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第65話 七夕の夜に

烈達兄弟は七夕のイベントに来ていた 井筒屋が入っている商店街が、今年は烈の考案の元 商店街イベントをやる事になったのだ まぁ派手な事はない 派手な事はないが…………七夕イベント 数日前に烈はRODEOÑのボーカル アーネストに 「ねぇ倭の国は7月7日は七夕と言ってね、1年に一度彦星と織姫がね………」 うんぬんの話をしてイベントをやるのよ!と告げた 「とても楽しみなイベントなのよね! でもね催し物が少なくてね…………」 と悲しそうに言われれた 悲しそうに言われれば頑張って協力しちゃうぜ!と燃え上がる 「手伝える事があるなら手伝うよ!」 そう言っちゃうから、烈は待ってました!と扱き使う算段を立てるのだった そして始まる商店街 七夕祭り 今年は七夕は平日だった まぁ午後のお買い物に来た主婦をターゲットにすれば、お子様もついでに来られて楽しい時間になれば良いか! と想い始めたイベントだった だから敢えて午後3時スタートのスタンプラリーにしたのだった スタンプラリーを完遂した先着50名様に、豪華賞品【井筒屋の羊羹】をプレゼントするのだった 参加賞はRODEOÑの写真にサインを入れた写真(コピー)300枚だった 此のイベントは地味に商店街のお祭りイベント …………の筈だった 商店街 七夕祭り実行委員会の腕章を付けた烈は、お祭り騒ぎをしようね!とイベントに力を入れていた 井筒屋の羊羹50個を作成する為に梓沢達は、調理人仲間に協力要請して徹夜で仕上げたのだった そして冷蔵庫で眠らせ、やっとこさ先着50名様の井筒屋の羊羹を完成させた 七夕イベントの協力の為に来日したRODEOÑ達は、来るなり私服なのに写真を撮られた その写真をプリントアウトしてサインを入れさせ、取り敢えず300枚コピった スタンプラリー中継地点に烈の兄達が立つ 取り敢えず護衛のSPが兄達に付き、変なのは寄せ付けない様にした スタンプラリー中継地点は5箇所 兄達の分しかない そして景品を渡すのは和希と和真と永遠 一生と慎一を付けた RODEOÑは演奏して貰う為に楽器も用意した 竜馬も駆り出され迎える七夕イベントだった 告知は商店街に買い物に来た人だけ目に出来るゲラ刷りの広告を商店街に張り出して貰い、商店街放送で流した それだけだった 小さなイベントになる筈だった ……………が、蓋を開けたら………… かなりの人が詰め掛けて来て、小さな商店街はかなりの人が溢れる事になったのだった 烈は「あれ?告知は商店街だけだよね?」とボヤいた 榊原は「実行委員会の役員に飛鳥井烈の名前を見つけ、Xでかなり流れていましたよ?」と謂う 「え!!実行委員会の名前なんて蟻サイズよ!」 「其れでも目敏い人間がいて広めたのでしょうね!」 烈は商店街の放送室へと向かう そして放送をした 「この度は桜町商店街にお越し戴き有り難う御座います! 今日開催する七夕イベントは、かなりの人がお越しの様なので、トラブルや怪我人が出たら即座に中止とさせて戴きます! 皆様 ルールを守りトラブルや怪我人を出す事なく、七夕イベントを終えられる様にお楽しみ下さい!」 と注意喚起した そして続いて「其れでは桜町七夕イベント始まりです!」と開始の合図をした 皆 怪我やトラブルを注意してルールを守りイベントを楽しんだ スタンプラリーの用紙は1500円以上お買い上げで配られていた 噂を聞きつけやって来た者は、即座にお買い物に走った スーパーでは買い物をした人に限り、大型冷蔵庫にイベント終了時間まで保管する!と放送を流すと、スーパーに駆け付け買い物をしてトートバッグに名前を貼り付け、引換券番号を渡された 「引換券がない商品は渡せませんので、無くさない様に保管お願いします!」と放送する そして七夕イベント、スタンプラリーの用紙をゲットして皆がスタンプラリーを始めた 用紙は開始30分には無くなり、スタンプラリー用紙は完売しました!と、どの店も告知を張った 烈は「まだまだ来るじゃない…………もう用紙はないわよ………」とボヤく 実行委員会の詰め所で康太と榊原は冷たい麦茶を飲みつつ 「んとにな、何処から聞きつけて来るんだよ!」とボヤいた 「今は情報社会だと謂うのを実感させられますね!」 