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第54話 新婚旅行ラプソディ

魔界から還って、黒龍の新婚旅行に同行した 黒龍が妻 紅花(ホンファ)は見るモノ総てが初体験で、興奮しまくっていた 旅行当日はまずは富士急近くのホテルで2泊 ロイヤルホテル河口湖で泊まる まぁまぁのお値段で尚且つ【和】を見せるなら此処だと思ったからだ まずホテルにチェックイン ホテルに荷物を置き、向かうは富士急! 一日遊べる一日チケットで周回 そして別チケットで戦慄迷宮を周回 一日遊び倒したら、翌日は河口湖の遊覧船にのったりと一日静かに暮らす そして翌日は箱根へ行き箱根湯本ホテルで一泊 箱根を見て回り楽しみ帰宅 そんなスケジュールだった 烈は「新婚旅行の費用はボク持ちだけど、昼とかはホテルでは出ないから母しゃん持ちね! 後 戦慄迷宮のチケットとお土産とか紅花が欲しがったら父しゃんケチらずに買ってあげてね!」と謂うから高速に乗ってやって来たのだった ロイヤルホテル河口湖にチェックインして部屋に荷物を置いて、ロビーで待ち合わせをして富士急へ行く予定だった この日の為に烈は【R&R】の事務所から使ってない呼びの携帯を一つ借りて黒龍に渡したのだった 両親には番号を登録させ共有させた 榊原も「富士急………しかも戦慄迷宮……烈は何と言うのをチョイスしたんですか………」とボヤく 「だよな、しかも紅花って本当に龍王の屋敷から出た事もねぇんだな………車に乗るのも騒いで大変だったしな………」 「あぁ、だからこそのチョイスなのですかね?」 「さぁ、オレ等も童心に返り楽しむぞ!」 そう言い二人は部屋に荷物を置いてロビーに行くと、黒龍夫妻は既に来ていた 榊原は黒龍に「部屋の鍵はフロントに預けて来て下さい!落としたら部屋に入れませんからね!」と謂うと黒龍はフロントにカードキーを預けに行った 駐車所に出て車に乗り込み富士急ハイランドへ向かう 富士急に到着すると車を駐車場に停め、車から降りて入園ゲートへ向かう オンラインチケットでフリーパス顔認証を購入してあるから、そのまま入園ゲートから入園出来るのだった その為の携帯電話なのだ 一生が黒龍の分の手続きはした 飛鳥井に泊まった日に二人の顔認証を登録して使えるようにしてくれていたのだった 申し訳ないが二人の戸籍が人の世にない以上は、顔の似た社員の名前を使い入るしか無かった スムーズに入園した四人は遊び倒し、乗り物に乗りまくった そして夕刻 戦慄迷宮へ向かう 榊原は黒龍のオンラインチケットを見せて割引して貰い四人が入る 康太は終始 ぎゃー!とか、ぎょへぃーい!と叫びまくり、榊原に飛びつきまくり 紅花は「この方達は………傷んだ体をなさって……導師ですか?導師がこの様な無体を働いたのですか?」と怒っていた 康太は「此れは仕事をしてるんだよ! あの人達も生活が掛かってるんた素直に驚いてやれ!ぎょぇぇぇぇぇ!来るなぁ〜」と逃げながら謂う 黒龍は「烈なら恐怖の思いが吹き溜まってて………別なモノでいるわよ!とか言いそうだな………」と紅花の手を強く握った 康太は「いるわ!紛れているわ!だから烈が此処に越させたんじゃねぇのかよ! アイツ………狙いやがったな………オレが叫ぶの見越してやりやがっ……ぎょぇぇ!!」と榊原に飛び付き叫ぶ 黒龍は「ぎょぇぇぇぇぇ………心臓が口から飛び出すぅぅぅ〜!」と逃げて紅花は夫を抱き締め 「やっつけましょうか?」と謂う 「ならなくて良い!仕事してるんだよあの人達は!」と言い叫ぶ、逃げる、絶叫する 外に出た頃には汗だくで………疲れ切っていた 榊原は妻と黒龍夫妻を連れて駐車場へ向かった そしてホテルへ到着するとお部屋に料理を運んで貰った 黒龍達も部屋に料理を運んで貰い、料理を食べた 紅花は初めての美味しい料理ばかりで、感激していた そして「烈殿が視野と見聞を広げなさい………と謂う言葉が………良く解りました 私は本当に世間知らずでした 世界はこんなに広いのに………私は龍王の屋敷から出た事はなかったから解らなかった………」と話す 黒龍は「それは追々知れば良いんだよ、俺とお前は半年は人の世で暮らす事になるんだから!」と謂うと紅花は優しい夫の気遣いに感激した 食事を終え、お風呂に入り、熱い夜を過ごす 榊原は頑張って妻を喜ばせていた 串刺しにして、一つに繋がり腰をガシガシ動かしていた 「烈が性行為中はこのシーツを使うのよ!