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第61話 バースデー バレンタインデー キッス❥

1月31日 半日で帰宅した飛鳥井の子は、キッチンへ向かい料理を始めた キッチンは甘い匂いに包まれていた 翔達がエプロンと三角巾を着けて、せっせとケーキを焼いていた ケーキの構図を考えたのは太陽 作っているのは大空 兄弟は手伝いをしている感じだった 太陽は板チョコを溶かしてプレートに型を取り直して、冷やした そのプレートの上にホワイトチョコで 「Happy Birthday to 母さん」 と書いていた 烈はイチゴを綺麗にスライスしていた そのスライスしたイチゴを一段目のスポンジの生クリームを敷いた上に並べる ノルマのイチゴをあっという間にスライスし、イチゴで薔薇の花を作り出した そしてイチゴで作った薔薇の花を劣化しない様に飴でコーティングして行く 兄達はその手際の良さに苦笑して、ケーキを組み上げていく そしてトップにイチゴを飾り、烈が作ったイチゴで作られた薔薇の花を飾る レイがカラースプレーを鬼は外!バリの勢いで飾放り投げる 大空と太陽は「「出来た!」」と謂うと兄達は大喜びした 榊原は我が子の手際の良さに、成長を感じていた そしてケーキを作り上げた後 兄弟とちっこいの達はチョコを作り始めた ちっこいの達はクッキーの生地に型を押し当て!くり抜いて行く 綺麗に慎重にくり抜いて行く 生地が小さくなると、小さな手で捏ねて、凛がコネコネしたのを椋が伸ばす レイが型を持って待機する 北斗と和希と和真と永遠は、型が抜かれたクッキーを天板に並べた そして焼き上がったクッキーを冷ます 流れ作業で仕上げて行く もう榊原はすっかり見ているだけになった 烈は「父しゃん 母しゃんの誕生日は皆を呼びたいからお料理お願いね!」と謂う 榊原は「承知しました!ならば買い付けの旅に出ます!会社の方は宜しくお願いしますね!」と言い榊原は妻を連れて出掛けた 烈はそんな父の背中に「父しゃん 明日の昼には帰れる距離でお願いね!」と謂う 榊原は「承知しました!その代わり仕事頼みますよ!」と謂う 烈は「カズ、お部屋の宿泊とか、りゅーま連れて行ってチョイスさせて!」と謂う 一生は「了解!」と言い竜馬と共にキッチンから離れた レイは「ばれんちゃいん きぃっちゅ♪」と歌っていた 慎一は「誰が教えたんですかね?」とボヤいた 音弥が「井筒屋が入ってる商店街、あそこだよ! バレンタイン商戦まっしぐらだから流れてるんだよ!」と教える 慎一は、そう言えば流れてたな………と思い出す 凛は「ちょーてんがいは、ばれんちゃいんと、ひにゃまつりが、こんじゃいしていたな……」とボヤく 椋は「ちょれ いうにゃら、くりちゅまちゅと おちょーがつ、こんじゃいしてるよ!」と付け加える 烈が「情緒も風情もない世の中になっちゃったのね……… 今世生まれてハロインなるものがあって、ビックリしたもんねボク……… Xmasとか元は他国の偉人の誕生日なのに、こんなに浸透してるなんて………」とボヤく 慎一が「ほらほら、じぃさんも動くんですよ!」と謂う そう言われ烈はチョコを湯煎し始めた 溶かしたチョコを溶かして型に流し込む レイが福わ家!宜しくカラースプレーを掴むとエイ!と撒いた 烈は「あ!ハイカラなチョコになっちゃうじゃない!」と慌てた 大空は「良いよ、その上にキャメルで模様入れれば大丈夫だから!」と弟を慰める レイは涙目になり「れい……わりゅいこ……」と呟く 凛は服を脱ぎ捨て、クッキーの型を抜きまくっていた 椋は静かにそれを並べていた 烈は「レイたん大丈夫だから!」とポッケの中のカニパンをレイに渡した レイはそれを受け取り、嬉しそうに食べ始めた 流生は「誰よ、母さんの誕生日ケーキを作り、ついでにバレンタインのチョコ作ろう!なんて提案したのは!」とボヤいた 翔、音弥、太陽、大空は「「「「流でしょ!」」」」と声を揃えて謂う 烈は「終わらないわよ!」と謂うと兄達は持ち場に戻った 夕飯の時間になり、その日の分のチョコ作りは終わった ケーキは客間にある子供達用の冷蔵庫に冷やされて当日まで眠る事になった 甘い匂いのする飛鳥井の家に帰宅した家族達は、榊原が作ってるのかと想ってキッチンを覗いた するとキッチンは子供達が占拠していて 烈は「今日は夕飯作る時間なかったから、カレーよ!」と言い三角巾とエプロンをした烈が給仕をしていた 兄達も北斗達も同様な格好をしていて、家族は何だか子供達の成長が嬉しくもあり、悲しくもあった 凛が「ばーしゃん、じーしゃん!きがえりゅ!」と謂う 椋が「えーにーしゃん、まま、きがえりゅ!」と謂う 四人は着替えに向かった その夜は子供達制作のカレーを食べた 濃くのあるカレーに美味しい!と称賛した 太陽は「烈がカレーにチョコ突っ込んだのよ! その後に生クリームも入れちゃったからね!」