「まぁどの店も文句なく儲かったんだし、この小さな商店街では此れが精一杯だから仕方ねぇよ!」 小さな商店街に軽く1000人は詰め掛けていて、警察まで出動していた 商店街の世話役が警察に依頼を掛けたのだった 因みに商店街の世話役は緑川慎一がなっていた 慎一は「烈、警察に依頼を掛けときました!」と報告 「来すぎなのよ、ボクも楽しもうと思ったのに………」 竜馬は「次からは烈の名前は省いた方が良いかも知れないっすね!」と謂う 康太も榊原も頷いていた 一生が「烈、スタンプラリーの終了の時間だ!」と終わりを告げる スタンプラリーは商店街にある神社で参拝してスタンプを押して貰い、商店街にあるバスターミナルの事務所でスタンプを押す場がある 神社には翔、バスターミナルには流生 そして居酒屋、魚屋、中間地点に音弥 肉屋、八百屋、には太陽 井筒屋には大空がスタンバイして、スタンプを押していた 総て回るのに1時間ちょい スタンプラリーの用紙は300枚 用紙を手に入れられなかった者 軽く700人 そう、過半数以上の人が用紙を手に入れられなかったのだ それに対して不平不満が上がったが、慎一が容赦のない対応をして黙らせていた 「この七夕イベントは大々的に告知はされていない!本当に買い物に来てくれた方々への感謝の意を込めてのイベントなのです! なので告知をまた聞きしてやって来たとしても、定員オーバーしてしまえば、此方としても対応しかねます! 此れはあくまでも公平なルールに則って始めたイベントなので、手に入らないからと言われましても、此方としても対応しかねます! そう申し出て来る方全てに忖度していたら、なら自分も!と来る方が絶えませんので! 一定の線引きはさせて戴いてます!」 と言われれば………ぐうの音も出ない ならばイベントを楽しもうと来た方々には、景品はないが補助券を1000円買い物した人に出すので、それでスタンプを押して貰って下さい! 景品はないが、イベントは楽しめます!と妥協案を出して何とか乗り切った 急遽 RODEOÑのサイン入り写真をプリンターでコピり、皆に配布を決めた 聡一郎と悠太は詰め所で写真をプリントしまくっていた 飛鳥井の会社と施工の会社からプリント用紙は提供して貰っていたから、取り敢えず1000枚プリントしまくった 商店街には其々の写真を撮ってサインを入れさせ、飾って貰った そしてスタンプラリーが午後5時に終了すると、商店街のバスターミナルを使いRODEOÑの演奏が始まった 歌う曲は、5曲 早瀬頼朝が七夕イベントと聞き付けて、烈に会いに来てたから、急遽参戦して歌う 皆 ターミナルを囲み座ってもらう そして一人でも多くの人に見て貰う そして始まる演奏! 若い子たちは歓声を上げてノリノリで楽しみ、年寄の人達は若い子達の熱気にやられ楽しんでいた 【 今 】を楽しむ時間となった 5曲演奏して、その日のイベントは終了した 烈はマイクを持つと 「皆さん 桜町商店街にお越し下さり、有り難う御座いました! 此れにて七夕イベントは終了となります! 来て戴いた1000人の方にはRODEOÑサイン入り写真を配ります! 一人ずつ1列になりお並び下さい!」 と謂うと皆立ち上がり1列に並んだ そして烈と竜馬が皆にRODEOÑのサイン入り写真を配る 「ファンです!」と謂う方には笑顔で返し 写真を1枚ずつ配って逝く 最後の一人に配り終えると、イベントは本当に終了した! 皆に写真を配ってる間にRODEOÑのメンバーと早瀬はいち早く姿を消した 皆が振り返った頃には楽器を片付ける者しかいなかった そして写真を配り終えると烈と竜馬も姿を消し、そんなに対した混乱もなく皆が解散して帰って行った 皆は、商店街会館に集まり宴会を始めていた 桜町商店街は今 生まれ変わり古くからその場で商売をしている者も新しく始めた者も仲良く協力しあい商店街を盛り上げて逝く努力をしていた お疲れ様会と称して宴会が始まる 飛鳥井の家族は皆 商店街会館に来ていた RODEOÑも早瀬も加わり打ち上げを始める 榊原は「皆さんお疲れ様でした!ですが対した混乱もなく終われてホッとしてます!」と述べた 康太も「皆の店も結構な売り上げ叩き出せたし、ホクホクと謂う事で乾杯!」と乾杯した スーパーの経営者は「今までにない盛況ぶりでした!有り難う!」