と言い 使い捨てのシーツを宿泊中三泊分用意してくれたので、夜はこうして君と一つに繋がり過ごせますね!」と謂う 段々 マッドサイエンティストになりつつ在る烈の父親思いな想いに康太は「使い捨てシーツ?どんなの用意してるんだよ……あぁ………深いって……」 と喘ぎか文句か解らない愚痴を謂う 魔界では父の為に媚薬オイルを用意して、旅行中は使い捨てシーツをコッソリ持たせる! 気配りの権化 飛鳥井烈だった 榊原は「なので君が幾ら精液を飛ばそうとも、僕のを漏らそうとも、このシーツの上だと安心ですね!翌日にはゴミ箱にインすれば良いんですから!」と喜んで腰を使う 一つに溶け合い……愛し合う きっと黒龍達も熱い夜を送っているのだろう……… 翌朝 朝食をレストランで食べる為に降りて来ると、黒龍夫妻もレストランへと向かっていた 少しガニ股な紅花を見れば………どれだけ熱い夜を送ったのか?解る 康太は「破瓜した乙女ばりの初々しさだな!」と謂う 榊原は「烈は龍王の屋敷で過ごしていた、と言いましたね? ならば破瓜した乙女は間違いないでしょう? 相手は黒龍で、まだ男性器を受け入れるのに慣れてないのですよ!」と小声で囁く 康太は「新婚はあっちっちだな!」と笑うと 黒龍は「年中新婚のお前に言われたくないわ!」とボヤいた 榊原は「烈が何時も言ってるでしょう?僕達は何時だってラブラブです!」と謂う 紅花はそんな高度な会話には着いて行けず、頬を赤らめていた 康太は「紅花、昨日は楽しかったか?」と問い掛けた 紅花は瞳を輝かせ「はい!楽しゅう御座いました!」と答えた 「オレ等の事は康太、伊織と呼んでくれ!」 「はい!康太様、伊織様ですね」 「違う、呼び捨てで良い 人の世では【様】付けは違和感ありまくりだから辞めろ!解ったな!」 「はい!解りました!」 榊原は「まぁそれも追々で構いません!さぁ楽しく朝食を取ったら、遊覧船になりますよ!」と謂う 紅花は「本当に人の世は目が回る程に沢山の不思議なモノに溢れているのですね!」と謂う 「魔界もな烈が彼処まで整地して街灯を作り、道を整備して迎賓館を作り上げた 昔の魔界は獣は乱獲されて、食うのにすら困る世界になっちまっていたからな それを烈がオレのクソまずい早く育つだけの野菜を改良して、市場を活気づかせた 彼処までになるには、かなりの努力が要ったんだよ!魔界の住民に仕事を与えて、お金を儲けられるシステムを構築し、その利益や税収で整地して、活気付かせていたんだからな! まぁ追々、オレが菩提寺に行ったならば、魔界の歴史や禁足地の話とかしてやるとすんよ!」 紅花は「お願いします!」と言った こんなに素直で汚れていない子ならば、銘の二の舞になってしまうのは目に見えている だからの菩提寺での生活なのだと康太と榊原は痛感した 河口湖で遊覧船に乗り、観光を楽しむ その日は疲れていたから、ゆったりとカフェでお茶したり、名産の海鮮を食べに行ったりして過ごした そしてその夜はまた熱い時間を過ごし、翌朝ホテルをチェックアウトした 河口湖から箱根はそんなに遠くない 箱根湯本ホテルへ到着するとチェックインした そして箱根を堪能する 温泉卵を源泉の近くで買い食べる 本場の温泉卵はとても美味しくて大満足していた 黒龍は「烈が大鶏獣と大鷲獣と掛け合わせたら、大ダチョウ獣が誕生したんだよ その卵が大きくて硬くて持ち運ぶのに鬼達10鬼かがりで運ぶんだよ………毎日大変でさ……」とボヤく 榊原は「彼は本当に研究が大好きですからね! それも此れも総ては魔界の為、皆の為 大嫌いで憎んで憎んで滅べと願った魔界だが、祖父がいる魔界なれば彼は頑張りますからね なので文句は受け付けません!」と笑って言った 黒龍は寝物語に聖神の話をした 彼が受けた熾烈な虐めの話をした だから彼は一族が滅ぶ事だけを夢みて破滅の道を辿った…………話をした 紅花はあまりの衝撃に言葉をなくした 妻を略奪され目の前で何度も犯した………そして我が子は犬のように鎖で繋ぎ飼い………食事も与えなかった………… それを全て目の前でやられた………と謂うのか……… 虐めても耐える聖神は目障りだったのだろう 彼には冥府の地下に棲むニブルヘイムと謂う友がいた その友が聖神を励まし支えた 二人の絆はその頃から始まっていたと話した そして聖神は人の世に堕ち……飛鳥井宗右衛門となり今に至る そんな話を妻に聞かせた 自分ならば………そんな事した奴等は皆殺しにしてやる………… それをせず復讐して………一族を解体させたのを見届けて人の世に堕ちたと謂うのか……… 紅花はやるせなかった 遣る瀬無くて………黒龍の胸の中で泣いていた……… 箱根 最後の夜 榊原は「烈に媚薬貰ったんですよ!」