とボヤく 清隆は「だから濃くがあり滑らかなのか!」と謂う 子供達は首を傾げた 慎一は「グルメな宗右衛門ですから、隠し味のアドバイスを俺も貰ってますよ? あの料理には隠し味でこの食材入れると良いと! 最初は、え!!!と想いましたが、隠し味を入れる事により、より深みや濃くが出るので、今は皆に出す前にアドバイス貰ってます!」と謂う 宗右衛門は「伴侶の料理の腕前は前世に鍛え上げたかのは儂じゃからな!」と謂う ワンセット転生の話は幾度となく聞いたが…… 榊原伊織と謂う存在は前世からの伴侶なのだと、こうして謂われると彼の背負う重さを痛感させられる 皆で楽しく夕飯を食べて食後のお茶をして、片付けをする そして自分の部屋に行き、明日の用意をする 翌朝 烈はスーツを着ていた 最近やっと桜林へ通学を始めたのだった だが不定期での通学だった 必ず参加させねばならないZoom学級会とかには、何が何でも参加するが、それ以外は予定に合わせて参加していた 2月1日 この日は母の生まれた日だった 烈は会社に出勤して社長室に入り、社長の仕事を上げていく 色々と大変な事態があったけど、何とか仕事を上げて飛鳥井の家に帰宅した 帰宅するなり烈は兄達に 「暫く会社に来ちゃ駄目だから!」と告げた キッチンに行くと榊原が料理をしていた 「父しゃんお帰り!」と謂うと榊原は笑顔で 「ただいま、そしてお帰り烈!」と謂う 「新鮮なの買えた?」 「はい!それはそれは新鮮なの買って来ました!」 「なら皆を呼ぶね!」 烈は部屋に戻りスーツを抜き捨てるとジャージに着換えた 着替えてる最中、竜馬がやって来た 「烈、晟雅にはもう連絡入れたっすか?」と問い掛ける 「まだよ、少し会社で大変な事あったからね 其処まで手が回らなかったわ!」 「明日は手伝うっす! 晟雅達には俺が連絡いれるっすね!」 竜馬はそう言い神野達にラインで 「今日は康太さんの誕生日っす! 皆で楽しもうと謂う事なので来て下さい!」と送った 飛鳥井は誕生日に高価なプレゼントは廃止した 宗右衛門が管理する様になってからは、それは徹底して廃止となった ラインを貰い神野達は【是非行かせて貰うよ!】と返事をくれた 其処へ兵藤もやって来た 「お~い、康太の誕生日何人位来るのよ?」と問い掛けた 烈は考え込んでいて聞いてない風だった 兵藤は「烈?」と問い掛けた 竜馬は兵藤を連れて客間に強引に向かう 「今日は何が何でもこーちゃんの誕生日を完遂しなきゃならないっす!」と告げた 兵藤は「おー!問題が起きたならば明日一緒に行けば良い事だしな!」と言った その夜は盛大な康太の誕生日をやった 康太は子供達全員の制作のケーキを目の前に置かれ 「嘘、こんな綺麗なの………オレの為に作ってくるたのか?」と言葉にした 流生が「殆どが大空が指示をして作ったんだよ!」と謂う 太陽が「その薔薇の花は烈が作ったんだよ!」と謂う すると康太は「あぁ、宗右衛門は帝国ホテルの主任シェフしてたかんな!」と謂う 榊原も「僕は宗右衛門の下で料理を叩き込まれて作らされていましたからね!」とボヤく 兵藤は「何でも建築屋のお前等がシェフしてんだよ?」と問い掛けた 康太は「そりゃ建築一本で食えない時期があったからだよ! 2月と8月は仕事が手薄になるからな、食う為に腕を磨かねぇとならねぇ時期があったんだよ! で、宗右衛門と伊織は帝国ホテルでシェフの出稼ぎに行き、オレは給仕担当してたんだよ! んとに、宗右衛門とワンセット転生は過酷でさ……建築も今の規模にするまで出稼ぎは当たり前だったかんな仕方がなかったんだよ!」と謂う そんな大変な思いをして飛鳥井建設を軌道に乗せたのだ 家族が感慨深く思いを馳せていると 子供達は「次はバレンタインよ!お世話になった人に配るのよ!社員には一粒サイズのを配るわよ!」と謂う 燃える大空と太陽だった 家族はまだあの甘ったるい匂いが続くのかと………想った だがそれで良い! 皆が楽しんでいるなら、家族はそれで良かった 2月14日 バレンタイン 兄達と烈とちっこいのは、社員達にチョコを配った そして掃除のおばちゃんとおじちゃん 食堂のおばちゃんと和華子に配った 会社の帰り烈は相賀達に、流生は一生と戸浪へ行きチョコを渡す 烈はぜんちゃんちに行き神野達の所へも行きチョコを渡す 大空と太陽は祖父母に、音弥は清隆と玲香に 翔は瑛太と京香、そして瑛智と柚にも渡す それぞれミッションを課せられ動き出す 烈はチョコを配り終え帰宅した 今宵は慎一をGETしていたおでんにする予定だったから神野達は買い出しへと向かったのだった 両親が家に帰ったら、両親にもチョコを渡すのだ そして始める宴会! 家は変われど、家族は何時もと変わらずに過ごしていた HAPPY Valentine ❥ 恋人と共に過ごす幸多い日であります様に

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