 「え?何故?」 「仕事ぶりを見なくっちゃ! 此れからは更に難解な問題が出て来るかもね 美濃部一徳は再び姿を現し、難解な時間の序章を告げるわ……… それに門倉と謂う暴走族だった子が消えたのよ 悪用されてなきゃ良いけど……… 後 それに大仏とか謂うヤツも絡んで来て、厄介な事態を引き起こすわよ! そんな時、唐ちゃんだけ動けても仕方ないのよ! 何班かに分かれて情報収集出来て、尚且つ唐ちゃんの後継者になるべき存在を育てなきゃ! 今後は息も着かせぬノンストップで仕掛けてくるわよ! それには絶対の結束力と単独でも動ける力が必要となるのよ! ここいらでテコ入れしとかなきゃ、ボク等が大変なになるのは目に見えてるし、頑張ってね唐ちゃん!」 其処まで考えていたのかよ?と康太は今更ながらに痛感させられ 唐沢はチーム力と謂う未知の世界へ行かされる不安を抱きつつも、逝くしかないと想った 康太は烈に少し前に門倉を知らないか?と尋ねられていた 「門倉仁志って会社にいるかしら?」と聞かれた 康太はそう言えば最近見てないな…と思い人事課の奴を呼び出して調べさせた すると入社して半年で門倉は辞めていた 「烈………門倉………知らない内に飛鳥井建設、辞めてたわ………」と告げた 康太は何故門倉が辞めたのか? 想像も付かなかった 何が起きてるんだ? 胸騒ぎが止まらない 康太にも予測不可能な未知なる世界の果てに………… 何が待っているかは解らない だが今は、夏休み中なのだ 楽しまなきゃ! 夜は庭でバーベキューをやった 新鮮な魚介類とお肉とソーセージをふんだんに使い、地場野菜も使い調理した 皆と食べる料理はどれも美味しくて、お腹がはち切れそうだった 夏季休暇は毎日泳いで日焼けをした 泳いで日焼けして過ごす そんな日々を送る凛は裏も表も解らない程に日焼けして御満悦だった フルチンで日焼けしようとするから、プールサイドから離され、芝生の上に移動させられたのは…………言うまでも無い 烈は神野から神威達を着けて来た車の映像を貰った 暦也に車のナンバーと運転手の映像を送ると……… 車のナンバーは盗難されているナンバープレートだと判明 車は盗難届が出ている車種と一致した 暦也は即座に手を打ち、全国の警察に運転手の映像の照合を依頼した 盗難車で、盗難プレートに乗る運転手を、見つけたら即座に身柄の拘束を依頼した 烈はその運転手こそが門倉仁志なのでは?とは思っているが………如何せん、烈は門倉の顔を知らないのだ…… 康太も門倉には何年も逢ってなくて……この顔が門倉だと言い切るには………サングラスと帽子を被った姿では確かな事は言えなかった 何の目的で跡を着けているのか? 定かではない……… だが烈は夏休みが終わるや否や 家族とは別行動せねば……と想った 翔も流生も音弥も太陽も大空も楽しい夏休みを満喫していた 烈は夏季休暇が終わって横浜へと帰ったら兄達を菩提寺へ避難させようと考えていた 「横浜へと帰ったらにーに達は菩提寺へ行くのよ!にーに達は10通夜、凛達は5通夜を達成出来る為に泊まり込みで合宿するのよ!」と謂った 康太は「なら神威に菩提寺に送って貰うか? オレ等と神野達は飛鳥井の家に還るわ! それでどうよ?」と問い掛けた 「そーね、それで良いわ! 短期集中で情報収集して打つ手を見つけるわ!」 「おー!そうしようぜ!」 きっと烈は皆より早く帰り消える事を知り康太は言った 夏季休暇中は泳いでばかりではなく、白馬で一番大きなアウトレットモールに行き、ショッピングを楽しみ服を買ったりした 見たかった映画も皆で見て、美味しい物を食べ歩きした で、また別荘へ帰り、泳いで、美味しいの食べての繰り返しで 夏休みは終わりを告げた 夏季休暇を終えた夜 翔達は神威に飛鳥井の家に帰る事なく菩提寺へ送られる事が決まった 兄達は何かを感じていたが何も言わなかった 清隆も瑛太も烈の思惑は察して何も言わなかった 夏休みが終わり新学期が始まるまでに…………見通しを付けたかった 一刻も早く目の前の蠅を片付けるつもりだった 夏季休暇 が、終わって還る時 既に烈はいなかった 唐沢と兵藤と竜馬と【R&R】のメンバーも、烈と共に還ったと謂う 飛鳥井の家族と神野達は飛鳥井の家に向かい 神威は翔達を菩提寺へと送り出す為に菩提寺へ向かった 皆 烈の不在を気にしつつ、横浜に帰り客間で宴会した 飛鳥井の楽しげな笑が響き渡った 夏季休暇は終わった

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