と感謝の言葉を掛けた 神社の神主は「何か賽銭がかなりされて嬉しい限りだ!」と謂う 此処の神社の神主は二階堂兄弟の従兄弟だった 二階堂洋二、かなりのイケメンで参拝客も増える事間違いなしだった 桜町商店街の神社の神主が退役すると言われ、烈は誰かいない?と二階堂兄弟に相談したのだった その時に「なら俺等の従兄弟が丁度、今の神社の後継者が宮司になり戻って来るから仕事を無くしたってのがいるから、ソイツで良ければ! 聞く所によると系列同じみたいだから、直ぐにでも仕事に就けるぜ!」と言ってくれ頼んで貰い神主になって貰った存在だった 烈は「よーちゃんが神主になっておなごの参拝客増えたから今更増えなくても良かったのにね!」とボヤく 「んな事謂うなよ!俺が継いで廃らせたなんて耳に入ったら悠一と三鶴に吊るし上げられるじゃねぇかよ!」 「何かしたら言っちゃうからね! 今度会うし、二人も来るしね!」 「え?何しに来るのさ!」 「遊びに!」 「え!ズルい!俺も遊びたい!」 「て言うのは嘘だけど! 視察に来るのは確かね!」 「え〜!俺はちゃんとやってるさ!」 「よーちゃんが、じゃなくて磁場が危ういから見に来てくれるのよ!」 洋二は顔色を変えて 「やっぱ?気の所為じゃなく?」 「そうよ!気の所為じゃなくね!」 「ならあの兄弟に来て貰うしかないな!」 と納得 翔達が烈の傍に来て 「七夕イベント大成功ね!」と労いの声を掛けてくれた 横にいた竜馬が「何か凄い人が来てビックリしてたけど、怪我人もトラブルもなく終われてよかったっすよ!」と謂う 「来年からは絶対に名前載せない!」 と謂うが、康太が 「其れでも商店街は賑わって満遍なく買い物もして貰えて喜んでいたさ! こんな機会がなきゃ、消費者は財布が固くて買い物してくれねぇからな! 皆 喜んでくれてるから、来年もやってやれよ!」と謂う 「逆に迷惑にならない?」 「なってねぇよ!スタンプラリーの紙を全店舗に公平に置いたから、皆買い物をしてくれて助かってるさ!」 「なら良いんだけど、そもそも七夕イベントはボク等も楽しみたかったのよ だから各地点に、にーに達を配置して終わったら楽しめる様にしたかったんだけどね……」 烈が言うと早瀬頼朝が 「ならお祭りイベントやったら? 縁日風にして出店置いてイベントしたら?」と提案した 「それも良いけどね………コスト掛かるのよね 夏はボク 沖縄に行くし、そんな時間ないのよね」 「沖縄?良いね!俺も同行したい!」 「良いわよ、どうせ司会で仕事入るだろうし!」 「え?………それは??」 「三社共同事務所の全国オーディションキャラヴァン始まるのよ! ボク等は沖縄と東京しか見ないけどね! 四大都市圏で開催されるわ! ボクはまぁ夏休みに沖縄に行くから、そのついでに見るだけだけね!」 「沖縄かぁ……俺暑いの苦手かな? 暑い中 ぶっ倒れるまで草毟りさせられて過ごした夏は……黒歴史だからな………」 「ねぇ、よりちゃん、昔のイジメてた奴とか………今更ながらに友好的に来てるでしょ?」 早瀬は驚いた顔をして烈を見た 「そんな奴等は貴方のネームバリュー利用したいだけなのよ! 有名人と同級生だとか友達だとか言いたいだけよ! そしてネームバリュー利用したい奴等は、【R&R】担ぎ出したい奴とかもいるのよ お前、【R&R】と知り合いだろ? ならうちの会社のCMとか作ってくれないか?とか言って来るのよ! 本当に厚顔無恥でいけないわね! そんな奴等の言う事には耳を貸さなくて大丈夫よ! 貴方、マネージャー着いてるんでしょ? ならマネージャーにそう言う輩は対処させなさいよ!」 「何故………知ってる?」 「貴方の星が揺らいでるのよ 色仕掛けで誑し込まれてスキャンダル出したら、もう誰も貴方なんか見ないわよ! スキャンダル出した芸能人なんか、腐る程スペアはいるんだから!身辺には気をつけなさい! 幾ら憧れていたマドンナだろうともね…… 其れは貴方の伴侶となるべく存在なんかじゃないからね! 此れは警告よ、道を逸れたならばボクは二度と貴方を観る日は来ないわ! 何故ならばそれは貴方とボクの道が違うからなのよ!」 早瀬は言葉もなく……烈を見て………覚悟を決めた瞳をした 「ごめん烈………何か過去を許された様な気になっていた…………」 「それは別に良いのよ! 