と言い それはそれは、貰ったシーツがドロドロになるまで……… 精液が出なくなるまで、頑張って妻を抱いた そして翌朝 「僕も年ですかね?腰が重いです!」とボヤいた 「オレはもっと年感じてるぞ! お前が薬使うから、オレは立つのもやっとなジジィじゃねぇかよ!」とボヤいた 楽しい三泊四日の旅行は終わった 横浜へ向けてお土産を沢山買って、写真を沢山撮って帰宅となった 両親の帰還する日 兄弟は慎一のお手伝いをしていた 客間には神威、阿賀屋、鷹司、神野、須賀、柘植、相賀、清四郎と真矢が家族と共にいた 客間には豪華な料理が並んでいた 烈が神野達や真矢と清四郎から徴収した会費で慎一に買って来て貰った豪華な料理が並んでいた そんな中 康太と榊原、黒龍と紅花は帰宅して来たのだった 烈が玄関まで出迎えてくれて「母しゃん 父しゃん!黒ちゃん べにちゃんお帰りなのよ! さぁ客間に皆いるわよ!」と謂う 康太は「皆?誰よ?」と問い掛けた 「飲みたい奴等よ、本当にね宴会開くわ!と謂うと飲兵衛が集まっていけないわ!」 ボヤきつつ両親の荷物を応接間に置かせて、客間へ連れて行く 皆 【お帰り!】と出迎えてくれた 一生は「お疲れ!お前等の慰労会だ!まぁ新婚して来る奴等に慰労会もねぇだろ?と俺も聡一郎も言ったけど、烈が皆を呼びやがったから慎一と一緒に買い物に出掛けたんだよ!」とボヤきつつ謂う 康太は客間に行くと適当に座った 烈は黒龍と紅花を適当に座らせて、テーブルの前に料理とコップを置いた 後はもう飲兵衛に捕まり、飲み明かす事となる 康太は酔っ払いの喧騒さを聞きつつ料理を食べて 「何か帰った気するな!」と言った 斑模様の猫はせっせと働かされていた 「あんさん!鍋は何処に置くんですの?」と聞くスーだった 鍋敷きを置いて、その上に鍋も置く 猫達は上機嫌で飲んでいた クーが皆に取り皿を配る ルーも子供達にコップを渡していた 神野は「飛鳥井の烈の猫、増えたんだな」と、呟いた 須賀も「白黒斑なんて不思議な柄ですよね!」と謂う 烈の背中と頭にはトイガーが張り付いている 何時もの光景だった レイが「くろたん………れいにょこと、わちゅれにゃいでね!」と謂う 何だか黒龍が取られた気分なのだ 一生は「お前が取られた気分なんだよレイは!」と代弁してやる 紅花はレイを抱っこして膝の上に乗せた 烈は「べにちゃんよ」と教える 「べにたん?」 「そうよ!黒ちゃん取らないから大丈夫よ! 彼女は黒ちゃんの奥さんなのよ!」 「おくしゃん? おくしゃん これこうてぇにゃー! いってりゅ、おくしゃん?」 「………何それ!それ怖いってレイたん!」 「てれび みちぇたらねぇ、やってたにょよ」 「レイたん、どんなテレビ見てるのよ!」 するよ玲香が「それってこの前見てた時代劇のヤツじゃな!」と謂う 「ばぁしゃん、帯を引っこ抜いて、あれー!!!なんてクルクル回るの見せてないわよね?」 と聞くとレイは両手を上げクルクル回って 「ごむちゃいにゃー!」とやった 家族や神野達は大爆笑した 烈は「…………レイたん………」と何と言って良いやら困っていた 一生はレイを抱き上げて「さぁこっちにフルーツあるから食べような!」と連れて行った レイは美味しそうにフルーツを食べていた 「ばぁしゃんは危険だわ………どんなの見せてるのよ………」とボヤいた 聡一郎が「烈が手を治す旅に出て、レイは寂しそうだったから玲香さんが気を使って見ていたんですよ!」と教えてやる そんな心優しい祖母を悪くは言えなくて、烈は祖母に抱き着いた 玲香は「腕が治って本当に良かった………」と、呟いた 烈は「本当に痛かったのよ………肘で固まってるのと、腕を庇って体のバランスも悪くなってる!と、言われてね……治したのよ 体が引き裂かれる程に痛かったのよ………」と謂う 「烈は頑張ったのじゃな……」 祖母に撫でられてると、ちっこいのが自分達も撫でて!と甘える 玲香は全員の頭を撫でてやった 飛鳥井の家族の絆は強く、そして羨ましい程に仲が良かった こうして笑い声が絶えない飛鳥井の家の夜は更けて行くのだった

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