60 / 67
第60話 悪夢……
飛鳥井建設の大掃除も終わった
飛鳥井の家の大掃除も終わった
御節も後は詰めるだけ
会社は休みに突入
今年は28日から1月5日までの9連休だった
烈は26日から入院していた
迎賓館から熱を出して、康太と榊原に久遠の所へ連れて行かれ、即入院になった
竜馬は烈が入院した日から、飛鳥井の家に寝泊まりして、毎日見舞いに行っていた
【R&R】のメンバーも、クリストファー・オブライエンも烈の見舞いを欠かさなかったが、新年を倭の国で迎える訳には逝かなくて、渋々イギリスへ帰国した
あれからイギリスにいるRODEOÑとアメリカのStrongHiも来日して来て、打ち上げをする気満々でやって来たが、リーダーは入院中で、リーダー不在の打ち上げは不満で改めて退院したら打ち上げをやってくれ!と訴えた程だった
その烈は高熱に魘されていた
下痢と熱、嘔吐で本当に死にそうな思いをしていた
走馬灯が見えて………
意識の遥か向こうに………
「宗右衛門!早く来いよ!」と帝釈天が獅童と共に呼んでいた
「早く来ねぇと死んじゃうぞ!」と死にそうな烈に謂うのだ
「行っても死ぬし、逝かなくても死ぬじゃろうが!」と宗右衛門が怒鳴ると十二天は笑っていた
ぜーぜー
はぁーはぁー
死ぬ思いをして怒鳴る
フラフラだ
力が入らない……
「宗右衛門、無理するな!死ねぞ!」
飲兵衛が飲みながら謂う
「無理せずともお呼びが来そうじゃわ!」
宗右衛門が怒る
「んな簡単に逝かせるかよ!
まだ酒飲んでねぇじゃねぇかよ!」
「そうそう、大歳神が儂より早く死ぬな!と怒髪天突くだろうが!」
「当たり前じゃ!
親より早く死ぬのは罪じゃからな!」
と神威が怒る
ワイワイと怒鳴り声がして看護師が何度も
「煩いですよ!貴方達!!」と怒ってやって来る
怒られ少しは静になるが、また煩く飲みまくる飲兵衛集団………
本当に厄介な奴等じゃないか………
…………烈はそんな不思議な夢を見ていた
夢なら、もっと優しくしてくれても良いじゃない!
烈のボヤきに十二天と神威は笑う
そして酒盛りをする
飲兵衛の巣窟で烈は魘されながら寝ていた
熱が下がり目を醒まし想う
何と言う夢見てるのよ………ボク………
やっとこさ熱が下がり、下痢が止まり、意識が戻ったのだ
想わず烈は辺りを見渡した
此処は病院で個室
竜馬がいて、兄達がいる、レイ達ちっこいのも心配して見舞いに通ってくれていた
だが生々しすぎて、夢だとは思えなくて………
烈は竜馬に「ねぇ……りゅーま、病室に飲兵衛集団来てなかった?」と問い掛けた程だった
竜馬は「…………」は答えなかった………
烈は「あれは夢?現実?」と聞く
更に竜馬は横を向き答えなかった………
大晦日、烈は退院した
体調は戻ってないが、年末年始を病院で迎えるのは可哀想だと久遠が退院を許可したのだった
烈は家族の待つ飛鳥井の家に還って行った
帰宅して来た烈は少しだけ窶れて痩せていた
久遠が謂うには弱って熱が出てる所に、腸炎の菌が入り感染していたとの事だった
大晦日 烈がやっと飛鳥井の家に帰って来た
家族は喜び、皆で迎えられる大晦日を喜んだ
ともだちにシェアしよう!