貴方が何を想い何を考えて行動するか? そんなのは貴方の自由なんだから! だけど道を違えたら、其処で終わりだと謂う事は常に心の隅っこに置いておきなさい! そして考えるのよ、この道を進んで大丈夫なのか?とね! 不安ならば貴方には事務所の社長だってマネージャーだっているじゃない! 話をすれば良い! それでも不安ならラインして来なさいよ! 貴方の道を示す事くらいはしてやるわよ!」 「ずっと憧れていた………人だったんだ………」 早瀬が呟くと烈は「竜ゅー馬!」と言った 竜馬は封筒に入った書類を早瀬の前に置いた 早瀬は「此れは?」と問い掛けた 竜馬は「此れが貴方が置かれた立場っす!」と答えた 早瀬は恐る恐る封筒の中の書類を取り出して見た すると衝撃の事実があり…………早瀬は書類を落としてしまっていた 横にいた康太がその書類を拾い上げ見て 「あ~不倫を公表されたくなきゃ、【R&R】に口利きを…………ね、バリバリ誑かされてますがな!」とボヤいた そして早瀬の瞳を射抜くと 「お前さ、烈に過去の柵切って貰ったのに何故自分から過去へ向かうのよ? そっちへ進めば破滅しかねぇぜ! 破滅に向かう者はもう視界には入れねぇから、此処がお前の分岐点になる!」と言い放った 烈は呆れて、その場を去った 康太と話している間に、気配を消していなくなったから、気付いた時にはいなくなっていた 神野達は「あれ?烈は??」と騒いだが 康太が「呆れて此処を去った! ここが分かれ道だ! お前が決めて進まねぇと、烈はお前の前には現れねぇ! だからお前は己の果てを果てを決めろ!」と謂うとその場を離れた 慎一が「では解散となります!」と謂うと皆 解散となりその場を離れた 早瀬のマネージャーは、放心状態の早瀬を連れて事務所へと向かった 神野達は飛鳥井の家に行き……取り敢えず飲むつもりだった 飛鳥井の家に行くと烈がいた 「お帰り!」と両親や祖父母に抱き着き甘え、兄達の傍に行き甘える レイは烈に抱き着き、仲良く兄達に抱き着いた 皆して客間へと向かう 相賀は三社共同事務所として早瀬を雇用する身として「烈………どうしたら良いか?話に乗って下さい!」と話し掛けて来た 烈は「指示は既にマネージャーにしてあるから、即座に動くでしょ? でないと、早瀬の返答がないと知るとあの写真を週刊誌に売られるからね! そしたら早瀬頼朝は終わるわ! スキャンダル出した芸人なんか見向きもされなくなるわよ! それが嫌なら先手必勝でしょ?」と謂う 相賀はマネージャーに連絡を入れた すると週刊誌が出る前、今夜に会見を開くと告げた 身の潔白をすると告げた 相賀は烈を見た 烈は「絵図は描いてやったから、後はマネージャーの手腕と早瀬の【想い】ね! 嫌なら必死になるでしょ?」と謂う 横で康太はうんうん!と頷いていた そしてにこやかに「おーちゃん 七夕よ!宴会の続きをしなくっちゃ!」と告げた 客間に行き宴会の続きをする 烈は兄達と話をしていた 「七夕って年に一度しか逢えないのよね? 父さんなら天の川ぶっ千切って会いに行くのね!」と呟いた 兄達は爆笑した 翔は「だね、父さんなら行くね!」と答えた 流生も「父さんだもんね!」と謂う 音弥は「それは母さんも同じだよ!逢えねぇなら逝くっきゃない!と飛んで逝くよ!」と謂うと清隆や瑛太は爆笑した 太陽は「だよね!だよね!」と納得 大空は「僕達の両親は距離も時間も関係なく飛び越えちゃう愛があるもんね!」と笑顔で言う 兄弟はうんうん!と頷いていた ついでにレイも凛も椋も響も奏も頷いていた 康太と榊原は言葉もなかった 烈は「ささっ、兄弟満場一致した事だし、熱い夜を楽しんで来たら!」と言いサコッシュから小瓶を取り出すと 「此れ新作よ!末梢神経に吸収するのが早くてね 塗った瞬間イッちゃうわよ! それを我慢させて…………ふふふ父ぉーさん楽しんでらっしゃいよ!」と悪代官バリの笑みを浮かべる 榊原はそれを受け取り 「ふふふ、それは楽しみですね!」と康太を小脇に抱えて寝室へと向かう 康太は「嫌だ!お前等親子は本当に悪どいかんな!」と叫んだ 烈は無言で手を振った 榊原はスキップせん勢いで寝室へ向かった 七夕の夜に 何想う 愛した人の事? 逢えないあの人の事? そんな想いを夜空に描き 七夕の夜は更けて逝くのだった

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